疲れない歩き方

へその下辺りが前から引っ張られるような意識を持つ。
上半身が前に引っ張られるので、体が倒れないように脚を出して支える。
引っ張られて前に倒れようとする上半身を、右脚、左足と順番に支える。
へその下が引っ張られるといっても、後ろにのけぞるような姿勢にならない。
僅かに前傾する。ただし顎を出してはならない。顎を出すと、脚を突いたときに頭にかかる下方向の衝撃を、背中側の筋肉で支える必要があり、筋肉に負担がかかる。
脚を着くときの衝撃は、できるだけやわらげる。
前に倒れる上半身を支えようと脚を出すとき、地面を蹴りつけてはならない。気を遣いすぎない程度に衝撃をやわらげるように着く。
どの動作をするにも、頑張ってはならない。頑張っているということは、その動作に無理があるということ。無理=頑張りがいらないような関節の角度や脚を出すタイミングを探す。
体中のどこに生も、余計な力を入れてはならない。
感覚としては、腰の骨の上に背骨が生えていて、その背骨から腕が生えていて、背骨の先に頭がのっかっているイメージ。だるんだるんにする。
ただし、腰や首を痛めないように、最低限、腰回り、背骨周りの筋肉で背骨周りがぐらぐらにならない程度に骨を支える。
イメージとしては、頭のつむじのあたりに糸がついていて、それが空から引っ張られているイメージ。上に伸ばすような感覚。そうすると腰回り、背骨周りがぐらつかない程度に補強される。
人間は倒れそうになると、(酔っ払っていたりしない限り)勝手にバランスを取ろうとする。その働きに任せて、バランスを取ろうとして脚が前に出るに任せる。脚を前に出すとき、できるだけ早く爪先を地面から離す。
爪先がいつまでも地面についていると、脚を高く上げないといけなくなり、脚を上げる筋肉がすぐに疲れてしまう。脚全体を上げるより、爪先をさっさと上げてしまった方が楽なのでそうする。
感覚としては、右脚立ち、左足立ちを交互に繰り返すイメージ。
ただし、その時無駄に左右に揺れない。
左右に揺れると余計なバランスを取る必要があり、バランスとは筋肉の収縮で取るので、疲労が溜まる。
とにかく無駄な動きをしない。無駄な動きは無駄な筋肉の収縮が必要になり、余計な疲労が溜まる。
とにかく無駄を省く。
手は揺れるに任せる。別に振る必要はないが、それだと見た目的に不自然なので、不自然に思われない程度に振るぐらいで良い。
上半身は捻らない。そもそも、上半身を捻るというのは、脚で地面を蹴るためにすることであり、この歩き方は脚で地面を蹴るのではないので、上半身は捻らない。
上半身を捻ると、胴体周りの筋肉を無駄に収縮させる必要がある。しかも上半身が捻られるので、捻るたびに内臓に負担がかかる。
肺にも収縮の影響が出て、ねじりの圧力に対応するための余計な出力が必要になる。
なのでそういう無駄を省くため、上半身は捻らない。
上半身の感覚は、ホウキを逆さに立てる遊びが近い。学校の掃除の時間などに、床を掃く箒を掌の上で逆さにたててバランスをとるやつ。
ホウキの持ち手の部分が背骨で、掃くところが頭。ホウキを持つ手は腰。
腰で逆さに立てたホウキ(背骨、頭)のバランスを取るイメージ。
腰というのは、もっと絞って言うと、丹田。丹田で、上半身(背骨、頭)のバランスを(逆さに立てた箒のバランスを取るように)とると楽。
バランスが取れている限り、上半身の力はかなり抜くことができる。バランスが崩れそうなとき、背骨周りの筋肉を収縮させてバランスを取る。ただし、力を抜きすぎると、脚を着いたときの衝撃などで腰や背骨や首を痛めるので、痛めない程度にはうっすら固定する必要がある。さっきもあるように、つむじが空から引っ張られるイメージ。
全体として、とにかく力を抜けるところを抜く。頑張ってはならない。良い運動になってはならない。無駄な動きをしてはならない。
できるだけ筋肉で固定せず、骨の構造をうまく使う。
筋肉で固定するときも、関節を少しだけ曲げたぐらいの角度を主に使う。
関節を曲げすぎると、筋肉を強く収縮させる必要がある。
あまり関節を曲げすぎてはならない。
歩く速さは、一番体が頑張らなくて済む速さ。人それぞれなので自分で探す。
とはいえ、おそらく、以外と早い。頑張ってないのに意外と歩ける。
自分で能動的に後に蹴って前に進んでいる訳ではないので、頑張ってる感はない、はず。というかあるならそれは疲れる歩き方。
ちなみに、見た目はあんまりよくない。都会的ではない。田舎っぽい感じの歩き方になる。きびきびしていない、ちんたらした感じの歩きになる。
言い方を変えると、都会の人はやたら疲れやすい(見栄えの良い)歩き方をしていて、田舎の人は疲れにくい(見栄えの悪い)歩き方をしている。
でも手足の長いアフリカの人達がこの歩き方をするとすごく野性的に見える。
ずるい。



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