介護の終わりに(24)

犬の年齢。犬の一年が人間の7年に相当する。

私の犬は、14歳6か月ほどで亡くなった。ということは、人でいうと、100歳越えている。それでも、亡くなる半年前まで衰えを見せなかった。

私の犬は無理をしない。マイペースなところがあるので、おそらく、実際老化を犬も感じなかったのだろう。

15年近く一緒だった犬だが、若い時から動物病院にお世話になることが多かった。

幼犬のころ、農薬入りのおいしそうなものを食べてしまった。急に苦しみだして、死なせてしまうと思った。7歳で熱中症になった。8歳からずっと、アレルギー性皮膚炎で悩まされた。犬も悩んだと思うけど、私と夫も犬をシャワーに入れないといけない(そういう病院からの指示だった。毛をきれいにしないと、アレルゲンが付く、といわれた)ので、嫌がる犬をシャワーに入れるのが悩みだった。

9歳か、そのくらいに、毎日咳をするようになった。風邪か?!と動物病院に連れて行った。驚いた。心臓からくる咳だといわれ、「僧帽弁閉鎖不全症」と診断された。人間みたいなところが多いと思っていた犬だったが、病気まで人らしいとは。

しかし、大きく老化、と思えることはなかったのだ。

「介護が終わったときにあなたの物語を書くべきだ」(酒井穣)。確かにそうだなと素直に書き始めました。とはいえ、3か月以上悩みました。