直前期#やーせ問

消化管

①下剤

正解は減弱です。
・マグネシウム製剤は胃酸で活性型になるため、胃切除後やPPI投与で作用減弱です。
・腎排泄のため腎機能悪い高齢者では高Mgに注意が必要です。

②上腸間膜動脈症候群

正解は含むです。Vater乳頭とSMAの位置関係は以下の通り。

③アカラシア

正解は通過困難です。通過できます。
冷たいもので増悪します。
Ca拮抗薬はむしろ治療薬です。逆に、Ca拮抗薬はGERDのリスクであることも重要。
内視鏡治療可能です。POEMでググってください。

④胃食道逆流症(GERD)

増悪因子です。一方でアカラシアの治療薬です。

⑤好酸球性食道炎

正解は小腸病変です。詳細は上に書いています。
・EoEの定義上、小腸に病変があればそれはEoEではありません。
・好発は中年男性でアトピーに背景が多い。
・治療は無症状なら経過観察も可能ですが、まず行うならPPIです。これで半数近くは軽快します。

肝胆膵

①体質性黄疸

・体質性黄疸で最多なものはGilbertです。
治療が必要なのはCrigler-Najjarです。特にⅠ型は無治療だと核黄疸が必発なので光線療法を連日行います。また、思春期で特に核黄疸リスクが高くなるのでそれまでに肝移植を必要とします。

②インスリノーマ

正解は「血糖値は回復」です。
・インスリンの作用=グリコーゲン合成↑
・グルカゴンの作用=グリコーゲン分解↑
⇨正常ではグルカゴンを投与しても、肝臓でグリコーゲンは使い果たされているため血糖値は上がりませんが、インスリノーマでは肝グリコーゲンが保たれるため血糖値は上昇します。

循環器

①心膜ノック音

拡張早期です。114D41にて収縮性心膜炎の問題として「拡張早期過剰心音」と書かれています。

内分泌代謝

①Fabry病

正解は肝腫大を認める、カルバマゼピンです。

☆Fabry病
・リソソームの異常により脂質が蓄積するリピドーシスの1つです。
・遺伝形式はXRですが、女性でも多く見られます。
α-ガラクトシダーゼの欠損によってグロボトリアオシルセラミドが蓄積する疾患です。
・沈着する組織は血管平滑筋、心筋、糸球体、近位尿細管、後根神経根、自律神経の神経節
・症状:年齢によって異なります。
思春期⇨無汗症四肢末端の燃えるような痛み(運動やストレスで増悪)、温痛覚消失
思春期後半⇨被角血管腫(angiokeratoma)(腹部や陰嚢に好発する暗赤色丘疹)、毛細血管拡張
20〜30歳代⇨心筋症、不整脈、TIA、脳梗塞(ラクナ梗塞が多い)、蛋白尿、ネフローゼ 、腎不全
・治療:酵素補充療法が保険適応です。また、四肢の疼痛にはカルバマゼピンが有効です。

②HbA1c

正解は鉄欠乏性貧血です。
・鉄欠乏性貧血では赤血球寿命が伸びるため見かけ上高く出ます。
・他の選択肢では見かけ上低くなります。

③インスリン製剤

こちらにまとめています。

正解は注射前のアルコールです。
DKAでは超速効型インスリンの静注です。
・量は「単位(U)」です。1単位は0.01mLです。
・注射部位は変えます。同じ場所に投与しているとインスリンボールが形成され、吸収効率が落ちます。

正解は飛行機です。
・注射前に撹拌が必要なのは混合型と中間型です。
・注射部位は揉んではいけません(急速な吸収による低血糖リスク)
未開封は冷蔵、開封済みは常温です。

・30〜34Gの非常に細い針を使います。

④ビタミンA欠乏でBitot‘s spot

正解はビタミンAです。
・結膜上の泡沫状に見えるBitot’s Spotsが特徴的です。
・ビタミンA欠乏は夜盲症が有名ですが、他にも細胞性免疫低下とか皮膚の乾燥やドライアイなどがあります

腎臓

①MRHE(糖質コルチコイド反応性低ナトリウム血症)

