ネタバレ全開研究「残穢 住んではいけない部屋」ミステリー仕立てのJホラー
監督 - 中村義洋
原作 - 小野不由美『残穢』(新潮社刊)
脚本 - 鈴木謙一
「私」〈小松由美子〉(心霊現象に否定的な小説家) - 竹内結子
久保さん〈久保亜紗美〉(建築デザインを学ぶミステリー好きな女子大生) - 橋本愛
直人(「私」の夫で妻以上に懐疑的なミステリー小説家) - 滝藤賢一
平岡芳明(興味本位で調査に同行する怪談作家) - 佐々木蔵之介
三澤徹夫(福岡県出身で心霊マニアの会社員) - 坂口健太郎
田村さん(雑誌「閻」に務める「私」担当の編集者) - 山下容莉枝
梶川氏〈梶川亮〉(伊藤さんのアパートで自殺した青年) - 渋谷謙人
山本くん(梶川の死後に入居した男性) - 成田凌
河田氏(編集者) - 松林慎司
飯田章一(久保さんの隣の201号室に引っ越してきた男性) - 橋本一郎
飯田栄子(章一の妻) - 篠原ゆき子
飯田一弥(章一の息子) - 松浦理仁
辺見さん(岡谷マンション303号室住人) - 松岡依都美
辺見さんの夫〈辺見康一〉 - 須田邦裕
辺見さんの娘 - 大谷陽咲
伊藤さん(アパートの大家) - 稲川実代子
伊藤さんの夫 - 森山米次
益子さん〈益子美和〉(岡谷マンションの向かいの住人) - 川面千晶
益子茂(益子さんの義父) - 芦川誠
益子香奈恵(益子さんの義母) - 水木薫
益子さんの夫〈益子純二〉 - 中林大樹
益子さんの息子〈益子颯人〉 - 今井暖大
益子さんの娘 - 咲音
秋山さん(元町内会長) - 十貫寺梅軒
日下部清子(高野トシヱの元友人) - 小貫加恵(若い頃:中込佐知子)
日下部清子の妹 - 滝本ゆに
高野トシヱ(1958年に自殺した女性) - 塚田美津代
高野トシヱの夫 - 長野克弘
中村美佐緒(1952年に嬰児殺しで逮捕された女性) - 周本絵梨香
吉兼友三郎(精神を患い1905年より座敷牢で私宅監置された男性) - 山田純之介
吉兼三喜(友三郎の継母) - 藤田瞳子
小井戸泰志(1992年にゴミ屋敷で病死した男性) - 菅野久夫
真辺幹男(奥山家の土地に家を建て、1989年に自殺した男性) - 金井良信
真辺さん〈真辺貴之〉(幹男の親戚) - 平野貴大(少年時代〈M少年〉:高澤父母道)
不動産屋(岡谷マンションの管理担当) - 杉山ひこひこ
家電量販店・売場主任(梶川氏の元同僚) - リー中川
根本家のお婆ちゃん(床下の猫に餌を投げ込んでいた痴呆気味の女性) - 長谷川とき子
首を吊るイメージの女性 - 紅音
奥山家当主(北九州の炭鉱経営者) - 吉澤健
奥山氏の妻 - 宮下今日子
田之倉氏(写真店店主) - 不破万作
國谷氏(吉兼家の菩提寺の住職) - 上田耕一
【あらすじ】
「私」(竹内結子)は読者の恐怖体験をもとにした小説を連載している小説家。
久保さん(橋本愛)の投稿に引っかかりを感じた。以前同じマンションの住民から投稿があったのだ。
虚空を見つめブランコと指さす少女。首をつってゆれる女性が見えたのだ。
久保さんの隣に飯田さん家族が引っ越してくるやがて公衆電話からのいたずらに悩まされ引っ越していく。
久保さんの前の住人梶川さんは転居したアパートで首をつって自殺した。そのアパートには山本くん(成田凌)がすでに住んでいる。訳アリ物件は安いと言って気にしない。
「私」は家を建てる。恨みつらみがその場に残るのならこの世に問題のない場所なんてなくなっちゃう。
マンションが建つ前にあった家についてを調べる。
小井戸さんは有名だった。ゴミ屋敷。隙間が嫌いだという。
根本さんというおばあちゃんは床下に猫がいると言い張っていた。
藤原さん。人の入れ替わりの激しい家だった。人がつかないということです。
河原さん。息子さんが問題児。家庭内暴力。階段から母親を突き落としたり、布団に火をつけた。いたずら電話もしていた。
その前には高野さんが住んでいた。娘の嫁入りの日に自殺した。娘は悪い男に引っかかって子どもを堕ろしたことがあるという噂だった。
作家の平岡さん(佐々木蔵之介)、筋金入りの三澤君(坂口健太郎)が加わる。
その前に建っていた長屋の住人中村美佐緒。嬰児殺し。
その前の住人吉兼家。友三郎が「焼け殺せ」と命じると訴えて暴れる事が続き、座敷牢として閉じ込められていた。
継母の三喜という女性は絵を嫁入り道具として持ってきていた。綺麗なお姫様の絵で時々その絵が醜く歪むという。
三喜の実家福岡の奥山家は炭鉱を経営していたが事故で多数の死者を出した。
後にミキオという奥山家の主が妻子、使用人ら20人以上を殺害した。祟りなんだと言われている。
奥山家の河童のミイラについて以前「私」は書いたことがあった。
呪いのバトンは現在を生きる人々に渡された。
飯田さんは無理心中した。
久保さんの家は今でも音が聞こえる。
みとちゃん、益子さんはどこかおかしい。
「私」の家には公衆電話からいたずら電話がかかる。
編集者は炭で真っ黒になる。
山本くんの目の前に首を吊った女が現れる。
住職は三喜の絵を持っていた。
総評3.5点【5点満点】★★★☆
【「謎解き」に参加する人間についての考察】
隠された真実を知りたいと思い、それを突き止めるためには関係する人に会ったり、場所を訪ねなければいけない。時間もお金もかかる行為である。だから謎解きに参加する人は強い動機や、それに見合うだけの報酬が必要だと思う。
謎解き仕立ての物語をつくるとき、謎を解く人にはどんな人物が起用されるのか。思いついたままに例を挙げてみる。
① 当事者(たとえば被害者や犯人)に近い人 参加する動機:大切な人を守りたい、あるいは無実を証明したい。犯人を暴いて罰を与えたい。
② 警察、私立探偵:給料や報酬が手に入る
③ ライター:作品や記事の制作に役立てられる
④ マニア:強い興味を持っていて純粋に知りたいと思う
例えば歴史や地形、動植物といった学問的な調査をする人。たまたま現場に居合わせたアマチュア探偵など
⑤ 協力者:謎解きの中心人物に使い人。家族、恋人、親友に協力する。
