なんで気候変動問題に取り組むの? by 鈴木滋温 / 立教池袋高等学校(東京)#気候変動に対策を

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なんで気候変動問題に取り組むの?
それは未来の自分たちとその次の世代へ責任を持つため

【1】#せかい部×SDGs探究プロジェクトに入部するまで

ずっと考えてきたことがあります。それは、「高校生になったらトビタテ!留学 JAPAN に応募し、派遣先で自分の能力を存分に発揮して、チームプレーヤーとして派遣先の多くの仲間と共に現地、そして派遣元の日本に貢献する。そして、自分自身も若いこの時期の異文化体験を通して視野を広げ、大きく成長したい」ということです。 幼い頃から抱いてきたその希望を実現するため、これまで文武両面で努力を積み重ねてきました。ところが、新型コロナウィルスのパンデミックのため世界は一変し、留学プログラムは中断、残念ながら自分の希望は今の時点で一旦おあずけになってしまいました。それどころか、入学した高校での生活も、自宅でのリモートワークや、分散登校、部活動の停止など、およそ想像していたものとはほど遠いものとなり、完全に出鼻をくじかれてしまいました。
正直、しばらくはかなりへこみました。そんな中、今回の#せかい部×SDGs探究プロジェクト高校生レポーターの募集を目にし、考えが変わりました。今の状況で自分にできることに最善を尽くそうと。そして、日頃から関心と、漠然とした不安を抱いている気候変動をテーマにチャレンジしようと決めました。

【2】自分の取り組んだ探究活動について

合計6つの講義を受講することができましたが、(ある程度覚悟はしていたものの)実際、学校の部活動とのやりくりに苦労しました。
今現在、危機感を持っている人は少ないと感じたので、毎回の講義を通じて新たに知ったことを友人に伝えて共有し、身近なところから働きかけを行いました。
また、講義を通じて、知識や情報だけでなく、新しい見方や考え方を知ることができました。さらに、関心がより高まったことで、その後、テレビや書籍、インターネットを通じて情報収集を行う中で、その情報の先にあるもの、背景にあるものを深堀りして自分なりの意見や結論を導き出すことができたと思います。それは、のちほど説明したいと思います。

そして、今回の講義を聴いたおかげで、メディアのニュースや情報に対する感度と理解度がこれまでよりも高くなりました。奇しくも、このプロジェクトへの参加が決まった頃から、気候変動に関する世界的なニュースが、以下の様に連日目白押しでした。
アンテナは気候変動の話題にとどまらず、ジェンダー平等といった今回のプロジェクトのその他4つのテーマや、SDGsの17の目標全般にも及ぶようになりました。そしてそれらが相互に関係していることが理解できました。

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#せかい部 ×SDGs探究PJの時期に起こった気候変動に関する主なニュース

9月
23日 米・加州知事が、2035年までにカリフォルニア州で販売されるすべての乗用車の新車をゼロエミッション車(ZEV)にするよう指示

10月
14日 2030年の国内CO2排出量を2013年と比較し26%削減するため火力発電比率を63%から56%まで引き下げるという現目標を、さらに引き下げるための見直し開始
14日 オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁・グレートバリアリーフで、サンゴが1995年と比べて半分消滅していることが明らかになり、その影響は魚の生態系にも及ぶ。回復には何十年もかかる模様
16日 英国王室・ウィリアム王子が気候変動の危機を食い止めるアイデアや技術に取り組む人たちを表彰するThe Earthshot Prizeを昨年末に創設、向こう10年で合計68億円を贈る予定
16日 近年のサンマ不漁は日本近海の海水温が上昇し、寒流を好むサンマがいなくなっているのが原因のひとつ
20日 ロシアで温暖化により永久凍土が溶け、深さ80m、幅1kmの穴が出現
23日 CO2フリーのアンモニア発電が、サウジアラビアと日本の共同プロジェクトで進行中
26日 菅義偉首相、臨時国会の所信表明演説で、国内の温暖化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針「2050年カーボンニュートラル宣言」を表明
26日 ANA、フィンランドの会社から調達した食品廃棄物原料を燃料として来月より飛行開始。CO2を9割削減可能
27日 米カリフォルニア州ロサンゼルスの周辺の山火事で800ヘクタール以上が延焼し約6万人が避難。温暖化の影響

11月
8日 米次期大統領バイデン氏、就任後の4つの最優先政策のひとつとして気候変動を挙げる。温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」へも復帰の見込み
11日 東芝、石炭火力の受注停止、再生可能エネルギー事業を強化、2030年度に3倍超を目指す
17日 英政府、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止と発表。温暖化ガスを直接排出しない電気自動車(EV)の普及を後押し
24日 温室効果ガス世界平均濃度が過去最高となり、温暖化進行を裏付け。今年はさらに最高値更新見込み(排出量自体は新型コロナウィルスで社会活動が停滞した影響もあり、6%減少)
25日 新型日産ノート、すべてハイブリッドに


【3】#せかい部×SDGs探究プロジェクトから学んだこと

171人の高校生レポーターの一員として参加したプロジェクトは、まさに刺激の連続でした。
そして、講義をして頂いた先生達が、それぞれご自身のフィールド、立場から、気候変動問題や地球の未来について、本当に強い意志と熱意をもって、真剣に考え、取り組んでいることが強烈に伝わりました。
それぞれの講義では多くのことを教えて頂きましたが、ここでは敢えて一番私の心に響いたこと、自分にとってのキーワードを書いてみたいと思います。