正解は「治療は水制限」です。MRHEに水制限は禁忌。

参考:MRHE(糖質コルチコイド反応性低ナトリウム血症)
・SIADHと同様にADH↑、尿中Na排泄↑、低尿酸血症、低Na血症をきたす疾患です。
・加齢に伴うNa保持能低下に起因します。Naと水が体外に多く出るため脱水をきたします。
水制限は禁忌です(脱水が増悪)。治療はフルドロコルチゾン(フロリネフ)です。

免疫膠原病

①関節リウマチパルス

こちらに載せています。

②RS3PE症候群

正解は再発が多く予後不良です。

☆RS3PE
R:remitting=予後良好(関節破壊性なし)
S3:seronegative(リウマトイド因子陰性)、symmetrical(対称性)、 synovitis(滑膜炎)
PE:with pitting edema(圧痕性浮腫)
を特徴とします。
・好発は高齢者です。
・急性発症です。
悪性腫瘍の合併が多い
・赤沈などの炎症反応↑
RFや抗CCP抗体は陰性
・治療はステロイドです。

③SLEにヒドロキシクロロキン

正解は眼科です。網膜症のリスクのためフォローが必要です。

④IgG4関連疾患とシェーグレン

正解は女性に多いです。シェーグレンは女性に多く、IgG4RDは(部位によりますが)男性に多いです。
いずれもIgG高値、唾液腺腫脹、ステロイドを治療に使うという点は共通です。

⑤家族性地中海熱

正解はNSAID〜です。
・家族性地中海熱は新ガイドライン登場疾患です。
若年者の繰り返す発熱、関節炎、漿膜炎、腹痛などのエピソードが特徴的。
AAアミロイドーシスが死因になります。
・病態はMEFV遺伝子異常でインフラマソームが活性化、IL-1β分泌で炎症を起こすものです。
⇒インフラマソームを不活性化するコルヒチンや、カナキヌマブ(IL-1阻害薬)を使います。
・コルヒチンを使う目的は発作予防とアミロイドーシスなどの合併症予防

血液

①ワルファリン

正解はAPTTです。モニタリングはPT-INRです。

こちらにまとめています。

②血液製剤

2〜6℃です。
・115F38に(食中毒の問題だけど)エルシニアが出ているので注意です。
・エルシニアは低温環境で生きられる細菌で、2003年に輸血製剤に含まれてたために敗血症を起こし死亡した事例があります。
・赤血球製剤の有効期限が採血後21日であるとともに注意が必要です。
-20℃以下は新鮮凍結血漿の保存温度です。
20〜24℃は血小板の保存温度です。血小板は凝集しないように振盪保存します。

③輸血関連肺障害(TRALI)

正解は輸血後24時間以内です。
・心不全はTACOで、BNP上昇します。TRALIではBNPは上昇しません。
・TADは輸血後24時間以内の呼吸困難で、TRALI、TACO、アレルギーのいずれにも該当しないものです。

☆輸血の副作用
①急性反応:輸血後24時間以内の反応
・溶血:ABO不適合
・輸血関連急性肺障害(TRALI):非心原性肺水腫
・輸血関連循環過負荷(TACO):過剰負荷による心不全。BNP↑、血圧↑です。
・アレルギー:アナフィラキシーを起こすことも。
・細菌感染症:輸血製剤の細菌、エンドトキシンによる。
②遅発性反応:輸血後24時間以降の反応
・溶血:ABO以外の原因(不規則抗体など)
・GVHD:後述
・鉄過剰:後述
・ウイルス感染症:HBV、HCV、HIV、CMVなど。

④輸血製剤のラベルの色

正解はB型は緑色です。
輸血製剤のラベルの色は「秋、美白、オーシャンブルー、危ないピンク」です
A型:黄色
B型:白色
O型:青色
AB型:桃色

⑤鉄欠乏性貧血

正解は「静注が第一選択」です。第一選択は経口です。
・ただし副作用に消化器症状が多いため、経口での継続が困難が人は少なくありません。
・血清鉄は朝に高く夕方に低くなります。また、感染症や炎症があると低下します。
・鉄はヘム鉄と非ヘム鉄があり、肉に含まれているヘム鉄は、ほうれん草などに含まれる非ヘム鉄よりも吸収効率が良いです。

⑥真性赤血球増加症

正解は低下です(鉄需要が増えるため)

