トランザクティブ・メモリーの価値を実感

トランザクティブ・メモリー(Transactive Memory)。以前から認知してたものの、腹落ちしてませんでした。というのも、

組織に属している各々が、暗黙知を形式知に変える
そして形式知が組織全体で共有されれば、組織力は上がる
人材の多様性があればあるほど、暗黙知→形式知の幅が広がり、さらに議論ができれば、知見が深まり、さらに組織力は上がる。

自分はそんな組織貢献をしたい。なんて、捉えていたからです。ところが、本棚に積読していた

を読み直して、トランザクティブ・メモリーの意味・意義を今さら認識しました。

組織の何を知っているかを組織の皆が知っている。What(=知)でなく、Who(=誰)を主語に、

Who knows what.

を組織を構成するメンバー全員でなくても、一部のメンバーさえ知っていれば、人から人への橋渡しができる。

例えば、Slackのパブリックチャンネルで、Aさんが疑問を投稿したら、チャンネルメンバーに解を持っている人がいなくても、

「ひょっとして、Bさんなら知見があるのでは?」

とチャンネルメンバーがBさんを@メンションしてしまえば(メールで言うところの To/Cc)、前に進みます。今働いている職場では、日常的に目にする光景で、自分自身も、まるで知らないチャンネルでメンションされることは珍しくありません。メンションされても面倒とは全く思わず、せっかく声をかけてもらったからには、役立つコメントをしなくては、なんて感じです。

Slack(or Teams, Google Chatなど)で、チャンネル外の人を気兼ねなくメンションできるかどうかは、めちゃくちゃ重要。当たり前と思える組織文化だと、日常的すぎで価値に気づきにくく(自分もその一人でした)、躊躇してしまう組織文化だと、@メンションなんて、発想すらできない行為です。

組織全員が、最低限の知識を身につけるのは努力さえすればできるけど、成果に直結する知識を身につけるは、手間暇掛かりハードルが高いです。
それよりも、Who knows whatの方が楽なはず。でも、部門間(チャンネル間)を超えた、風通しの良い(=Open)コミュニケーションの方が心理的な抵抗感があるとも聞きます。

心理的安全性という言葉が、以前より、見聞きする機会が増えてますが、セミナーのコンテンツや関連書式を読んでも、本質を捉えていないものが増えている気がしてなりません。
成果に繋げるためには、組織の壁なんてなくて当然、躊躇することなく助けを求められる。これこそが心理的安全性ありきの仕事の進め方だと思ってます。

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