なぜその人がその謎を解こうとするのか動機を観客に納得させないとしらけてしまうがこの作品はどうだろうか
「私」:小説家。投稿された体験談をもとに短編小説を恐怖雑誌に連載している ③
久保さん:当事者。マンションの住人。身の危険を感じている ①
平岡:ホラー専門の小説家。④
三澤:筋金入りのマニア ④
「私」と久保さんは問題ないが、平岡と三澤の参加はどうだろうか。たしかに好きな人はそれぐらいのことをすることはある。
とくに三澤などなどはなんの利益もないが、奥山家や三喜の絵についての質問に即答するなど筋金入りのマニアだと示すことにより違和感は少ない。
【印象的な表現】
●行くのではなく来るのを待つ
隣の部屋から聞こえてくるあやしい音。それは何なのか久保さんがたしかめようとするシーン。
カメラは怪しい部屋側から構える。久保さんが立ち上がり近づいてくる。
あやしい場所に行くのではなくやって来るのだ。
獲物を待ち構えているものからの視点との取れて不安感をあおっている。
結局久保さんは部屋に足を踏み入れる直前で立ち止まり、そのカットでは寝室には入ってこない。入ったら襲われるかもしれない、という不安がある。
(次のカットではすでに寝室の中に入っている)
●橋本愛の演技。少ない動きで恐怖を表現
・パソコンにむかっている橋本愛
・畳を擦るような効果音
・橋本愛の後姿。橋本愛は動かない。驚いた表情や声をあげたりしない。ただ手を止めるだけ。
・橋本愛を前からバストからゆっくりズームアップ。橋本愛は目を泳がすだけで動かない。耳を澄ませているのだろうか。なにが起こっているのか知ろうとしている、のはわかる。しばらくして視線だけ音のする方に動かす。
・橋本愛、後ろからアップ。振り返る。
・ロングショットで隣の部屋(音のする方)、橋本愛を手前でバストでなめ。ピントは部屋に会っていて橋本愛はややぼやかしている。
●恐れていたほどひどくはなかった。しかし確かにあやしい何かがあった
・カメラは和室の中。ふすまをしめる。和室暗くなる。
→自然な現象だが暗闇を観客に印象付ける。
・音がする。びっくりして振り返る。
→なにか怪しいと思わせる。
・ふすまにむかってカメラ寄っていく。
・ふすまの方を見る。
・ふすまに恐る恐る手を伸ばし。つかむ。
→ふすまの奥に恐ろしいものが潜んでいて、橋本愛は襲われるのではないかと不安になる
・躊躇したあと開ける。
・畳の上を何か着物のようなものが動く。(はっきりとは映さない)
→危険なものではなかった。しかしなにもないわけではなく何か不思議なものがあったことは確か。
●自然な立ち位置でありながら一瞬驚かせる
「マンションの部屋は少しおかしいです。」
主婦の近くに子供がいる。アイロン掛けをしている。
音が聞こえる?
振り返る主婦。
「何かが床を掃くような音でした。」
振り返って再びアイロンを始める。
音が続いている。
恐る恐る振り返る。目を見開いている。
カットが変わり背後から人物を狙うと前のカットで映っていなかった子どもが母親の前に立っている。
→それまでいなかった子どもが映っていて一瞬びっくりする。
いきなり現れたのか、幽霊なのかと思う。
子どもは最初から部屋の中にいた。歩き回ることもあるわけで、子どもがその場所にいてなにもおかしくない。
●嫌な予感
大家の伊藤さんが寝ていたら梶川さんに起こされた。和室のガラス戸越しに「梶川です」カーテンにうつる影。伊藤さんカーテンを開けると梶川さんはいない。
次のカットで目が覚める。夢だった。
玄関に行くと外に誰か立っている。すりガラス越しで顔は見えない。
「梶川です」「明日にしてくれない」去っていく様子。
去っていく。
伊藤さん振り返ると寝室に梶川が立っている。
次のカットで目が覚める。夢だった。
と同じ手法を連続して使う。
翌朝伊藤さんは気になって梶川さんを訪ねると自殺していた。
●怯える演技
マンションの不気味さに怯えている飯田さんの奥さん。
相手の顔を見ず、正面を向いたまま話す。その構図が不自然で怖い
【結末について】
はっきりと被害を被るのは二人プラス一世帯。残りの人物は不幸な未来が待ち構えていることを暗示して終わる。
前者。
〇男性編集者が深夜のオフィスで襲われる直前、手とキーボードが真っ黒になるがそれだけで説明はなくとも炭鉱夫たちの呪いだとわかる。
〇わけあり物件と知りながら家賃が安い理由で借りていた山本くんは、心霊とは一番遠そうな存在でありながら寝ている時に首つりをする女性に迫られる。
〇久保さんの隣人の飯田さん家族は無理心中で亡くなる。
後者
〇「私」は、西岡さんから「やせた?」と聞かれた後、のちのシーンでは首にコルセットをつけていて、体が蝕まれているのかと観客は心配になるが、長年患っていた神経が原因だとわかり呪いとは関係がなかった。安心させておいて深夜のいたずら電話で観客を恐怖に落とす。無理心中した飯田さんのときのように公衆電話からのもので同じような声、内容である。
〇久保さんは引っ越したにもかかわらず部屋に「音」が聞こえている。
〇幽霊が見えたみとちゃんは、引っ越してからおかしな様子はない、というナレーションに、映像は誕生ケーキのローソクを吹き消すといった幸せなものだが、後方に赤ん坊が這っているのがかすかに見える。
〇辺見さん、益子さんはいまでも住んでいて、何の支障もなく生活している、というナレーション。奥で大人たちの話がはずんでいるその手前にいる三名の子どもたち照明が暗く顔が見えない。同じ方向を見上げている。何を見ているのかわからない。
【作品の世界観をまとめる】
●一言で言うと
不気味なマンションがあった。一つの部屋ではなく複数の部屋で不思議な現象が起きている。土地そのものに呪いがあるのではないかと考え、作家の私と住人の女子大生たちは謎に迫っていく。
しかし結局穢れに近づくことであり、なんらかの霊を背負ってしまう。
●時系列
・九州で小さな炭鉱を営んでいた奥山家。事故で何百人という炭鉱夫を死なせてしまう。【炭鉱夫たちの呪い】