⑦ITP

経過観察です。
・ITPは急性型と慢性型に分けられます。
・急性型は小児に多くウイルス感染が先行するものが多いことが特徴です。
・急性型では自然軽快するものも多いため経過観察です。

⑧多発性骨髄腫

正解は自家です。115A60の選択肢に出ているため注意です。同種は治療成績が悪く一般的には多発性骨髄腫では行いません。

感染症

①抗ウイルス薬

レテルモビルが誤り。レテルモビルはCMVで、造血幹細胞移植時の予防で適応。
・バロキサビルは商品名ゾフルーザ。インフルです。単価回投与のメリットがありますが耐性の出現がデメリット。
ホスカルネットはCMVに使います。腎障害と電解質異常(低Caや低Mg)に注意。
・アメナメビルは帯状疱疹。腎機能が悪くても使えます

②発熱性好中球減少症(FN)

正解はセフェピムです。
・FNでは緑膿菌をカバーする抗菌薬を選びます。具体的にはセフェピム、ピペラシリン・タゾバクタム、カルバペネムなどです。
・セファゾリンが緑膿菌に無効という問題が114D6に出ています。緑膿菌に有効なセフェムは第3世代のセフタジジムと、第4世代のセフェピムです。

呼吸器

①気胸の胸部X線

正解は気胸です。上に凸の線が追えて、その上は透過性が亢進しています。

産婦人科

①子宮頸癌

正解は20歳以上です。
2年に1度です。問診、視診、内診、細胞診を行います。
・ちなみに乳癌は40歳以上で2年に1度、問診とマンモです。
・いずれも厚労省が指針を出し、市町村が実施。根拠法は健康増進法。

正解は「先進国に多い」です。
・子宮頸癌は喫煙率の高くワクチンの普及していない発展途上国で多いです。
日本では若年者に増加傾向です。
喫煙、HPV16、18がリスクです。

正解はコイロサイトーシスです。
細胞診では90%エタノール固定、パパニコロウ染色です。組織診ではホルマリン固定、HE染色です。
・koilocytosisは核周囲が明るく抜けておりHPV感染細胞の目印です。
細胞診では月経期間中には血液が混じり精度が下がるため非推奨です。

②妊娠高血圧症候群

正解は妊娠20週以前に〜です。
・妊娠高血圧症候群の分類は以下の通りです。

神経

①滑車神経麻痺

顎を引き健側です。
上斜筋が動かせないと眼位は外上方に行きます。
右眼を右上に持っていきながら前を見るためには、
顎を引く⇨視界を下へ
健側に傾く(顎を左側へ)⇨視界を左へ
動かします

②Wallenberg症候群とDejerine症候群

正解はPICA(後下小脳動脈)です。

正解は椎骨動脈です。椎骨動脈解離ではWallenberg症候群をおこしえます。

正解は前脊髄動脈です。
Dejerineは前脊髄動脈閉塞で、舌下神経核×、皮質脊髄路×、内側毛帯×のため、同側の舌麻痺、対側の錐体路と振動覚障害を認めます。

③Fisher症候群

正解は予後良好です。

④群発頭痛

誘発です。群発期の人は禁酒が必要です。112D72にて「大量飲酒して寝た後に頭痛」という症例が出ています。

⑤抗NMDA受容体抗体脳炎

正解は再発率5%以下です。
・卵巣奇形腫に合併することがあり、10代20代の若年女性に好発します。
・髄液中の抗体価は病勢を反映するため、髄液検査で経過を追います。
・治療はステロイドパルス、IVIgが第1選択。
・8割は元通りになりますが、10%ほどで後遺症(特に高次機能障害)を残します。
・再発率は高く、20%ほど。

小児科

①インフォームド・アセント

☆インフォームドアセント(informed assent)
・治療を行う小児本人に対して説明し、賛同(assent)を得ることです。
インフォームドコンセントは医療法に規定がありますが、アセントには法による規定はありません
⇨児の同意が得られない場合、処置ができないわけではありません。親の同意があれば可能です。

②発達パルス

こちらにまとめています。

救急、中毒

①三環系抗うつ薬中毒

抗コリン作用のために散瞳します。
他に散瞳する中毒といえばコカイン、LSD、覚醒剤があります。
オピオイドや抗精神病薬、有機リン中毒では縮瞳します。

重炭酸ナトリウムです。
・pH↑ほどTCAと血漿蛋白の結合が促進されて、フリーのTCA↓となります。
・TCAは心筋のNaチャネル阻害(QT延長が有名)が危険。Na補充で阻害効果↓を期待します。
⇨同様の理由からⅠa群やⅠc群の中毒にも重炭酸ナトリウムを使います。