◆環境省・多田悠人先生
気候正義 (Climate Justice)。広範囲の情報を、時系列に冷静に分析してまとめ、伝えることの大切さ

◆ユーグレナ・木村 健先生
「ソーシャルネイティブな会社、サステナブる、会社の繁栄が社会問題の縮小」を根っこに、Chief Future Officer (CFO) 職設置など、様々な活動をぶれずに推進、実現していっていること。人々のためにと、探究心をフル回転。

◆ENECHANGE・城口洋平先生
「10年後の自分のために、今、5W1Hをしっかり考えていく」、これに尽きる。そして自分の中の引き出しを増やすためしっかり納得いくまで勉強すること。色々な物を様々な方向から見て可能性を見い出す力。

◆国立極地研究所・渡辺佑基先生
頭で考える仮説よりも、現実はそれほど単純ではなく、なかなか複雑であること。正解はひとつではないということ。

◆ワシントン大学・太田義孝先生
社会的公正とCritical thinking (多面的なモノの見方)、事実やデータに基づいて物事を考える科学的証明の大切さ、アース・システムとして考えること。「飛び出せ!どこから、何の目的で、誰のために、次はどこへ」。

◆衆議院議員・野田聖子先生
若い時期のやりたいことに悔いを残さない。日本のことをもっと知って飛び立そう。英語はカラオケみたいなツールでコンプレックスにはなり得ない。科学的裏付け、自分の目で見たものを信じること。

そして全ての講師の皆さんから頂いた一番大きなものは、
「悩み、失敗してもいい。失敗することは恥ずかしいことではないと勇気づけられたこと、やりたいことを見つけて果敢にチャレンジすること」と、背中を押して頂き、識者からエールを送って頂いたことです。
高校生レポーターの意見にも学ぶことが多く、貴重な一期一会の機会になりました。


【4】#せかい部の活動を通して感じたこと、自分自身の思いと提案

気候変動、温暖化、災害級の暑さを改善していくには、地球規模の問題であるので、科学的根拠をもとにして大きなところにメスを入れていかなければ成果に結びつかないと思います。

 

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世界の分野別温室効果ガス排出量は、上のグラフにあるように電力と熱生産、エネルギー、産業と運輸によるものが大半です。自分がすべきことは、電源構造、再生エネルギー、クルマのEV化といった改革が停滞することなく、着実に進んでいるかをニュースなどを通じてしっかりと監視したり、ESG投資が促進されているかを継続的に調査して、必要があればネット上などで声を上げていくことだと思います。又、人間がコントロールできる幅が広げられる様な、再エネや蓄電池のイノベーションについても注目していきたいと思います。

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一方で、電気化が社会全体を覆うことに伴うリスクと安全保障についても同時に考えていかないといけないと思います。依存しすぎることによるリスクが解消しなければ、ひとたび大停電が起こると社会活動が完全にストップしてしまうからです。
さらに、地球全体の課題であることから国際協調は必須です。日本は必ずしもリーダーにならなくてもいいので、重要なチームプレーヤーとして推進役を担って欲しいと思います。独自路線を歩んでガラパゴス化することは決してあってはいけないと思います。より多くの人々がつながりを持ち、協力し合うことで未来はより明るくなり、全ての可能性が無限大になり得ると思います。

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  一方で、自分の身の回りで日常できる草の根活動についても実施し、人々の意識改革に向けた働きかけを含めその輪を広げる努力をしていきたいと思います。
今月、英国のグラスゴーで開催予定だったCOP26が新型コロナウィルスのために来年へ延期されたことを受けて、世界152カ国・地域の若者が、11月19日から12月1日の期間、オンライン開催している、疑似的な国連気候変動枠組み条約締約国会議「MOCK COP26」についても、とても興味深く各種発表を見ています。

今回のプロジェクトに参加していく中で、ふと疑問に感じたことがあります。それは、私達が未来を語る時、我々の生活水準や文化は、今よりも便利、進歩していくものということが大前提になっていることです。今の便利さはぜんぶ必要?ということを改めて見つめ直したいと思います。今後について、「やる」ことだけでなく、「やめる」ことについても考えてみる必要があるのではないでしょうか。

新型コロナウィルスにより世界にはパラダイムシフトが起こり、新常態(ニューノーマル)という、違うステージへの移行を余儀なくされました。多少不便でも仕方ないと我慢をして生活する様になっています。まさにこれと同じ様に、気候変動対策についても、一人一人が常識や意識を変えて、社会システム(仕組み)の大転換によって新しい暮らし方に移行していくことを考えたらどうかと思います。
平たく言えば、今よりも少々便利さのレベルを下げたところを基準に考える、地球環境に負荷をかけないため、昔に戻ったような不便さを受け入れるということです。そういった心がけや社会生活によって地球の健康の回復に少しずつでもつなげていけたらと思います。そうすることが、未来の自分たちとその次の世代の環境に責任をもつことにつながると思います。
自分もそういった意識を持って、丁寧に生活していこうと思います。

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【5】これからの自分について

今回の活動を通じて、自分の今後についても改めて考えてみました。
今回のプロジェクトで痛感させられたことは、地球規模・視点で考えないといけないということです。
そういった意味でも、自分の中で、ますます海外への関心と意欲が強まりました。
将来、自分が本当にやりたいことはまだ決まっていませんが、まずは今のうちにしっかりと勉強をして、日本のことについてもきちんと学び、自分自身のこともよく知るという準備をしていきたいと思います。

そして、大きくトビ立ちたいと思います!
将来、よき地球人となれるように。

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立教池袋高等学校(東京) 鈴木 滋温 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(気候変動に対策を)

#せかい部   #せかい部sdgs   #気候変動に対策を


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