・奥山家の三喜は嫁入り道具で表情がかわる美人画を持って吉兼家に嫁いだ。(現在マンションの建つ土地に来た)【呪いを運ぶ美人画】
・呪われた奥山家の最後の当主ミキオは妻子、使用人を二十人以上殺した後自殺する。
【この呪いは現在のマンションには反映されない。反映される呪いは三喜が持っていったから】
・吉兼家の友三郎は座敷牢に閉じ込められ、便所を伝って軒下から外に出ていた。【友三郎の軒下からの呪い】
・吉兼家の後長屋が立つ。中村美佐緒は毎年のように子どもを産んでは殺していた。千葉にうつりそこで逮捕される。【嬰児たちの呪い】
・その土地には高野家が建った。娘は男に騙されてお腹を大きくしたという噂があった。奥さんは娘の結婚式の夜に自殺した。【首つりした母親の呪い】
・ごみ屋敷の小井戸さんは隙間が怖いと言って家の敷地内にごみを詰め込んでいた。認知症の根本さんは軒下に猫が住み着いていると言い張っていた。
・現在はその跡地にマンションが立った。呪いは増幅し住民たちに引き継がれた。
【詳細研究】
【「私」が昔書いた原稿。炭鉱主の親戚の家に泊まったときの不思議な体験】
←真辺の投稿。のちに登場
●鬼瓦のアップ
●カメラ、パンダウン。
【恐怖】
私(主人公となる小説家の役名が私)のN「Mさんがまだ小学生だった頃九州の親類の家に泊まったことがあった。古い家だった。没落した炭鉱主の家。」
→Mさんは真辺さん。のちに出てくる。主人公たちはのちにこの家を訪れる。
事故で死んだ炭鉱夫たちの恨みが募っている。
夜うなされている少年。川の字に寝ている。おしっこに行きたいのか股間を抑えている。
「その家には河童のミイラがいるといわれていた。どこからか買い求めてきたという噂であった。」
●トイレから出てくる少年。廊下立ち止まる。
地鳴りのような音が聞こえた。
普段決して開けてはいけないと言われていた部屋。
イマジナリーラインの変化。
少年ふすまを開ける。
●広い部屋に。仏壇のようなものが飾られている。
奥に小さな部屋がある。何かが動いている。4畳ぐらいの部屋。
黒い影が這いながら近づいてくる。低い声、男のような声。
四本足の動物だろうか、人間だろうか。這いながらこちらの方に向かってくる。
別の方から手が出てくる。大きな声でワーっという。
焼けただれた手が河童。
「今でも確かめる術がない。」
●走り出す少年。
【現在 不気味なマンション】
【そのマンションは部屋ではなく土地が呪われているようだ】
【久保さんからの手紙が届く。畳を擦るような音がする】
【イメージシーン終わり】
●喫茶店
で打ち合わせをしている。「私」は小説家、編集者と打ち合わせ。「これが必要ですか?」と編集者
で来月もお願いしますと言って手紙をたくさん渡される
私の正業は作家。
●道を歩く
ホラー雑誌に連載を持っている。体験談をもとに短編を書いている。
●マンションの敷地内を歩く。
●部屋の中に入ってくる。暗い部屋。手紙を開ける。
心霊写真。
名前を仮に久保さんとしておく。
「2012年、私の手が手元にその手紙が届いた。大学で建築を学んでいる久保さん(橋本愛)」
教室にみんな集まっている。
短いカットを重ねて久保さんがどんな人間かを紹介する。
●噴水。大学内を歩く。
●鉄道
●商店街。
●焼き鳥のようなものを飼っている。
●一人暮らしを始めた彼女。
道を歩く。
●マンション
階段を登って行く。
築10年5階建ての賃貸マンション。202号室。
→実際にあっているのに「仮に」とするところが投稿の世界っぽい
何かがいるような気がするという。
部屋の中に入る。カメラ寄っていく。
●文字が浮かび上がる。辞書のような言葉の説明
穢れイコール不浄、汚れ、疫病、失火、悪行などによって生じ災いや罪をもたらすとされる。
字が消え「残穢」という文字が出てくる。
●テロップ202号室
【恐怖】
久保さん、パソコンで建築の画面を開いている。
振り返る。寝室のベッドが見える。
何か音がするのか気になる様子。ちょっと長い時間アップで止まったまま。
→しばらく橋本愛の寄りの絵(バストショット)で止まったまま
●奥の寝室。
【映像表現】
寝室からのカメラで隣の部屋の久保さんを狙う。立ち上がる久保さん近づいてくる。
→あやしい場所に行くのではなくやってくる。
待ち構えているものの視点とも取れて不安感をあおる。
久保さんは立ち止まり寝室には入ってこない。(入ったら襲われるかもしれない、という不安がある)
●ベッドの下を覗く。何もいない様子。
●パソコンに戻る。音がする。フリーズする久保さん。耳を澄ませる。
音がはっきりと聞こえる。カメラは久保さんによってゆく。
久保さんの背後からアップ。
【映像表現】動きを少なくして恐怖を表現
●パソコンにむかっている橋本愛
●畳を擦るような効果音
●橋本愛の後姿。橋本愛は動かない。驚いた表情や声をあげたりしない。ただ手を止めるだけ。
●橋本愛を前からバストからゆっくりズームアップ。橋本愛は目を泳がすだけで動かない。耳を澄ませているのだろうか。なにが起こっているのか知ろうとしている。しばらくして視線だけ音のする方に動かす。
●橋本愛、後ろかアップ。振り返る。
●ロングショットで隣の部屋(音のする方)、橋本愛を手前でバストでなめ。ピントは部屋に会っていて橋本愛はややぼやかしている。
●寝室の方を見る。
「誰かがひっそりと掃除をしているみたいでした。やつれた感じの女性で、ずっと同じ場所で箒を動かしている。」
写真を撮る久保さん。
何かが写っている。光の反射。カーテンの形が白い女性のようにもみえる。
●写真つながりで「私」の部屋へ。
夫がコーヒーを入れる。
「死者のエネルギーかと。」「「カメラのフラッシュに反射した。」「まあそうだよね」
→写真だけでは信じていない
夫はホラーやミステリーの小説家、心霊現象否定論者。
不動産屋と約束をしている。家の広告を見る。(この夫婦は家を買おうとしている)
●久保さんの部屋。
同じ年の秋のこと、続報が届いた。
畳をする音が続いている。和室に体を向けている時、音がしないとわかった。
→なにか意味があったのか?
