柔らかいアイデンティティ

自分とはなにものであるのか。それに対する答えが同一であるということがアイデンティティといえる。

変化の激しいとされる現代では、アイデンティティの形はより柔軟であるべきといえるだろう。柔軟とは具体的に言うと、多元的であり、可変的(流動的)ということである。この在り方が「柔らかいアイデンティティ」である。

多元的

多元的とは、その言葉の通り、自分の中には複数の自己が存在し、相手や状況に依存して変化するという考え方である。これは、自分が一気通貫していなければいけない、という強迫にも似た観念から脱却を許すものである。

可変的

可変的であるということは、その自己像がアップデートされる余地のあるものだということである。アイデンティティコントロール理論という概念によると、自己の振る舞いは、自己のアイデンティティによって行為され、その自己のアイデンティティは他者のフィードバックによって吟味/変化するということである。

可変的であるということを許容することは、自己の考え方はよりいい方向に変わり、過去と同じことを考え、過去に言った言葉と同じことを言う必要も行う必要もない、ということではないだろうか。ここには、変化を許容する姿勢が内在する。

こうした、多元的且つ流動的なアイデンティティを「柔らかいアイデンティティ」とし、自己を柔軟にストレスなく変化させていくことがこれからは大事といえるだろう。

※こうした考え方は、プロテウス的人間と呼ばれ、キャリアにおいても重視されています。


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