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直近の医師国家試験:公衆衛生

新ガイドライン予想問題は以下。

・暗記事項が多いため、過去3年分で紹介していない事項についてもまとめています。
出題が多いもの⇨「過去10年の問題」で直近10年分の内容を各項目の最後にまとめています。
出題が少ないもの⇨「過去の問題」で出たもの全てまとめています。
・常識があれば解ける問題、対策価値の無い項目は★をつけています。

臨床研究 ☆☆☆☆

・下記にまとめています。ここでの解説は最小限にします。

115E17
臨床研究におけるバイアスと交絡について誤っているのはどれか。
a 情報バイアスは対象者から情報を得る際に生じる。
b 選択バイアスは対象者の選択方法から生じる。
c 交絡因子は研究デザインにより調整できる。
d 交絡因子は原因と結果の両方に関連する。
e 情報バイアスは統計的手法で調整できる。

正解はeです。統計的手法で調整できるのは交絡です。

115F3
メタ分析〈メタアナリシス〉について正しいのはどれか。
a 異なる指標を統合することができる。
b 指標を統合することで標準誤差は大きくなる。
c 研究から抽出した指標を用いて統合指標を算出する。
d できるだけ多くの研究を選択して出版バイアスを防止する。
e 対象者をプールすることでデータを統合して再解析する研究である。

正解はcです。
a:統合するのは同一指標です。
b:統合するとn数が増え全体の傾向は一致するため標準偏差は小さくなります。
d:n数を増やしても出版バイアスは防止できません。防止のためにはfunnel plotを用います。
e:プール解析のことです。データ単位でまとめるのではなく、研究単位でまとめます。

114E22
糖尿病腎症による腎機能予後を観察研究で調査することにした。
アウトカムとして臨床的に最も重要なのはどれか。
a HbA1c
b 腎不全
c 蛋白尿
d 下腿浮腫
e 病理所見

正解はbです。追跡後の腎機能がどうなっているかが重要です。そこで腎不全に至っているか否かで判断します。

115B6
ランダム化比較試験〈RCT〉について正しいのはどれか。
a 内的妥当性が高い。
b 二重盲検を要件とする。
c 第1相臨床試験で用いられる。
d メタ分析〈メタアナリシス〉の一種である。
e 観察研究に比べて交絡因子の影響が大きい。

正解はaです。
・内的妥当性(internal validity)=その研究の中身が妥当であるか(バイアスや偶然誤差が制御されているか)です。RCTではランダム化することでバイアスや誤差を除くためエビデンスレベルも高いです。
b:必須ではありません。
c:第3です。
d:全く別物。
e:観察よりも交絡は制御されます。

114E17
ランダム化比較試験〈RCT〉について正しいのはどれか。
a 二重盲検は必須である。
b プラセボは現在では使用が禁止されている。
c ランダム割付は症例数を少なくするために行われる。
d 症例数の設定のためには治療効果の推定が必要である。
e Intention to treat〈ITT〉による解析は実際に行った治療に基づいて行われる。

正解はdです。推定を元に被験者を集めます。

112F11
ランダム化比較試験〈RCT〉の必須要件はどれか。
a 二重盲検
b プラセボの使用
c 参加者の無作為抽出
d エンドポイントの追跡
e intention to treat 〈ITT〉

正解はdです。

113F8
新しい薬剤Aの有効性を検証するためにランダム化比較試験〈RCT〉を行った。事前に行った症例数計算から得られた数の症例に対し、薬剤A又は標準治療薬をランダムに割り付けた。投薬は二重盲検で行い、死亡をエンドポイントにした研究期間終了後、生存曲線をKaplan-Meier法で作成し、intention to treat〈ITT〉による生存解析を行った。
手法と目的の組合せで正しいのはどれか。
a 症例数計算 ー 選択バイアスの防止
b ランダム割付 ー 再現性の向上
c 二重盲検 ー 情報バイアスの防止
d Kaplan-Meier法 ー 交絡因子の補正
e ITT ー 外的妥当性の担保