視界にあるとどうしても気になってしまう。
ふすまを閉める。
【映像表現】恐れていたほどひどくはなかった。しかし確かにあやしい何かがあった
●カメラは和室の中。ふすまをしめる。和室暗くなる。
→自然な現象だが暗闇を観客に印象付ける。
●音がする。びっくりして振り返る。
→なにか怪しいと思わせる。
●ふすまにむかってカメラ寄っていく。
ふすまの方を見る。
ふすまに恐る恐る手を伸ばし。つかむ。
→ふすまの奥に恐ろしいものが潜んでいて、橋本愛は襲われるのではないかと不安になる
躊躇したあと開ける。
畳の上を何か着物のようなものが動く。(はっきりとは映さない)
→危険なものではなかった。しかしなにもないわけではなく何か不思議なものがあったことは確か。
●久保さんと「私」のやりとり。カットバック
「着物の帯じゃないかと思う。」
「以前から聞こえていた不可解な音も着物の帯が畳をする音だったということでしょうか?」
「今となってはそうとしか思えません。」
アップ「帯って長いですよね」
●「私」と久保さんのチャット。
大学。教室でメールを打っている。
●イメージ映像、着物を着る。女性。
●久保さん何をイメージしているのかをわかった「私」。
●首吊りをする着物の女性。
椅子を蹴って首がぶら下がる。
過去にその部屋で自殺した人がいた。怪談の文法で解釈する。そういうことかもしれない。
ただ彼女の脳が間違った反応した可能性もある。例えば光が反射したとか、差し込んだ光が着物の帯に見えたとか。
【以前同じマンションの違う部屋の住人から投稿をもらっていた】
●「私」の部屋。手紙を読んでいる。
妙に引っかかるものがあった。
以前にも同じものを読んだかもしれない。よくある話といえばそれまでだ。「これだ」何かを見つける
小平市、塚田。
同じマンションから手紙をもらっていた二年前。
〇「私」の部屋も久保さんの部屋も間接照明で暗い
●岡谷マンション405号室、2010年6月。
尾嶋さんの部屋
マンションの部屋は少しおかしいです。主婦の近くに子供がいる。アイロン掛けをしている。
音が聞こえる?
振り返る主婦。
何かが床を掃くような音でした。
振り返って再びアイロンを始める。
音が続いている。
恐る恐る振り返る。目を見開いている。目の前に子供が立っている。自分の娘。
→それまでいなかった子どもが立っていて一瞬びっくりする。
いきなり現れたのか、幽霊なのかと思う。
自分の娘なのでいてもおかしいことはない。
「みとちゃんどうした」みとちゃんは何かを見つめている。
娘は不思議な。ところがある子で何もない虚空をじっと見つめていることがあった。
指をさす。「ブランコ」という。
●洗い物をする主婦。
いつものことだろうと最初は思った。
楽しそうに笑いながら走っている。何をしているの?と言うと俯く。
うさぎのぬいぐるみを首にひもをかけて。ぶらぶら揺らしてブランコという。
このブランコは首を。首吊りということか?
【恐怖】
●久保さんに確認してもらうと405号室には別の家族が入居していた。
18分
●眠っている久保さん。寝返りを打つ
●なぜ405に現れたのか。パンアップすると西条さんの家になる。
横並びでも縦並びでもない理屈がわからない405号室と202号室。
曖昧さや不合理さ。
【岡谷マンションでは過去に事件はなかった】
●マンションの全景
自殺者など本当に存在したのだろうか?
「岡谷マンション」の文字。
●303号室、辺見さん。「ないと思うよ。」インタビューのような映像。
益子さんなんかあったの?なんかあったら嫌だなあと思っただけで。
久保さんが話を聞いている。
405号室コロコロ変わっているような気がする。
202はどうでしょう?単身者向け。前の人は半年もいなかった若い人。
●不動産屋。自殺があったということはありません。前もって告知することになっています。
どの部屋においても自殺や事件、死亡事故があったことはございません。一切なかったと申し上げることができます。
【飯田さんが来る】
●小さな川沿いの道を歩く。久保さん。
マンション。久保さん目線で横に向かって移動。
●階段を上る久保さん。引っ越し業者。
●隣の人が挨拶をする。
201の飯田です。よろしくお願いします。
いわくつきの部屋じゃないよね?相場に比べて安い。
何もないそうです。私も不動産屋さんに聞いてみた。
妻と娘。家族連れだった。
→この住人はのちに無理心中する
【「私」は家を買う】
●車の映像。道を走る。
右折する。小さな道に入る。
売地に到着する。
●最初予定なかったんだけど。
「私」と夫。
久保さんから連絡があった後味の悪い話。私の前の住人の消息がわかった。
【久保さんの前住者は自殺していた。いまは別の住人が住んでいる】
●「前住者」のテロップ。
●マンションの全景。
●ここで粗大ゴミを出そうとしたら大丈夫ですかって声をかけてくれて。知り合いになった取引先で働いていた。
辺見さんの夫にインタビュー。
異動になった。
梶川27歳独身。家電販売員。
●電気屋さん
死にました一年前。
梶川さん。
頑張りますと書かれた写真。うつろな目。
急に人が変わったようになって。無断欠勤するようになった。上司ひどく怒られた。
去年の初めぐらいかな 入居した時期と一致する。四か月で
●アパートの全景。
このパートで引っ越した自殺した。
大家・伊藤さんのインタビュー。ひと月でなくなった。一回ぐらいしか話をしたことがない。
物音がうるさかったとか。
このアパートに赤んぼうがいるかって聞かれた。近所にもいないと言ったら安心した感じだった。夜泣きに前のマンションで悩まれたのでしょうか?
でも予感があった。
主人は夢だという。
パンで隣の部屋。→回想シーンへとうつる
【恐怖】
●(回想)眠っている大家夫婦。
大家さん夫婦眠っている。
カーテンの向こうに人影がある。誰?
梶川ですけど。
夫を見る。夫は眠っている。どうしたのこんな時間に?
申し訳ありません。玄関回ってよ。
カーテンを開けると誰もいない。
目覚めた 今までの夢だったのか?
→このシーンはびっくりした
何か音がする?
