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江戸季節そばの魅力8月「磯雪(いそゆき)そば」

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皆さん、写真のおそば、ご存知ですか?

和風カルボナーラ?

実は『東京の郷土そば』と言えるものですが、残念ながら東京でもあまり 見られなくなりました。

閉店してしまった老舗・池之端の薮そばがルーツだと聞いていますが卵を 黄身・白身を一緒に泡だて、そばの上にのせたものです。

それを盛りそばのようにつけ汁にて手繰(たぐ)る。想像されるように泡立てた卵、そば、つけ汁がとても良いバランスで口の中に入っていきます。

気短な江戸っ子には程よく短時間で手繰れた一品、その蕎麦を『磯雪蕎麦 (いそゆきそば)』と言います。

泡立てた卵が磯の雪に似ているので名付けられた。『江戸の粋』と表現される方もいます。

蕎麦の事典(新島繁)によりますと、                                                        

磯雪蕎麦(いそゆきそば)とは 冷たいそばに卵を落とし、良くかき混ぜ、 受け皿と蓋のついた専用のせいろ(曲げわっぱ)に盛る。海苔をあしらって、もり汁を添える。(略)近年見かけなくなりましたが、卵が貴重だったころの品書きの一つ。との事です。

8月は、その『磯雪蕎麦(いそゆきそば)』を取り上げます。

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卵を黄身・白身を一緒に泡だて、そばの上にのせる。

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このもり汁が味を引き立てます。

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卵を泡立てただけなのに蕎麦の食感と風味を全くちがうものにしています。全卵をしっかり泡立てるのが『磯雪蕎麦(いそゆきそば)』の最大のポイントとなります。

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それをもり汁に入れ手繰(たぐ)ります。黒七味を好みで(まるでカルボナーラの黒コショウ)。泡立てた卵、そば、つけ汁がとても良いバランスで口の中に入っていきます。

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5分で〆の蕎麦湯に。

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猪口に〆の蕎麦湯を注ぐと泡立てた卵の残りがかきたま状に。これが   また好ましい。それを飲み干し、店を後にしました。

江戸の粋『磯雪そば』無くなって欲しくないですね。

今回訪問したお店『石臼碾きそば 築地 文化人』老舗ではありませんがその江戸の伝統をその店として咀嚼し引き継ぐ築地・東本願寺そばの人気の店です。

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