見出し画像

愛用している「マザーハウス」について #マーケティングトレース してみた

黒澤友貴さんのマーケティング思考力トレーニングの本を読んで、今自分がやりたいトレーニングそのものだったので、さっそく実践してみます。

記念すべき第1弾は、自分でも3年以上愛用している「マザーハウス」さんです。黒澤さんの書籍でも初級編のSTEP①は、“「成長している」「社会性がある」「自分が好き」の条件でテーマ企業を決める。”とあるのでそれに則り、大好きなブランドのマザーハウスに決めました。

マーケティングトレースについては、黒澤さんのnoteにノウハウが凝縮していますので、そちらをどうぞ!

マーケティングトレース初級編は、使うフレームワークが2つでいいので、今回は「STP」と「4C」を使って分析してみたいと思います。慣れてきたら他のフレームワークでもやってみる予定!SDGsとかTPPとかと関係性が深い業界だと思うので、「PEST」は使ってみたいと思ってる。

まずは基本情報から!

【会社名】株式会社マザーハウス
【事業内容】発展途上国におけるアパレル製品及び雑貨の企画・生産・品質指導、同商品の先進国における販売
【ビジョン・理念】途上国から世界に通用するブランドをつくる。
【トレース目的】最近愛用しているマザーハウスのバッグを街で見かけることが多く、他の人がマザーハウスを買う動機や目的が何なのかが気になったため、それを解明していく。

リサーチ参照元はこちら!
マーケティング3.0については改めてまとめたいですね。

続いて業界分析!

マザーハウスが区分される業界は大きく捉えるとアパレルになるのですが、そうするとユニクロのファストリさんが断トツすぎてマクロに見れないので、かばん業界で見てみる。

画像1

なるほど、緩やかではあるものの意外と右肩上がりではあるのか。
ミレニアム世代に限って言えば、高級ブランド離れが加速している中で、デザインやストーリーなどの付加価値に重きが置かれつつあり、LaxusやairClosetなどのシェアリングサービスが一般化しつつあることも、市場の流動性が高まっている要因の一つかもしれない。
ここらへんのシェアリングサービスについてもnoteで書きたいなー。
アウトプットしていると次から次へとアウトプットしたいことが増えてくる(笑)

ではでは、フレームワークを使っていきましょう!

まずは「STP分析」

【セグメンテーション(市場を分ける)】
人口動態:20代後半〜30代男性、20代後半女性〜40代女性
地域性:東京、横浜、神戸、大阪、京都+α
(東京はターミナル駅よりも下町やベッドタウンに多い印象)
嗜好性:高級ブランドよりもデザインやストーリーに共感して購入する。
    購入した人はマザーハウスのファンになる傾向がある。

【ターゲティング】
マザーハウスのターゲットと聞くと「社会性に共感してくれる層」と考えやすいが、個人的にはそうではないと考えている。
というのも、自分がマザーハウスの社会性を知ったのはカバンを買った後だし、今も社会性よりも「デザイン」と「クオリティ」に惚れ込んで使い続けている。
では、どこの層をターゲットとしているのか?
思いつかないのでターゲットは無いんだと一旦考えます。
実際街を歩いていても私が持っているカバンを女性が背負っていたりしますし、店を見渡しても40代くらいの夫婦がいたり、若いカップルがいたりするので、あながち間違っていないと思っている。

【ポジショニング(差別化ポイントを表現)】
これを考えるのが一番ムズカシイ、、、。
いろいろ考えたが、「価格帯」と「ビジョン」の2軸で表現してみた。

スクリーンショット 2020-03-22 21.13.12

マザーハウスと同じセグメントにいるビジネスレザーファクトリーは友人が働いているので、個人的に取り上げておく。安さという面ではマザーハウスを超えている。

マザーハウスのポジショニングは、発展途上国の可能性を製品に落とし込んでいることから、マーケティング3.0の代表例として挙げられることもある。
しかし、消費者目線で考えたときに、一番重要なのはやはり「デザイン」と「クオリティ」であり、社会的ビジョンは組織やあくまで社会に対しての付加価値であると考えてしまう。もちろん素敵な会社だということは前提である。