眼鏡をかけて起き上がる大家。
ふすまを開ける玄関を見る。誰もいない。
外に人の気配。
誰と聞く?
玄関の向こうで梶川ですと言う。
何かあったの?
すみません。
本当に梶川くん。
明日にしてもらえる?
窓越し、梶川のアップ。顔は見えない。スリガラス。
振り返ると梶川が立っている。驚く。
再び目覚めるいや、これも夢だった。
●(回想)朝
大家。家を出てアパートに行く。
走ってパジャマ姿のまま梶川の部屋に行く。
ご迷惑をおかけしますと張り紙。
鍵は開いている。
首を吊っている。
●現在。
そんなに謝るなら、生きているうちに相談してくれればよかったのに。久保さんと大家
見つめる久保さん。
窓を開ける男性。山本君(成田凌)こんにちは。もう貸してるんですね。
なんですか?自殺した人のことですか?
事故物件と承知して借りてくれる人もいる。それで家賃を安くしてもらってますから。
30分
●大学。電話をしている。梶川さんについて「私」と話をしていている。
久保さんは、梶川さんは元の部屋に戻ってきたんですねという。
「私」はそれは違うと否定する。
あなたからの手紙の消印が5月15日。梶川氏が発見された5月19日、時期がずれている。
彼の遺体はぶら下がっていなかった。
畳をする音はしないはずだ。
着物の女性が梶川氏を読んだ可能性がある。
私も呼ばれてるってことですか?
やっぱり引っ越した方がいいでしょうか?
【飯田さんの様子がおかしい】
【恐怖】
●マンションの全景。
●マンションに戻ってくる久保さん。
部屋の前で躊躇する。
ドアを開けようとすると、隣の部屋があく。
ゆっくりと開く。しばらく誰が出てくるのか分からない。妻が出てくるやつれた表情、髪の毛が変に垂れている。
→久保さんの顔を見ず前を向いたまま話す。不自然で怖い
ちょっと伺いたいんですけど。このあたりで。空き巣とか放火とか、そういう事件って起きてないでしょうか?
実はいたずら電話が多いんです。
→ラストで「私」の家にもかかって来るようになる
●回想シーン 公衆電話。
●回想シーン 飯田さんの奥さん。電話。
必ず公衆電話。
電話出る。何も答えない。今一人ですか?違いますけど。何か低い声で
今何時ですか?消火器ある?君が悪い。
空き巣も放火も聞いたことはないです。飯田さんの奥さん、子供の手を引いている。
家賃が安いことと関係があるのかしら?
【部屋ごとではなくマンション全体がおかしいと気づく】
●マンション全体。
「私」と久保さんの電話。
マンションが建つ前に自殺があった。
それなら理屈に合いますよね。
引きの絵「私」の部屋。
●地鎮祭。我々の住んでいる部屋にも過去の住んでいた人が居るはずだ。
お祓いをしてもらっている。
そこには様々な人生があっただろう。
でも本当にあるのかな?恨みつらみがその場に残ること。
もしもし本当にそうなら、この世に問題のない場所なんてなくなっちゃう
【過去の住人 一つ前ゴミ屋敷とねこばあさん】
【「私」は久保さんと会い、マンションの前の住人について調べる】
●川沿いの道日傘の女顔を隠している。「私」でした。
メモを見ながら歩く久保さんのマンション。
マンションの方を見る。
●久保さんが出てくる。
歩いてゆく「私」。挨拶をする。はじめまして。
●プールで遊んでいる子供。
●マンション以前のテロップ。
●マンション向かいに住む益子家の皆さん。
地図を見せて。
2001年版の地図では駐車場になっていた。
ほとんど車なかった。
1991年。空白、小井戸さん。空き地。小井戸さんが残ってるうちにバブルがはじけちゃった。
バブルが弾ける前小井戸さん。松阪さんなど四軒の家があった。昔からいる地元民。私たちはよそ者。
小井戸さんは有名だった。ゴミ屋敷。
一人暮らしの老人。引きこもって知らないうちに死んでいた。自殺ですか?そうは訊かなかった。
町内会の人が見つけた。
●老人当時の町内会長、秋山さん。
それはひどい状態でした。町内会館
空間がふさがれていた。
あなたの体に毒ですって言ったんですけどね。
●隙間が嫌いなんだ。と偏屈な老人が言う。
●(回想) 1992年。
町内会費を集めるために話をしようと言ったんです。周りは空き地なんだからゴミは外の周りに捨てればいいのに。家の中にきっちりと詰め込んでだらしないのか、律儀なのか
秋山ですがと鼻を押さえながら中に入る
家の前。猫が通り過ぎる。
→この猫は演出か?
人の死↔のんきな猫の対比
●苦しそうにしながら中に入って行く。
奥に入ってゆく。蠅の音。老人死んでいるのか?
蛆が湧いている。これは生きていないということはすぐにわかった。
死後2週間、病死だった。
このあたりで覚えていることはありませんか?
根本さん。おばあちゃんがぼけちゃって床下に猫がいるって言い張って。
→縁の下には霊がいる。土地に根付いている。
●おばあちゃんが縁の下にえさを投げ込んだりしていた。おばあちゃんの回想シーン。
●藤原さんのところ。人の入れ替わりの激しい家だった。人がつかないということです。
河原さん。息子さんが問題児。高校生だった。家庭内暴力。階段から母親を突き落としたり、布団に火をつけた。方々に電話をかけまくっていたそうです。いたずら電話。
→飯田さんのいたずら電話
受話器を外したまま寝てしまう。時報に電話をして。
他には事件はありません。小井戸さんがまともじゃなかったぐらいで平和なものですよ。
●秋山氏も70年代から移り住んできた。昔から地元民ではなかった。
つまり、住民の流動性が高い土地柄なのだ。
43分
【飯田さんは黙って引っ越した】
●戻ってくる久保さん。
飯田家のドアに何かかかっている東京電力。引っ越したのか?
