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『養生大意抄』- 江戸の養生書を読む 02

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多紀元悳(1732~1801)著の養生書で、全2巻。内容は医家向けではなく一般向けで、心、飲食、起居動作、性、鍼灸薬餌などの養生の要点がまとめられている。著者の多紀元悳(もとのり… もっと読む
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#正月

正月休みでかえって疲れがたまる人 - 養生大意抄13

1.正月休みでかえって疲れがたまる人今年もあと1週間をきり、長い正月休みがいよいよ始まる。正月は自由な時間がたっぷりできるので、好きなことをして、ゆっくり過ごす方も多いだろう。 ただ、ゆっくりと楽しく過ごすつもりが、正月にかえって疲れてしまうこともある。好きなことをして過ごせば、休息になりそうなものだが、楽しいことほど、ほどほどが難しく、疲労をかえりみずに続けてしまう。 今回紹介する一節は、休養と趣味について。 『養生大意抄』意訳 ○そもそも何をするのにも、節度というも

正月休み後の疲労感を解消、あえて年明けに大掃除をする- 養生大意抄14

1.寝正月による正月明けの疲労感寝正月という言葉があるように、休みの日にひたすら寝たり、家で大人しくしているというのも、悪くない過ごし方だと思う。ただ、安静に過ごしすぎているために、休暇の後に体調を崩す場合もある。今回紹介する『養生大意抄』の一節は、身体を動かさないことの害について。 『養生大意抄』意訳 『呂氏春秋』(りょししゅんじゅう)には「流水腐(くち)ず戸枢蠧(むしばま)ず」とある。 流水や戸枢は動いて止まらないものだ[1]。常に動いている物は腐らず、蝕まれないこと