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League of Legends 2021 World Championshipの開催地が中国からヨーロッパへ変更される見込み

【8月24日22:42 更新】Worlds 2021がヨーロッパで開催されることが正式発表

Riot Gamesでeスポーツ グローバルヘッドを務めるJohn Needham氏から、日本時間で8月24日22時に、Worlds 2021を中国開催からヨーロッパ開催へ変更するとの公式発表があった。

公式プレスリリースはこちら(英語および中国語での発表)。以下はその私家訳。

こんにちは、皆さん。

Riot Gamesでeスポーツ グローバルヘッドを務めているJohn Needhamです。Worlds 2021についてのニュースをお知らせします。

過去2年以上、ここロサンゼルスにあるグローバルeスポーツチーム、そして上海で働く同僚たちやパートナーも、Worlds 2020とWorlds 2021の開催に力を注ぎ続けてきました。

昨年Worlds 2020で成し遂げた、感染者ゼロと配信視聴者数記録更新については誇りに思っています。2020年はこれまで開催してきたWorldsの中で最も困難なWorldsになるとわかっていて取り組みました。今年はワクチンが世界中に広まるので、2021年こそ少しは「いつも通り」に戻せると予想していました。

ですが残念ながら、そうはなりませんでした。デルタ株の感染拡大のため、渡航制限と入国手続きは、2020年よりも複雑にすらなってしまいました。出場が決定したチームとその最高の選手たちが今年のWorldsに確実に参加することを確約するのは非常に難しい、そう判断せざるをえないところにまで来てしまったのです。

結果として、Worldsの開催地を中国からヨーロッパに変更するという、つらい決断をすることになりました。 

Riot Esportsはこれからも、私たちのスポーツの競技公平性を維持し続けます。参加チームが少ししか参加できないWorlds、完全なロースターで参加できないチームもあるようなWorldsでは、競技の公平性は大きく落ちると感じられるでしょう。

参加チームとプロ選手たちは、サモナーズカップを手に入れるためにとてつもない量の時間とリソースを捧げています。サモナーズカップへたどり着く機会を提供することで、私たちには彼らひとりひとりの努力に報いる責任があります。真に世界中から競技者を集めるWorldsを開催するのは私たちの誇りであり、さまざまな地域の選手たちが残してきた足跡は、LoL Esportsを特別なものにしている大きな要因のひとつだと信じています。

あらゆる可能性を検討した結果、参加できるチームと参加選手を最大にするため、Worldsの開催地をヨーロッパに変更するという結論になりました。今年の会場がどこになるかはまだ発表準備が整っていませんが、できるだけ多くのチームと、彼らが最高だと考える選手を揃えられることは、非常に重要な要素です。

当初予定していたWorlds 2021は実現できなくなってしまいましたが、さまざまな選択肢を検討してくれた中国の5つの都市とパートナーの皆さんには、心から感謝を申し上げます。中国の選手とファンの皆さんにも、心より謝罪申し上げます。このニュースを聞いてがっかりするかもしれませんが、世界中から集まった最強のチームたちと、皆さんが大好きなLPL代表チームが競い合うためには、この決定を行うしかなかったことをご理解頂ければ幸いです。

自分の地域で開催予定だったWorldsに費やすエネルギーを持て余しているのもわかりますが、Worldsの参加・視聴に関して中国全土で素晴らしい体験をお届けする計画は変わりません。これらの体験が、中国のコミュニティを誇らしく感じさせるものと信じています。

最後に、世界中のファンの皆さん全員に対して、ご支援を感謝します。数日後、また数週間後にはWorlds 2021のさらなる詳細を共有予定です。

夏季の競技に参加してくださった全てのリーグ、チーム、そして選手の皆さん。ご武運をお祈りしております。Worldsでお会いしましょう。

ありがとうございます。

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以下は8月24日昼に公開した元々の記事内容

2021年の10月頃より中国の各都市を巡って開催予定だった世界大会「League of Legends 2021 World Championship(Worlds 2021)」だが、開催地がヨーロッパに変更になる見込みであると、8月24日早朝にUpcomerが報じた。