表札は外されている。
来たときは律儀にあいさつしたのに、去った時は黙っていってしまった
【2つ前 高野家】
【前の前の住人の高野家では奥さんが自殺していた】
●写真館。
田野倉さん
地元で古くから写真展を営んでいる
根本さんは昔は大きな家だった。
小井戸さんと松坂さんの家はもともと高野さんの敷地だ。
元は二軒だった。あのことが起こるまで。
高野さんの話だ。
地元の奴らはみんな知っているよ。めったにあることじゃないからね。
●高野家のテロップ。
古い結婚式の写真。花嫁側が高野。銀行とかの関係じゃなかったかな?ちょっとお堅い印象がある人たちだった。披露宴。そこから娘を嫁ぎ先に送り出して。
夫婦で家に戻った。
●回想シーン、昔の家。高野家。
結婚式の後。家に戻ってくる老夫婦。奥さんは奥の和室に引っ込んでいる。
旦那は着替えに行ったんだろうと思っていたのだが、いつまで経っても戻ってこない。
奥の部屋を見る旦那。立ち上がり確かめに行く。
隣の部屋で首を吊っている。
ブランコのように揺れる奥さんの死体
【恐怖】
●写真館の店主は首を抑える。
私「この母親だ間違いない。」
→何が間違いないのか、しっくりこない
47分
●高野家と親しかった日下部さん姉妹。
敏江さんとは、姉がお花の教室が一緒だった。それで私も。京子さんと仲良くさせてもらっていた。れいこさんはこの方ですかと写真を見る。そうです。
れいこさんは高校を卒業後、家を出た。事件の年に戻ってこられて。その頃から。敏江さんの様子がおかしくなった。
●こんなことがありました。道を歩く。
着物姿と洋服姿の2人。
立ち止まる着物の女性。
どうしたんです?と娘聴く
あなた聞こえなかった?赤ん坊の鳴き声がする。
赤ん坊。
ずっと眠れなかった。わざと赤ん坊を泣かせているのよ。ほら、また聞こえるわ。
私には聞こえないんだけど。すごい形相。顔が怖い。
あなたも仲間なの?
●姉とは娘さんのせいじゃないかって話してました。
これはあくまで噂ですけれど。よくない男に引っかかってお腹を大きくしたとか。
流産したとか。
赤ん坊が家の床から湧いて出てきて泣くんだ。
【恐怖】
●久保さんの家。「私」も。
お茶を入れる。
梶川さんは高野婦人に呼ばれたのかもしれません。
彼もこの部屋で赤ん坊の声を聞いていた。
大家さんの声「夜泣きにでも悩まされていたのかしら?」
隣の部屋が気になる様子。中見ますか?
→梶川も高野夫人も赤ちゃんの泣き声を聴いていた。ヒント「赤ちゃん」
●カメラは和室。
隣の部屋から暗いところから襖があく。フェードインと同じ効果。
部屋を閉ざすと物を投げ込むようになる。
気味が悪いから取りに入らない。これが続いて病的になると。小井戸家のようになる。
小井戸家は完全に高野家の跡地にあったわけですよね。もしかしたら?小井戸さんも私のように何か見たり聞いたりしたのかもしれない。
●「隙間が嫌いなんだよ。」
●家の中で何かを見ないように空間を見つめていたのかもしれない。それで空き地にはゴミを捨てなかった。
何しても高野夫人の存在が出てきたことで踏ん切りがつきました。
久保さんは一年の契約期間を残してこの部屋を出ることに決めた。
【3つまえ 美佐緒】
【平岡さんが登場。手繰っていくと根は同じ。中村美佐緒の嬰児殺し】
●喫茶店編集者。
面白いけど長いですよね
オチは納得だな。娘の晴れの日に首を吊った女の霊。
「私」まだ何か引っかかっている。それが娘の堕胎によるものだったのか?
赤ん坊が床から湧いて出る。台詞が重なる。
「複数じゃないですか」と前に座っていた客が振り返る。
テロップ小説家の平岡さん。
その娘さん、何度も子供をおろしていたんだ。その可能性はある。
もう一人隣に座る。
手繰って行くとね、同じ根だったこともある。そういうのは業が深い。いわゆるやばい話ってやつですよ。取り扱いを間違うと酷い目に遭う。
聞いたことありますよ。
肝試しで廃屋に入った。次々と赤ん坊の顔が出てきた。嬰児殺しの犯人が据わっていた。家で産んで殺して家に殺していた。母親が逮捕された。でも死体は一つだけだった。なのになぜか複数の顔の赤ん坊がぼこぼこ湧いてきた。……似てるな
底の廃屋は千葉にあります。とっくに取り壊された。
●久保さんに電話をする。
新しい部屋は音がしないとせいせいします。
「私」は今荷造りしているところです。
就職が決まった。小さな設計事務所です。それはおめでとう。
久保さんは今から寝室に移動する。
カメラは床に残る。なんか意味深なカット。
【嬰児殺しの中村美佐緒】
●「私」の新居引っ越し。
引っ越しは二度と御免だ。
これで最後でしょ?
終の住処が決まってよかったよ。
呼び出しが鳴る郵便です。
平岡さんから。
●部屋。荷物を開ける。
千葉の件詳しく調べてみたらドンピシャでした。よかったら読んでみてください。くれぐれも取り扱い注意のファイル。
嬰児殺し中村美佐緒の心の闇。
1952年、千葉県のとある町で、とある女が。逮捕された。
異臭がするという通報。床下から死体が発見された。赤ん坊の絞殺死体が出て来た。殺人と死体遺棄。
過去に重ねた罪も自供した。以前住んでいた長屋では毎年のように子供を殺していた。
七体の死体が発見された。その後すぐに長屋は取り壊されて更地になった。
一年後に跡地に立ったのが根本家と高野家その2件だった。
【恐怖】
手繰っていくと根は同じ。
●高野家以前テロップ。
●久保さん。女子学生に囲まれている。
たたられて死んだということですか?
穢れに触れてしまったということか?穢れ?
梶川氏が入居したことで高野夫人に呼ばれたように、長屋の跡地に来たことで穢れに触れたことで死へと追いやられた。
→周囲の学生の演技大げさでわずらわしい
●イメージ自殺するシーン。
着物の女性。子供の泣き声が聞こえている。
畳浮かび上がる子供の顔。
●災いが連鎖している。
もしかしたら美佐緒の前にも誰かいるかもしれませんね。
◎現在久保、飯田、梶川などが被害 ← ゴミ屋敷の小井戸さん、ねこが軒下にいるという根本さん ←奥さんが娘の結婚式の日に自殺した高野さん ←嬰児殺しの中村美佐緒 ←吉兼家。友三郎。座敷牢 継母の持ってきた絵←炭鉱の事故(冒頭につながる)
【吉兼家】
【美佐緒以前の住人について調べる。座敷牢の友三郎】
●東京法務局。
私たちは長屋が立つ以前についてさらに調べてみることにした。
資料探しには久保さんの属するミステリー研究会の後輩が協力してくれた。
4人の女性。地図を照らし合わせる。
吉兼さん。
●吉兼家のテロップ。 1:02
●呼び出し音。
「私」の新居に平岡さんがやって来る。
あれなんか痩せました?
