【ニッポンの世界史】#37 湯浅赳男の世界史的想像力:ブローデル・梅棹忠夫・ウィットフォーゲル
この連載は主に「戦後」の「ニッポンの世界史」を対象としているが、戦中の見逃せない議論として「京都学派」の世界史をとりあげた(その1、その2)。日本を世界史のなかにどう位置付けるか。これは一筋縄ではない問題だった。東アジアを、そしてアジアの位置付けを、矛盾することなく位置付ける試みは、結局のところ成功しなかった。
失敗は戦後日本に申し送りされることなく忘れ去られるが、「世界史を描きたい」という欲望は、自己イメージとも関係している。高度成長を遂げつつあった日本の自己イメージ