未来を変えるエネルギーのあり方by塚嵜琉太/有明工業高等専門学校(福岡)#気候変動に対策を

私は、『気候変動に対策を』というテーマのもと気候変動について学習した。
現在、地球温暖化の主な症状として平均気温の上昇、海面水位の上昇、降水量の変化などが考えられる。このまま何も対策をせずに2100年を迎えると、現在の平均気温より2.6~4.8℃上昇となる可能性が高い。また、海面水位の上昇は0.45~0.82mとなり、「沈みゆく国」として知られるツバルなどはとても危険な状態となるだろう。さらに、降水量は中緯度地域を中心に激減し砂漠化が進む可能性が高い。これらの症状は、森林火災や陸域生態系、海洋生態系の変化の原因になると考えられる。以上の変化は、人間の活動においても大きく影響してくるだろう。例えば、陸域生態系に変化が表れると、もともとその地域では存在しなかったウイルスが媒介し、人間の活動に大きな影響を与えると考えられる。また、海洋生態系の変化が起こると、漁業にかかわる人に大きな影響を与えることは明確である。

① 次世代新エネルギー
みなさんは、ユーグレナをご存知だろうか?ユーグレナの日本語訳は、ミドリムシである。ほとんどの方は、ミドリムシと聞いてイメージするのは「微生物」や「虫」などであり、良いイメージを持っていないと思う。しかし、ミドリムシは「最強微生物」であるというのだ。なぜかというと、ミドリムシは高い生産効率があげられ、豊富な栄養素やバイオ燃料資源に活用できるからだ。2005年にユーグレナという会社が世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術の確立に成功した。
 ミドリムシの豊富な栄養素を利用してユーグレナは、ヘルスケア事業にも参加している。食品や機能性食品、化粧品、遺伝子解析などを行っている。私は、ユーグレナが販売している機能性食品である緑汁(図1)を飲んでみた。味はミドリムシを感じることはなかったが大麦若葉の味を強く感じた。健康食品だというような味だった。最近は、TVでよくカズレーザーさんが出演しているユーグレナのCMを拝見する。

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図1:緑汁


上で触れたようにミドリムシは食品関係だけでなく、実はエネルギーにも使える。
「Green Oil Japan」に加盟する会社の、次のような活動が見られる。ミドリムシをバイオ燃料にしたバスがいすゞの工場の中で走行している。このバイオ燃料は軽油と同じ種類であるため、トラックやバス、船、飛行機などでも利用が可能である。世界では、バイオ燃料を含んだ商業飛行が行われている。それに比べて、日本では一度の試験飛行さえ行われていないのだ。日本ではまず1回目の試験飛行を行うためにANAが国産バイオ燃料計画に参加し、積極的に活動を行っている。だが、それ以外に大きな問題がある。軽油が1Lあたり約100円に対して、ミドリムシをバイオ燃料とした燃料は1Lあたり約1万円、軽油に対して約100倍である。まだ、私たちが使うにはほど遠い金額である。

② 見える化される電力データ
 最近、オール電化の家庭が増えてきた。オール電化はガスを使用する家庭に比べて二酸化炭素排出量が少ない。なぜなら、お風呂のお湯を電気で沸かし、料理をする際も、IH調理器を使用しガスを使用しないため、二酸化炭素を排出しないからだ。とても環境にやさしいといえる。2016年には電力自由化により、約29%の家庭が電力会社を乗り換えた。その家庭にあったプランを選ぶことで経済的になる。最近、都市部だと「スマートメーター」(図2)というものがついている。一般的な電力計がアナログなのに対して、スマートメーターはデジタルである。それゆえ、30分ごとにデータを送ることができ、使用した電力量を毎月調べに来る必要がなくなる。それだけでなく、いつ使用しているかなどのデータ分析も可能である。これから、郊外にも普及してくるだろう。なくてはならないものとなりそうだ。

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図2:スマートメーター


③ 生態系の変化に脅かされる公平性
はじめに述べたように、気候変動が進むと生態系にも大きな影響が出てくる。例えば海を見てみると、生態系の変化によってほかの地域から移動してくる魚が増え、それらに捕食されてしまい、個体数が減少する可能性もあり得る。また、個体数が減少するだけでなく絶滅する魚などもいるだろう。自然のメカニズムにも大きく関係することが想像できる。
この生態系の変化は、私たちの社会格差にまで繋がりかねない。例えばこの影響を最初に受けるのは、漁業の方々だろう。魚が捕れなくなり経済的に苦しくなると考える。また、魚が捕れる地域との格差も生まれるだろう。さらに、魚を食べる私たちの食料問題となり、栄養成分も減少しうる。弱者や貧困者、それに加えてこれから生まれてくる世代が大きな影響を受けてくる。


これからへ
 私は、今回のプログラムを通して感じたことが2点あります。
 1点目は、SDGsの目標はすべて相互に関係しているということです。気候変動をテーマに学びましたが、環境や生態系への影響はもちろんのこと、それが原因で貧困や不平等につながることもありえます。気候変動への対策として、発想を大きく変えるようなアイデアと技術が必要であり、私自身の課題の1つにしたいと考えています。
 2点目は、SDGsに対する意識の変化を自覚できたという点です。このプログラムに参加する以前はSDGsについて意識することは少なかったですが、プログラムを終えた現在は、SDGsに関連した取り組みを行っている企業やお店などが目に留まるようになりました。そして、私が住んでいる大牟田市もまた、SDGsに参加しています。「住み続けられる街づくり」をテーマにして、例えば小学生のころから、世界の環境と日本の環境について比べる学習や電力消費量を抑えるための『緑のカーテン』を作成するといった活動も行っています。「住み続けられる街づくり」という課題に対して、環境・リサイクルや、エネルギー分野への取り組みがどのように寄与するかを探究していきたいと思います。今回の経験を、これらの問題に私自身がどのように関わっていくかを考える第一歩になりました。

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図3:SDGs


SDGsは、2030年までの目標です。それは、すべての国の目標であり、それぞれの国が具体的な目標を決めて2030年までに目標を達成するのだと知りました。従って、世界の人々がSDGsの対象です。私たちの生活の中の選択がSDGsの目標達成に影響してくることを意識することが大切です。
これまで私は、今回のSDGs探究プロジェクトで学習したことを、インスタグラムを通して発信してきました。私は、このプロジェクトと終了するとともにSDGsについての発信を辞めるのではなく、日常生活の中に存在するSDGsに関することをこれからもインスタグラムを通して発信していこうと思います。

Let’s stop the Global Warming!


有明工業高等専門学校(福岡) 塚嵜琉太 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(気候変動に対策を)

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