正解はcです。想起バイアスや測定バイアスなどの情報を得る際のバイアスを防ぎます。

112B10
介入研究はどれか。
a 横断研究
b コホート研究
c 症例対照研究
d ケースシリーズ研究
e ランダム化比較試験〈RCT〉

正解はeです。実際にランダム化して両群に介入(新薬とプラセボなど)を行います。

112E43 連問の一部
その後の経過:薬物療法とリハビリテーションによって順調に回復した。この患者に抗凝固薬を再開すべきかどうかについて文献検索を行うため、患者の問題を以下のように PICO で定式化した。
Patient(対象患者):高血圧症と心房細動とを合併した脳出血の女性
Intervention(介入):抗凝固薬内服再開
Comparison(対照):抗凝固薬内服中止
Outcome(結果): (ア)
(ア) に適さない項目はどれか。
a 出血の増加
b 心房細動の改善
c 生命予後の延長
d 入院機会の減少
e 脳梗塞発症率の低下

正解はcです。PICOは、対象者(P)を、比較して(IC)、どうなるか(O)を見るための定式化です。抗凝固薬を使うことで血栓リスク、出血リスクがどうなるか、生命予後はどうなるかを比較しますが、AFの改善効果は無いため比較はできません。

112F23
人口 10 万人の市で、65 歳以上の住民を対象に、運動習慣の実態を調査することになった。 市全体の実態を最も正確に反映する 65 歳以上の対象者の選び方はどれか。
a 住民基本台帳を用いて住民から無作為抽出する。
b 市内の運動施設をある時期に利用した住民全員を選択する。
c 乱数によって発生させた電話番号で連絡できた住民を選択する。
d インターネット調査会社に登録された住民モニターを選択する。
e 介護保険給付明細(レセプト)情報を用いて住民から無作為抽出する。

正解はaです。
b:運動している人しか引っかかりません。
c:電話のある人しか引っかかりません。
d:ネット環境のある人しか引っかかりません。
e:介護保険を受けている人しか引っかかりません。

人口静態統計、国勢調査 ☆☆☆

115F9
我が国の世帯構成について正しいのはどれか。
a 世帯数は増加傾向にある。
b 三世代世帯は単独世帯より多い。
c 単独世帯は核家族世帯より多い。
d 65 歳以上の者のみの世帯は全世帯の過半数を占める。
e 核家族世帯の中ではひとり親と未婚の子のみの世帯が最も多い。

正解はaです。核家族化が進み一人暮らしも増えているため、人口は減っているものの世帯数は増加傾向です。

eについては111B31にて「65歳以上の者のみの世帯は全世帯の約25%である」が正解選択肢に出ています。

世帯に関する調査は国民生活基礎調査で行われます。

ポイントは以下。

世帯数は増加傾向です。
核家族世帯>単独世帯>三世代世帯です。
高齢者世帯は増加傾向で28.7%
児童のいる世帯は減少傾向で21.7%

114C6
日本、アメリカ、イタリア、韓国およびフランスの合計特殊出生率の1990年から2018年までの推移を別に示す。
日本はどれか。

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正解は④です。日本の合計特殊出生率は一時期1.26まで下がりましたが、最近では1.4くらいまで回復しています。

114F29
2010年以降の我が国の人口構造について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 人口は男性の方が多い。
b 総人口は減少傾向である。
c 従属人口指数は減少傾向である。
d 年少人口の割合は減少傾向である。
e 老年人口の割合は40%を超えている。

正解はbdです。
a:人口は女性の方が多いです。
c:従属人口指数は(年少人口+老年人口) ÷ 生産年齢人口 です。65%ほどです。
e:超えてません(30%近く)

過去10年の問題

☆国勢調査の過去問 107E6
全数調査です。
・人口静態統計です(ある一時点の統計データです)。
5年に1度(前回は2020年)行われます。
自記式です。
外国人も対象です。
≪注≫人口動態統計の調査は保健所の業務です。同様に保健所は国勢調査は行いません。

☆人口構造の過去問 111B13、111B31、110E21、108B1、107B19、106B39
・総人口は1.2億人ほど。
・日本の年少人口(15歳未満)は13%ほど。
・日本の老年人口(65歳以上)は27%近くです。
・上記以外の年齢(15〜64)の人口を生産年齢人口と言い、60%ほど。
老年人口指数(老年人口/年少人口)は200%超えです。
65歳以上の者のみの世帯は全世帯の約25%
出生数<死亡数 です。ゆえに人口は減少傾向。
婚姻数は減少
従属人口指数は増加傾向

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