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「#世界はジャズを求めてる」2024.2月4週(2/22)『Latin Percussion (LP)レーベル特集』eLPop伊藤嘉章・岡本郁生 #鎌倉FM

『世界はジャズを求めてる』毎週第4週は「ラテンとジャズの危険な関係」。eLPopの伊藤嘉章(mofongo)と岡本郁生(el Caminante)がお送りします。ジャズ評論家の油井正一さん「ジャズはカリブ音楽の一種」と喝破されたように成り立ちから一つのラテンとジャズは、垣根を意識することなくお互いに溶け合ってきています。そんな関係のカッコいい曲をお届できればと。番組をお聴きになってラテンに興味がでた方、ラテンがお好きな方はラテン音楽Web マガジン「エル・ポップ(eLPop)」など覗いて頂けたら幸いです。(URL=http://elpop.jp
 
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まずは新譜から。グラミーでラテンジャス部門受賞のミゲル・セノン&ルイス・ペルドモの作品『El Arte del Bolero Vol.2』から

1. Silencio/Miguel Zenon & Luis Perdomo from “El Arte del Bolero” (2023)


Miguel Zenon (as), Luis Perdomo (p)

ラテンのバラード、「ボレロ」の名曲を取り上げた作品。プエルトリコ出身のミゲル、ヴェネスエラ出身のルイスですからこれらのメロディはスタンダードとして身についているもの。演奏はデュオの緊密さと反応の速さが素晴らしく、ラテンだジャズだという必要もない、しかし両方を深く身に着けコンテンポラリーな感覚がないと生まれない見事な作品です。
 

【Latin Percussion Label特集】


Latin Percussion社(LP社)はラテンミュージシャンのみならず全てのジャンルのパーカッション奏者なら必ず使った事のある世界トップのパーカンション楽器メーカー。そのLP社が1974年から打楽器の教則レコードをリリースすると共に計3つのレーベルからラテン・ジャズを中心とした作品をリリースしました。
 
加えてオールスター・バンド「ラテン・パーカッション・ジャズ・アンサンブル」を結成し、全世界で最も旬のラテン音楽/ラテン・ジャズのライブ公演やクリニックを行いました。ティト・プエンテを筆頭にキラ星のメンバー!
 
1979 年に日本にもやって来て当時の日本のラテン・ミュージシャンをノックアウトし、そこで薫陶を受けた若手たちが今のシーンで活躍しています。
 
そんなラテン・パーカッション・レーベルの重要作品をご紹介します。
 
LP社は1964年にマーティン・コーエン(1939年1月28日NYC生まれ。ユダヤ系)によりNYCに設立されました。2002年にAmpegやRemoブランドを持つKaman Music に買収され、その後Fender(2008)、Drum Workshop (2014)(Pacific Drumやオヴェーションブランド所有。ローランドの子会社)とオーナーが変わっています。

2. LP Theme/Patato from“Authority”(1976)

管楽器なしでメロディ/コード楽器はトレスだけというアフロキューバンな曲。ラテンジャズとは言いにくいルンバフォーマットですが「LPのテーマ」というタイトルの通り、こういう伝統的なフォーマットを現代の様々な音楽/楽器とマッチするサウンドで聴かせるための楽器を作っている自負を感じます。
 
同時にLP社の作品に参加しているミュージシャンの多くはレイ・バレットのバンドから分かれてキューバン・サウンドに向かったディピカ73のメンバーが多いですが、レイ・バレットが向かったR&B/Soulやプエルトリコの音との分岐点を思い起こさせます。
 
Patato(Perc, Vo), Papaito (Congas, Timb Coro), Steve Berrios(perc), Virgilio Marti (Perc, Coro), Julito Collazo(Perc Shekere, Coro), Nelson González(Tres)

3. Viva Martinez /Luis "Perico" Ortiz from “My Own Image”(1978)

プエルトリコ出身の名トランペット奏者、名アレンジャーのルイス・ペリーコ・オルティスの作品。太い音色のトランペットがかっこいい。1978年の作品ですが1976年のチック・コリアの『MY Spanish Heart』やRTFの影響を受けつつ、やはりラテンの矜持があるところが面白いです。
 
Luis "Perico" Ortiz(tp,flh,fl, synth,p,perc, prod)
Brian Brake(ds), Steve Khan(g), Eddie Martinez(p,kyd)Lou Marini(ts, fl), Jimmy Delgado(timb), Keith O'Quinn(tb), Alan Rubin(tp), Lew Soloff(tp), Randy Brecker(tp) (tracks: A1, A4, B2, B3)
 

