貧困をなくそう by 山辺雄翔 / 富山国際大学付属高等学校(富山)#貧困をなくそう

私のメインテーマは「貧困」でしたが、この期間では全てのテーマのプログラムに参加しました。私はユネスコスクールの学生であり、普段からボランティア活動の立案と実施を行ってきました。私自身の活動をより良いものにするため、知識を表面的なものではなく本質から身につけたいという気持ちから参加しました。同じような志を持った仲間と共にプログラムに参加できたこと、日本だけでなく世界に向けて取り組んでこられた方々の貴重な経験から様々なことを学べたことは今後の生活において重要な宝になったと思います。


ジェンダー平等のプログラムにおいては、日本はジェンダーギャップ指数が153ヵ国中121位であり、日本より上位にはインドネシアやマレーシアなどの日本よりも発展していない国々が位置づけられており、女性の社会への参画が世界に比べて大きく差があると感じました。男女ともにどれだけ平等に社会に参画できているかを他国と比較すると、日本は世界の中心的存在であるのに参画が実現できていないことに未だに男女間の問題が残されていることを痛感しました。世界のリーダーとして私たちの未来を背負う日本であっても世界からの視点では大きな課題が残っていることを反映していると思います。さらに、対策が練られていない中で問題が起こっては対応できないということを改めて学びました。東日本大地震が発生した際に、防災や復興の政策及び方針を決める際に女性が参画していない、災害対応において男女のニーズの違い等に配慮がないといった意思決定の場に女性の存在がなかったことで、男女共同参画の視点で対応して取り組むことができなかったことが浮かび上がりました。より良い社会であったり、コミュニティーを形成していくには必ず女性の意見が必要であり、女性の意見が反映されやすい環境がなければならないことが大前提であって、現在の政府の政策や法律をもとに今後どのようなことが必要とされていくのか考えることができました。それと同時に疑問も持ちました。女性の活躍を促す社会の中で、よく国会議員について取り上げられますが、女性議員が少ないのは参画できる環境がないだけではなく、そもそも女性の立候補率が低いことも問題だと思います。「女性の意見をもっと反映するべき」という考えを承知した上でも、女性が社会に参画する意欲の向上も改善すべき点だと思います。よってジェンダー平等の実現とは特定の者に焦点を当てるのではなく、全体が当事者であることを自覚して取り組まなければならないと改めて思いました。メインテーマではありませんでしたが、日本の現状について疑問を持つことができた機会でした。


メインテーマの貧困問題についてはジェンダー平等と重なる部分がありました。例えば、フィンランドは男女平等を推進する国であり、日本では女性の所得が男性よりも低く、それに伴って貧困率も高いのが現状です。しかし、フィンランドでは女性の方が裕福であり相対的にみても男女ともに貧困率が低いです。貧困率に高い状況とは教育機会の減少が就業機会の減少を招き最終的には生活の質の低下が見られることです。そしてこれらのように貧困が原因で様々な格差が生じることに対して関心を持ちました。所得の影響で教育を受けられない子供達と日本の子供達を比べればどうでしょうか。日本はいかに良い学校に進学するのか、ここの学校であるから勉強ができないといった勝手な偏見が根付いています。しかし、彼らにとっての学校は行くことでさえ難しいものです。この教育の機会が公正にかつ平等にないことに複雑な気持ちになりました。


このような思いと学びを私自身だけでなく、より多くの人に共有したいと思いました。「きっと政治家が解決してくれる」「自分は直接的に関わっていない、解決できない」といった身勝手な感情や考えを多くの人に持って欲しくありません。どの分野でも課題を解決していくには他人事ではなく自分の一つ一つのアクションが大切であり、その意識が広がることで社会に浸透してより影響力の大きいものになることを発信していくことが、今回私がこのプロジェクトに参加した意義であり目標です。「学校では学べない」こととは何なのだろうかと考えた際に、今回私が気づくことができたことは学校では感じられなかったことだと思い、今年度の1月より地元の小学校と出前講座を行うことになりました。高学年を対象に私たちの生活が当たり前なものではなく、それを基準に世界と比べてはいけないことを一番に伝えたいと思っています。私がせかい部に参加して得られたものは沢山ありましたが、その中でもこのような発信力の大切さと私自身の存在価値を確立することができたことは、大きな一歩になったと思います。今後社会で必要とされる者になるためにも自分の行動力を活かして今回身につけられたこと、学んだこと、気づきを自身の中だけで留めておくのではなく、他者に共有して拡散し続けることを大切にしたいと思います。

 

画像2


画像3

画像4


富山国際大学付属高等学校(富山) 山辺 雄翔 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(貧困をなくそう)
#せかい部sdgs


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?