介護の終わりに(27)

犬でも、人でも、介護にはタオルは欠かせないと思う。

人の場合は、掛物にしたり、敷いたり、拭いたり(汗や排せつ物などを)、という用途がある。大体予想できそうだ。

犬は、人と違う。しかし、タオルの用途は似ている。

我が家の場合、犬は外飼いだったので、外の小屋にずっといた。

犬は、アトピー性皮膚炎だった。そのために、ずっとタオル類は渡していなかった。タオルに、ダニがついてしまい、それに反応して皮膚のかゆみが出てかきむしり、抜け毛、ひどいときは出血だったからだ。

しかし、犬の最後は冬だったし、皮膚炎がどうこうといっているのは違う気がして、犬にタオルをあげることにした。

子どもたちが、赤ちゃんの頃につかっていた、重量感があってズレないものを小屋に入れた。

それが、これ。

15年以上前のものだから、柄がちがうけど、よいものだった。シーツの代わりにして敷いていた。重みがあるので簡単に巻き上がらないし、子供が、おねしょして洗濯しても、へたらない。

犬に対してもそうだった。犬は、上手に巻いてその真ん中にいるようにしていた。それまでは、小屋の床に直に寝ていたから、ちょっとよかったかもしれない。満足してくれたかもしれない。

やっぱり、アトピーでもタオルをずっと入れてあげたらよかったのだろうか。

以前も書いたけど、介護はいつもいつも、後悔してしまう。自分を責め続けてしまう。

「介護が終わったときにあなたの物語を書くべきだ」(酒井穣)。確かにそうだなと素直に書き始めました。とはいえ、3か月以上悩みました。