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工場現場のトラブルシューティング

 – チッパー詰まりの原因解明と改善のためのデータ活用

はじめに

工場の現場で発生するトラブルは、生産効率に大きな影響を与えます。今回紹介するのは、私が実際に現場で行った「チッパー詰まり」の原因解明と改善方法です。問題が発生した場合、何が原因であるかを徹底的に調べ、データを基にした改善策を講じることが重要です。この記事では、データ収集と分析を通じてどのようにして問題を解決したのか、その過程を具体的に紹介します。
今回は実例を元にチッパーの話をしますが、データ集計は全ての基本です。
応用すれば様々な事に使えます。

問題発生:チッパー詰まりの頻発

私が経験した現場では、チッパーが頻繁に詰まるという問題が発生していました。詰まりの頻度や発生する時間は日によって異なり、その原因は一見すると不明でした。このような場合、問題解決にはデータの収集と分析が有効です。原因を突き止めるため、まずはどの要因が問題に関与しているかを特定する必要がありました。

データ収集:詰まりの原因を探るための要因分析

最初に注目したのは、工場への原料投入量原料サイズ、そして製品のサイズです。これらの要素が、チッパー詰まりにどのように影響しているかを調べるため、以下のデータを収集しました。

  • 詰まりの発生回数

  • 復旧に立ち会った人数と時間

  • 原料サイズの加重平均

  • 製品サイズ

エクセルを使用して、1日ごとのデータを横に並べて記入していきました。特に重要だったのは、復旧にかかった人員と時間を細かく記録することです。これにより、どの程度のコストや労力がかかっているかも把握することができます。
トラブル発生現場の近くに記入表などを用意して、現場の人に書いてもらうのがいいでしょう。

データ分析:偏りを見つける

データが集まってきたら、まずは最大値から最小値までの数値を4分割して赤、オレンジ、白、青で塗り分けました。この色分けにより、偏りが視覚的に確認できます。私の場合、大きな径級の原料を使用している日に、詰まりが多発していることが明らかになりました。特に、大きい製品を製造しようとする時に、詰まりが一番起こる傾向が見られたのです。

さらに、データの詳細な分析を進めるために、詰まりが発生した日と原料のサイズの相関を調べ、相関図を作成しました。このような視覚的なデータを活用することで、問題の根本的な原因を特定する手助けになります。

結果:詰まりの原因特定と改善の可能性

データから、一定以上の幅を持つ製品を作る際に、詰まりが多発することが明らかになりました。この分析を基に、生産プロセスを調整する必要性が出てきました。つまり、大きな径級の原料を使用する際には、チッパーの処理能力を超えないようにするか、機械の改良が求められることが示唆されました。

この段階では、まだ現状のまま作業を続けるか、改善策を講じるかのコスト計算が必要ですが、データ収集と分析が次のステップに進むための重要な土台を築きました。

次回予告:コスト計算と改善策の決定

次回の記事では、現状を維持することによるコストと、改善策を講じた場合のコストの比較を行い、最適な意思決定を行うためのアプローチを紹介します。データを基にした改善策の導入が、現場の効率化にどのように寄与するのかを掘り下げて解説します。

まとめ

工場現場でのトラブルシューティングには、データに基づいたアプローチが非常に有効です。今回のチッパー詰まりのケースでは、原料サイズや製品サイズなどのデータを収集し、問題の原因を特定することができました。視覚的に確認できるようにデータを整理し、偏りやパターンを見つけることが、効率的な改善につながります。次回は、さらに詳細なコスト計算と改善策の検討について解説します。


この記事を参考に、現場でのトラブルを解決するためにデータ活用の方法を検討してみてください。具体的な相関図の作成や色分けなどの手法を導入することで、効率的な分析が可能になります。

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