→「私」の体調に変化か?いやな予感
続きはこれです。
私宅監置って知ってますか?精神病、患者を自宅で監置する。いわゆる座敷牢というやつです。
私宅監置について大正時代に全国調査を行った。そこに吉兼家というのがありまして、住所からするとお探しの吉兼家じゃないかと思うのですが。
友三郎明治38年、15歳で発病した。家族に殴りかかり、家に火をつけようとして拘束。以後恨みを言う声上げて、それが「焼け殺せ」と命じると訴えて暴れる事が続き、翌年私宅監置が許可された。
写真を見る。
すごいインパクトでしょう。
座敷牢には便所があって汚物槽から抜け出すことがあった。
床下を徘徊するを好む。
→病的な行動
【恐怖】
●イメージ。床下を歩く友三郎。
●くれぐれも取り扱い注意の資料。中村美佐緒ですか?
犯行の動機について床下から聞こえる声に命じられたと供述している。
「殺せ殺せ」
●イメージ
寝床でうなされている美佐緒。
カメラパンダウン。
床下には男がいる。友三郎が語りかけている。「殺せ殺せ」「焼け」
●これとんでもない物を引き当てたかもしれませんよ。
何これ仕事の話?
そんなところです
玄関の方が気になるようで見る。明るくなった。センサーなんです。
人が通ると自動でつくんです。
なぜつくんですか? 3人ともここにいますよね?
消えた?なんだろうね。
不良品かな?
→なにかに取りつかれている。
●墓場。
「私」と久保さん
床下の声を聞いたのは中村美佐緒だけじゃないかもしれない。
古井戸さんも床を下までぎゅうぎゅうにゴミを詰めていた。
根本家のおばあちゃんも本当に猫と話をしていたのでしょうか?
●イメージおばあちゃんの話す床下に男の顔。
●再び墓場。あれだと何かを見つける。吉兼家の墓だった。
●友三郎。過去帳に記載がありません。住職と話をする。
墓には入ってない。関係が途絶えている。どこでどのように亡くなられたのかもわかりません。最後に記録が残っているのは三喜(みよし)という女性です。
三喜は20歳で後妻として迎えられ、友三郎には五つ違いの継母だった。二度身ごもった流産。本人24歳で亡くなった。
婦人図一幅というのは?
一周忌の時に絵を預かりして供養したのだと思います。
供養。幽霊画ですか?いいえ。
綺麗なお姫様の絵でした。
時々その絵が醜く歪むのです。
これですかと見せる。
写真を見せる奥に飾られている写真。分かりませんと答える。わたくしは見たことがありませんので。
戦災で焼けました。先代の話では三喜の嫁入り道具だったそうです。でもなぜそんなものを娘に持たせたのか理解はできませんが。
三喜の実家はどちらですか?
九州です。福岡だったと聞いています。
→ラスト住職は絵を持っていた
1:11
【奥山家】
【三喜の実家、九州。炭鉱事故】
●平岡に電話をする。平和と書いた鳥居。
三沢君に聞いてみましょう。彼も心霊マニアです。
【新しい登場人物 三沢君の登場】
●会議室。
三沢君福岡県出身。
奥山家ですか?ご存知ですか。九州のことならすごいんだ
絵を見る。わかりません。だって誰も見たことがないんですよ。何か怯えた様子。
●イメージ一人の部屋で誰もいない部屋で正座している少年。
その絵が歪むときには必ずゴーゴーとした風の音と呻き声が聞こえるんだそうです。
男の後ろ姿これは友三郎か?
お腹の大きな女性が前に立っている。
その歪んだ顔を見た者には必ず呪いが降りかかると言われています。炭鉱の事故以来。死んだ労働者たちの恨みによって顔がゆがむようになったと言われています。
●出版社
奥山家は炭鉱経営していました。小規模の炭鉱を営む者が当時は多数いました。
技術的な問題から事故が多かった。
奥山家の炭鉱で500名以上が死ぬ火災があったと言われています。
●テロップ、奥山家。
煙。炭鉱の入口付近。パニックになっている人たち。中から出てくる人たち。
スーツ姿のうなだれた男性。炭鉱主だろうか。皆から責められている。
なんでこんなことになったんだ?何とか言ったらどうなんだ
入口の煙。人々が次々と出てくる
●煙で揺れているのでスクリーンに見える。逃げる人々。
炭鉱火事になると周囲が石炭のため鎮火が難しい。
もっとも効果があるのは入口をふさぎ、酸素の供給を断つことだった。中に取り残された人々は苦しみながら死んでゆく。
→炭鉱夫たちの恨みがすべての元
●奥山家は明治の終わりか大正の初めに途絶えたと言われています。
はっきりわかんないんですか?
記録が一切存在しないんです。決して触れてはならない。まつわる話を聞いただけでもたたられる。
話してもたたられる、聞いてもたたられる。それ自体が怪談というやつだ。
本当か嘘か二の次かもしれません。
●イメージ
奥山家最後の当主は家族を皆殺しにしたと言われています。妻、子供、孫、家にいた使用人たち20人以上を殺害。その後、屋敷に火を放とうとしたが果たせず、山の中で首をくくった。この惨劇もまた労働者たちの祟りなんだと言われています。
焼け、と声がする。
這ってくる黒い影。
【恐怖】
●それ書いてます、二年ぐらい前。
雑誌をもってくる。河童のミイラ。冒頭の話が繋がる。
没落した炭鉱主。
●冒頭と同じシーン、トイレから出てきた少年。仏壇の飾られた部屋。奥から出てくる黒い影。
「焼け」
下手からも出てくる。
【恐怖】
●繋がるね。
手繰って行くと根は同じ。
このMさんって真辺って人じゃないですか?
【河童のミイラの家 冒頭に戻る 福岡を訪ねる】
真辺家
●昔の資料を。調べてみる。河童のミイラ。真辺貴之。
●真辺家のテロップ。
都内の公園。
投稿者の真辺さん。彼は遠縁で詳しいことは分かりません。ただあの家に河童のミイラがあったのは事実のようです。当時のあの家のあるじはミキオという人だったんですけれど。悪趣味なコレクターでした。
河童のミイラだけでなく。晒し首の写し絵。呪術で使う猿の手首を嬉々として集めていたそうです。極めつけはその持ち主をたたるという日本刀。
そのミキオさんは?
