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SDGs 世界史

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国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)に挙げられた課題に対して、人類はどのように向き合ってきたのか―。SDGsと「世界史」の関わりを解説した史上初の試み。全文無料。
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#世界

SDGsは、誰がどうやって決めたのか? 【SDGsとは一体、何だったのか?】第4回

SDGsは「欧米の白人たち」が決めた?  「SDGsは "欧米の白人" が決めたもの」という言説がある。  それって、本当なのだろうか?  今回は「SDGsは、誰がどうやって決めたのか?」という3つ目の問いについて、策定時の経緯をふりかえりながら考えていくことにしよう。  とくにクローズアップするのは、OWG(オープンワーキンググループ)と、政府間交渉の過程だ。  両者のなかでどのような議論がもちあがったのかをみることで、SDGsへの理解を深めていきたい。 策定のプロセ

新科目「歴史総合」入門(4)グローバル化

■3つ目のしくみ「グローバル化」 いよいよ最後、3つ目のしくみは「グローバル化」があらわれる20世紀半ばの時代をみていきましょう。 前回みたように、戦争が終わると、今度はアメリカとソ連の2つの世界に引き裂かれましたが、2度の世界大戦を通して縮小していた貿易や交流は、以前と比べれば回復に向かいます。 ソ連とアメリカは、それぞれの掲げるイデオロギーのもとで、世界をひとつにまとめようとします。 人々は、生活水準を高める憧れを抱き、どちらかの陣営に参加し、よりよい人生をおくる

問いと「歴史総合」 :5つの観点+1に注目して

 この2ヶ月の間、私なりに、新科目「歴史総合」の素材集めをしてみました。この新科目について、ある程度知られるようにはなってきました。これを来春以降実施するとなると、なかなか大変なところもあるだろうなと思ったりもします(とくに教員研修や、学校・生徒や多様な実態を踏まえた文字資料の扱いについて)。近代化、大衆化、グローバル化を時期区分のように扱うことにも、正直抵抗があります。  巷では「歴史総合は日本史と世界史の融合だ(現代の課題との関わりを考察する)」とか「歴史総合は世界史だ(