魔改造の夜を観て、感動し、実践知を考える

昨夜、魔改造の夜の新作(NHK BS)、「ネコちゃん落下25m走」を観て感動しました。

魔改造の夜は、ざっくり言えば、社会人版ロボットコンテスト。今回の参加企業は、TOKYO R&D、IHI、Sonyと日本の産業を長年引っ張ってきた大企業。そして、各社の優秀なエンジニアが知識と経験を使って、ネコのオモチャを改造し、本気で戦う姿は、夏の甲子園に負けないぐらい感動しました。

番組内容を細かに語りませんが、今回の競技はざっくり言うと、

  1. 6m落下しても壊れない

  2. ゴールに向かって速く走る

の2点がポイント。世界記録を樹立し(初めての競技であれば当たり前体操)、優勝チームを見て感じたのは、アジャイル開発実践知

参加3チームには、1ヶ月(or 1ヶ月半?)という短期間でお題(=競技ルール)を与えられ、最高の改造をして、他社に勝たねばならない。しかも、NHKという公共の電波で社運を掛けて戦うというプレッシャーで。

そうなると、アイデア出しから、完成までは手探りで進めるしかなく、アジャイル開発で進めるしかない。

これ、ソフトウェア業界では浸透してきてますけど、ハードウェア業界では中々難しいです。特に大企業だと。どうしても線表引いて計画的にやろうとしてしまう(=ウォーターフォール。たいてい締切間際に過重労働)。また、優秀なエンジニアとはいえ、専門性からチョット外れたものをやろうとすると、思考停止になりやすい。

そこで重要となるのが、実践知。石橋叩きまくる机上の空論でなく、どんどんトライアンドエラーで、人を巻き込みまくって、成果を出す。野中郁次郎氏と竹内弘高氏が提唱したSECIモデルで語られている暗黙知→形式知→暗黙知→形式知→〜とぐるぐる回す、実践知です。

SECIモデル

プロジェクトメンバーがアイデアを出しながら、選択し、組み合わせ、試し、次から次へと出てくる課題を1つずつ解決しながら、短期間で完成させる。時には意見の衝突・対立が生じます。
これらを解決するには、チームビルディングが重要。当然、チームメンバー1人1人が力を発揮しつつ、リーダーがまとめ上げる。これが難しい。
社会人・企業人であると妙なプライドや互いの役割・立場を考えることもあり、チームメンバー同士が率直にものを言い、リーダー自身が信頼されることが不可欠だなぁ。と感じました。

今回参加された3社ともに、メチャクチャ凄い技術力がありましたが、チームの結束力と、チームが結束しやすい企業文化(=部門間の協力)のちょっとした違いが、勝敗を分けたのはでは?と思います。

負けたチームはかなりショックを受けたでしょうけど、他流試合で得た経験は、Unlearn/Re-skillingのきっかけ(専門バカからの脱却)として今後大きな成長につながるはず。

昨日の感動とSECIモデルで思考も巡らせ、明日から仕事頑張ろう。といい刺激が得られた夜でした。次回の放送も今から楽しみです。


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