その日本刀で自殺しました。
その家、どこにあったか覚えていますか?まだありますよ。福岡。
●夜。道。古い街並み。
北九州市某所車が走ってくる。
タクシーハザード出して止まる。
●「私」、三沢君、平岡さん、久保さん
「私」首になんかつけている。肩こりが悪化し首にヘルニアみたいな痛みがあった。
医者には異常がないと言われていた。
→「私」の体がおかしくなってくる。
奥山怪談の震源地。まさか本当に見つかるなんて。
最強物件だね。
屋敷にやってくる懐中電灯を照らす。
→人んちに来るのに真夜中に来るのか?
近寄ってくる。
ゆっくりと扉を開けて中に入ってゆく。
屋敷に入る。時間をかける
●お邪魔します。中から。
懐中電灯で中を照らし、写真を撮る。ビクビクしながら歩く。
開けますか? ふすまを開ける。
仏壇。
平岡さんが「あー」と言っただけで女性二人はびっくりする。
神棚。うわーという。女性たち驚く。
男性が何か反応するたびに女性たちは驚く。
次の間。
また神棚がある。
別の部屋に行くとお札がたくさん貼ってある。また仏壇。
突然久保さんがキャッ大きい声を出す。
なんだアメーバのようなものがある。
なにがですか?
ガセでしたね。
ミキオ氏が悪趣味なコレクターだったという話。
→「ガセ」という言葉は適切でない使い方ではないか?
●ミキオ氏、神棚に手を二つ叩くイメージ映像。
神にすがった。振り返る。黒い影が近付いてくる。
仏にもすがった。
足跡が近付いてくる。足跡がペタペタとく近づいてくる。
最後の手段。魔を持って魔を払おうとした。
でもことごとくだめだつた。
ドアが。扉が動いている。家族が開けようとしているのか?
振り返ると、黒塗りの男がいる。
でもことごとくだめだった。だとしたら哀れな話ですね。
おいとましましょう。手を合わせる。
【恐怖】
【再び現在】
【奥山家から始まった呪いは現在まで受け継がれる】
●奥山怪談テロップ。
●平岡「北関東の旅館に移築した。火事になった。」
●三沢「炭鉱の跡地はラブホテルになった。肝試しに入った若者グループがのちに殺傷事件を起こした。」
●真辺「ミキオの長男は傷害事件を起こして獄中で首を吊ったそうです。」
●三沢「欄間を買い取った家は愛知にあるのですが、欄間越しに仏間を覗くと地獄を見えるそうです。」
●編集者「前に書いてますよね?」
●平岡「真辺の子どもが通っていた小学校のに呪いのクラスという怪談が残っている」
●久保さん
これってどういうことでしょう?
ニュース映像。
飯田さん首を吊った状態で発見された。3人は鋭利な刃持で無理心中で死んだ。
灯油、缶と包丁が残されていた。
挨拶をする、飯田家の人々。
●久保さんもうやめませんか?
喫茶店で話す「私」と久保さん。いったいどこまで広がるんでしょう?
私、このところ。自分が何を追いかけていたんだろうと思うことがあるんです。
また音がするんです。
今の部屋で。いざとなったら引越します。でも。次もついてくるでしょうか?
→久保さんは音がする。みんな取りつかれている
●喫茶店から大通り。別れる2人。
過去に向かう旅は終着点を迎えた。
●首の痛みの理由が分かった。以前から傷めていた神経が悪化。奥山家とは何の関係もなかった。
→一時的に安心を与えるが、いたずら電話で落とす
久保さんはその後社会人としての生活をスタートさせた。
越してきてから丸二年という月日が立っていた。歩いてゆく久保さんの。後ろ姿。
●伊藤さんとは今でも連絡を取り上がっている。
次に引っ越すときには彼女の所有する物件にするらしい。
こんにちは。成田凌
●405号室やじまさんとも連絡が取れた。
子供の誕生パーティー
みとちゃんはローソクの九歳になって引っ越してからおかしな様子はない。
ローソクを吹き消すみとちゃんの後方に赤ん坊が這っているのが見える。
【恐怖】
●辺見さんはいまでも住んでいて、何の支障もなく生活している。
益子さんの家も変わりない。
奥で大人たちの話がはずんでいる。手前の子どもはテレビを見ているのか。それとも別のものか?
照明は暗く顔は見えない。(なにか意味があるのか?)
どこなく不気味。【恐怖】
●久保さんの住んでいた202号室は三度住人が入れ替わった。
今も空き部屋のままだという。
●原稿を書いている。「私」。電話が鳴る。
電話が響く。家の中に響く。
なぜか出ない。なり続ける電話。
下の階で旦那が電話機を見る。
●午前一時編集者。
電話をしている。話し中か。
→話し中ということは誰が電話しているんだ、という嫌な予感
原稿待たなくていいんですか?
届くのは明日の朝でしょう。
●電話機の前で佇んでいる。公衆電話からだった。ズームイン。
恐る恐る受話器を取る。
笑い声。不気味な笑い声。今何時ですか?
→飯田さんと同じ電話。飯田さんはその後無理心中をした。「私」も同じ運命をたどるのか。
【恐怖】
●出版社仕事をしている男性編集者。
何かに気づく。音が聞こえる。パソコンの画面が次々と変わってゆく。
なんだこれ。おかしな現象。
画面「話してもたたられる。聞いてもたたられる。」
顔に何かついている。黒いもの。炭鉱の炭だろうか。
キーボードが真っ黒になっている。明かりが消える。
→「黒いものがついている」というだけで説明はなくとも炭鉱の恨みだとわかる
影が出てくる。
黒い影這いながら、手前に向かってやってくる。
→黒い影は火災で苦しむ炭鉱夫
机の下には?河童のミイラの顔がある。叫び声を上げる男。足が引っ張られる。
【恐怖】
●山本くんのアパート。
事故物件を承知でやってきた男性寝ている
目覚める。何か物音がする。起き上がる。再び寝る。何か物音がする。
擦るような音。
目の前で体が揺れている。驚く顔。首を吊った着物の女性。
目を見開いてこちらを見ている?
【恐怖】
●住職が歩く。
クレジットが流れる。
お経唱える住職。
女性の絵が飾られている。知らないと言っていたが、所有していたのだった。
絵を見ながら微笑んでいる住職。
絵の女性の表場が変わる。笑っているようだ。
【恐怖】