4. Mambo Mongo/Belmonte And His Seven Afrocubans “Olé” (1979)

「ベルモンテ&アフロキューバンズ」名義の盤。キラ星のメンバーによるモンゴ・サンタマリアの曲をどうぞ。
Sal Cuevas(b), Hector (Tempo) Alomar (coro, bata), Angel (Cachete) Maldonado(congas, chekere, bata), Paul Kimbarow(ds), Jorge Dalto(kyd), Nestor Torres(fl), Feb Barrio(guiro, vo,coro), John Rodriguez, Jr.(congas, guiro), George Wadenius(g), Roger Squitero(perc, shekere), Elio Osacar(p, coro), Alfredo De La Fé(vln, perc,synth, prod), Nicky Marrero(timb), Orestes Vilato(timb), Adrienne Alberto(vo), Mary Sue Berry(vo)

5. Tune up/Dandy's Dandy – A Latin Affair (1979) 

NYでジャズにも浸りながら育った世代ですからマイルス・レスペクトなチューンも。ジャズ(マイルス版)と並べるとやはりラテンはこうでなくてはと思います。

Jose Raul Santiago (b), Angel "Cachete" Maldonado(congas, bata), Eddie Montalvo(congas, bata), Dick Meza(fl), Sonny Bravo(p, coro), John Rodriguez Jr.(bongos, prod)Mario Rivera (ts, fl, bs)Nicky Marrero(timb), René López(tp), Alfredo De La Fé (vln), Felo Barrio(vo, guiro),

 

6. The opener/The Latin Percussion Jazz Ensemble “Just like magic"(1979)

“ザ・ラテン・パーカッション・ジャズ・アンサンブル”名義の名盤。ティト・プエンテ大活躍のこの曲はずせないかと。
 
Sal Cuevas(b), Carlos "Patato" Valdez(congas, shekere), Steve Berrios(ds), Eddie Martinez(p, kyd), John Rodriguez Jr.(bongos, prod), Tito Puente(timb, vib,marimba, synth), Rene Lopez(tp), Jeanette Rodriguez(vo), Nancy O'Neill(vo)

7. Toca Alfredo Toca / Alfredo de la Fe from "Alfredo" (1979)

LPはラテンジャズやアフロキューバンのみならず、サルサっぽいのも良い盤があります。ヴァイオリンの名手アルフレド・デ・ラ・フェのアルバムから。
 
Sal Cuevas(b), Hector (Tempo) Alomar(coro, bata), Angel (Cachete) Maldonado(congas, shekere, bata), Paul Kimbarow(ds), Jorge Dalto(kyd), Nestor Torres(fl), Feb Barrio(perc, vo), John Rodriguez, Jr.(guiro, congas), George Wadenius(g), Roger Squitero(perc)Elio Osacar(p), Alfredo De La Fé(vln, perc, synth, prod), Nicky Marrero(timb), Orestes Vilato(timb), Adrienne Alberto(vo), Mary Sue Berry(vo)

8. Bacalao con pan/The Latin Percussion Jazz Ensemble from “Live at the montreux jazz festival 1980"(1980)

“ザ・ラテン・パーカッション・ジャズ・アンサンブル”のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライヴ盤から。イラケレの名曲ですが、NYマナー全開。ひとつ前にお聴き頂いたアルフレド・デ・ラ・フェのヴァイオリンが強力に響き、ティト・プエンテ、パタートのリズムがさく裂します。

同じころ大ヒットしたジョージ・ベンソン(g)の名盤”Breezin’(1976)や”Weekend in LA”(1978)でベンソンのサウンドに重要な役目を果たしたホルヘ・ダルトがこの“ザ・ラテン・パーカッション・ジャズ・アンサンブル”のピアノ。ベンソンの音のドライヴ感はラテンとジャズ、R&Bの間をカバーする彼の感覚からも来ていると思います。
 
Michael Vinas(b), Carlos "Patato" Valdes(congas,perc), Jorge Dalto(p), Tito Puente(timb), Alfredo De La Fe*(vln)
https://youtu.be/ZCasrXGYwio?si=uVzBtLjRMYvFAvPh
 
2月は以上です。ありがとうございました!気に入った方はぜひ「スキ」(ハートマークのクリック)をお願いします!

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「世界はジャズを求めてる」は鎌倉FMで毎週木曜午後8時から1時間(再放送は毎週日曜昼の12時から)、週替りのパーソナリティが、さまざまなジャズとその周辺の音楽をご紹介するプログラムです。
進行役は、第1週が村井康司、第2週が池上信次、第3週が柳樂光隆、第4週がeLPop(伊藤嘉章・岡本郁生)、そして第5週がある月はスペシャル・プログラムです。
鎌倉FMの周波数は82.8MHz。
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