②熱中症の輸液

生理食塩水です。血管内脱水を補正します。

耳鼻咽喉科

①唾液腺良性腫瘍

正解は「柔らかい」です。

②慢性中耳炎の治療

正解は鼓膜形成術です。
パッチテスト:穿孔部分を覆って聴力の改善があるかを確認します。
⇨聴力の改善があれば穿孔を治せば良く、改善のない場合は耳小骨の破壊等が難聴の原因に加わっています。
・治療:耳漏のドレナージ、洗浄、抗菌薬、鼓膜形成術(パッチテストで聴力改善がある場合)、鼓室形成術(パッチテストで聴力改善のない場合)です。

整形外科

①三角筋

正解は「腋窩神経支配」です。
・英語ではdeltoidです
C5神経根障害で筋力低下です
15度以上の肩関節の外転運動に必要です。

精神科

①refeeding症候群

カロリーは10kcal/kg/day から、絶食期間が長ければ5kcal/kg/dayから始めて徐々に増やします。

②むずむず脚症候群

正解は鉄です。
・脳内の鉄欠乏が背景かもと考えられています。ゆえに女性に多いのは関連付けて覚えられます。
・SSRIやTCAはむしろ増悪します。

皮膚科

①褥瘡

低いです。褥瘡対策チームや栄養サポートチームとか介入が手厚いことが背景にあります。

②Sturge-Weber症候群

遺伝ではありません。遺伝形式を選べという問題の外れ選択肢として113F23などいくつかに出ています。

公衆衛生

①結核菌の発見者

コッホです。

・北里柴三郎はペスト菌や破傷風菌の発見。
・パスツールは嫌気性菌の発見など(様々)
・ワクスマンは坑結核薬のストレプトマイシンの発見(なお…)です。

②入院診療計画書

正解は医療法です。

☆入院診療計画書
・ググれば出てきますが、書類は下図に示すようなものです。
医療法で規定されています。
入院から7日以内に作成します。
・患者への説明に用います。
⇨患者にとってわかりやすい表現を使います。
病名、症状、入院期間、検査や治療の計画や今後の方針が書かれます。

③臨床研究

正解は交絡です。他はできません。

こちらでまとめています。

④無医地区

正解は減少傾向です。
・無医地区の定義は「半径4kmの範囲に50人の集落」かつ「医療アクセスが困難」です。
・前者が人口減で減り、後者が交通整備などのアクセス改善で減り、結果として減少です。

⑤ケアマネジャー

正解は介護支援専門員です。
・ケアマネジャーは患者の依頼を受けケアプランを作成、関係機関との連絡調整を行います。地域包括支援センターに配属が義務付けられています。
・介護福祉士は介護指導、介護者支援を行います。日本ではケアワーカーとも呼ばれます。114C31でこのひっかけがあったため注意。
・介護計画作成士なんて用語はありません。

⑥ヘルスプロモーション

正解はヘルスプロモーションです。

その他

①英語(ベンゾジアゼピンの副作用)

amnesia(健忘)が正解です。
ataxiaは失調、aphasiaは失語、asterixisは羽ばたき振戦。

②尿道カテーテル留置

正解は④です。陰部洗浄は行いますが膀胱洗浄は行いません。
②は正しく、尿道損傷のリスクがあるため膨らませるタイミング注意が必要です。

③腰椎穿刺

正解は24Gです。22〜24Gのなるべく細い針を使ったほうが穿刺後頭痛のリスクが下がります。

④関節痛の鑑別

・急性の多関節炎の鑑別の1つにウイルス性関節炎があります。風疹やパルボ、HIVなどが原因になります。112A46でパルボが出ています。
・パルボウイルスによる関節炎は、症状としてSLE mimicなものがあり、dsDNA抗体や抗核抗体陽性、汎血球減少などを認めます。
・パルボによる関節炎は経過観察でよく、1ヶ月以内に多くが自然軽快します。
・ただし妊婦の感染では胎児水腫、流産の危険があり注意が必要です。

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