続報を報じたDot Esportsによると、アメリカ本社所属のプロダクションスタッフが中国へ入国するのが難しくなってしまったためだという。同じく北米から中国へ渡航するLCS代表チームたちについては、8月20日時点で入国ビザの手続きを行っており、開催地の変更はごくごく最近行われたものだとも報道されている。

中国の5都市を巡って開催予定だったWorlds 2021

2019年末から世界に広がった新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、直近数年間のWorlds開催は大きな影響を受けた。

「Worlds 10周年」記念として、中国開催となっていた昨年のWorlds 2020。この大会は上海のみのバブルシステム開催とされ、ファイナルのみが同じく上海の浦東足球場にて、有観客で開催された。

2020年8月に発表された上記動画では、2021年のWorldsは「もう一度中国で、それも本来の姿を取り戻した形で」、すなわちステージごとに中国の各都市を巡回する形態で行われると発表されていた。

「2021 World Championship」が開催される5つの都市を発表します!トーナメントの全ステージにわたって、上海、青島、武漢、成都、深圳を含む複数の都市でのツアーが行われます。トーナメントに関する情報は、後日公開予定です。地域リーグのトップチームは、11月6日に深圳市で行われる予定の決勝戦への出場を懸けて競います。

新型コロナウイルスの感染拡大による国際大会の開催困難

2021年の春夏間大会である「2021 Mid-Season Invitational(MSI 2021)」は、アイスランドのレイキャビクにて無観客で行われた。小国ならではの感染対策のやりやすさから、開催地に選ばれたものと思われる。同会場では引き続き、VALORANT初のオフライン公式世界大会である「VCT Masters Stage 2」も開催された。

一方、COVID-19は大規模な感染が続く中でさまざまな変異株が発生し、2021年8月時点では世界各地で感染力の強い「デルタ株」の脅威が続いている。世界各国では引き続きデルタ株を含むCOVID-19への水際対策が重視されていて、入国直後の隔離期間を強制する国も少なくない。

中国では2021年8月現在も、入国後の一定隔離期間および検査を続けているようで、今年は各地リーグのスケジュールもWorlds前の隔離を踏まえたものになっていた(はずだ)。MSI 2021では、LPL代表のRNGの帰国事情を考慮した結果、本来のルールでは順位が上のチームが先となる準決勝の順番が逆転し(高順位の見返りとして決勝への準備の余裕があるはずだった)、観戦ファンから大きな批判が巻き起こった。

今回の開催地変更先とされるヨーロッパではどうか。2021年8月現在のドイツでは、ワクチン接種証明があれば入国が可能で、指定の条件を満たしていれば、日本からは従来通りのビザ取得なしでの渡航ができるようになっている。

VALORANTの次期世界大会である「VCT Master Stage 3」は当初より9月にベルリン開催とアナウンスされており、こちらは滞りなく開催できるだろう。そのままWorlds 2021をベルリン中心(または同レベルの入国が可能なヨーロッパの国)の開催にスライドしたと考えれば自然だ。

開催地変更の正式発表は火曜夜以降か

現時点ではさまざまな反応や推測があるが、Riotからの正式発表は日本時間で火曜(8月24日)夜以降となる見込みだ。昨年から競技シーンは新型コロナウイルスに振り回されっぱなしで、ベトナムのVCSは未だに夏スプリットが開幕していない。

開催約2ヶ月前の大規模変更は、参加チームやスタッフのビザ手続きや宿泊場所確保などが厳しくなるなど、デメリットが非常に大きいはず。それでも完全中止にしないという判断は、ファンからすればありがたい。1年のプロシーンで最も盛り上がる世界大会、とにかく無事に開催されてほしいものだ。

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