次は「4P分析」

スクリーンショット 2020-03-22 22.45.27

【Product(商品)】
すでにご存知かと思うが、マザーハウスはかばんや革雑貨の他にレディースアパレルとジュエリーにまで事業領域を拡大している。
特筆すべきは、どのブランドも全く会社ビジョンからズレていないこと。
それぞれの発展途上国の地域に根ざした文化や素材を最大限いかした「デザイン」と「クオリティ」である。
流石に上記2ブランドは女性ターゲティングではあるが、自然と愛着が沸いてお店を見つけた時は「あ、マザーハウス だ!」と思ってしまう。その理由は、マザーハウス のブレない、人間のような温かみのような気がする。
そこまで狙っていたとしたら、さすがとしか言いようがないです、、。

【Price(価格)】
マザーハウスの価格は個人的にちょっと奮発して長く使いたいものを買うという印象である。かばんであれば3万〜5万、財布であれば1万〜2万といったところです。高級ブランドに比べるとだいぶ安価な部類だが、クオリティが高いのでコスパは最強と言えます。
無償でアフターケアをしてくれるのもとてもいい。そのブランドの商品を身につけてお店に入りたくなるのはマザーハウスくらいだな。

【Place(流通)】
マザーハウスの直営店は一般的なブランドとちょっとズレた場所にあると感じる。もちろん主要なターミナル駅の商業施設は抑えているが、谷中や吉祥寺、二子玉川、北千住など少し外した場所に点在している。
マザーハウスの出店戦略に対する私の見解としては、買い物デートスポット軸にしていると思っている。というのも、マザーハウスはメンズとレディース商品が同じ店内に置いてあり、カップルでフラッと入れる店内設計にしていると考えられるからである。

画像4

【Promotion(広告)】
調べてみると一番意外だったのはプロモーションで、広告は特定のターゲティングでのSNS広告のみらしい。
一番力を入れているのはオフラインイベントで、トークイベントやワークショップが月に10~20回も開催さているとのこと。ここでの交流が購入者をファンにし、口コミやリファラルに繋がっていると考えられる。
2017年に山口社長がカンブリア宮殿で取り上げられてからは、社会的スタートアップ企業という側面でPR記事も多く書かれており、会社スタートでの商品認知も拡大してきていると思われる。

成功要因まとめ

マザーハウスがここまで有名になり、街中でも3日に1回はマザーハウスユーザーを目にする機会が増えてきた成功要因はなんだろうか。
それはやはり「クオリティ」と「デザイン」であり、しかもそれが世界に通用するレベルのものであること。さらに発展途上国で生産されているという社会性が、購入から愛用、友人へのおすすめという拡散までのストーリーにその人の解釈や共感という色を加えていると思う。
それらは全て「途上国から世界に通用するブランドを作る」というビジョンに基づく商品や従業員、会社だから成し得ることだと思う。


私がマザーハウスのCMOだったら

マーケティングトレースでは、最後に自分がその会社のCMOだったらどう考え、どのような施策をするかを書くことになっている。
少しおこがましいが、私もマザーハウス のCMOだったらどうするかを考えてみた。

オンラインコミュニケーションを活性化させる。
これが今後マザーハウスが力を入れていくべき施策だと考える。
オンラインコミュニケーションとして一番最初に考えられるのは、やはりSNSである。
マザーハウスのSNSアカウントは現在(2020/4/12時点)、Instagramで1.3万人、Twitterで8,200人とまだまだ伸びる余地がある。
フォロワーを増やすことを目的とするべきではないが、SNSを活用した購入後のロイヤリティの向上(愛着)を促進し、他商品のリピート購入やプレゼント、友人への紹介に繋げることは非常に重要かつ長期的に見て大きなインパクトを生む。
マザーハウス は個人的に他のブランドと比較して、店頭社員のコミュニケーション能力とブランドへの愛が非常に強いと思う。
そのため、購入後の商品やブランドへの思い入れが強くなり、メンテナンスにまた来たいと思う人が多いと感じる。
だからこそ、メンテナンスというオフライン接点意外に、日常的な接点を作り店頭と同じ高いコミュニケーション能力をSNSで生かすことに他よりも価値がある。
アカウントの運営をどうこうしたほうがいいというのは、ここでは触れないが、商品やブランド、会社、途上国などまだまだ伝える価値があり、まだまだ伝わっていない魅力がたくさんあるということだけは強く言いたい。

まとめ

はじめてのマーケテイングトレースということで、気合が入ってしまって書き始めてから公開まで2週間も掛かってしまった。
書いてみて思うことは、マーケティングの筋トレという表現が非常にまとを得ているということと、アウトプットすることの楽しさを感じることができたということ。
やっぱりマーケティングは楽しい!
次からはもっとコンスタントに発信していきたいと思います。
そのためにも、日頃からマーケティング的視点を持って生活していこうと思います。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?