政策の失敗に負けない自治体総合計画の作り方 その6; 風が吹けば桶屋が儲かる型ロジックモデルからの脱却;
その5 で事業は事務事業のチェックの仕方を確認しました。そのキモは事業を中心として、手段目的の関係をつくれるかどうかにかかっています。でもでも・・・・自治体の政策担当の方にお話をお伺いすると、典型的な悩みが登場します。この悩みを作っているのが、安易な「風が吹けば桶屋が儲かる」型ロジックモデルによる事業形成です。
ロジックモデルとは何かというと↓。下の事例はかっちり作ったものです。資源の配置から作っているパターンです。僕的にかっちりと作ることには反対ではありません。様々なファクト、比較データを用いて、議論の筋道を明確すること必要です。
※この記事の図表の出典はすべてこちら:内閣府委託「社会的インパクト評価の普及促進に係る調査」(PwCあらた有限責任監査法人)
昨今では、このモデルが政策形成(政策目標-施策目標-事務事業)を作るときのポイントと言われることがしばしばです。最近では、以下の本などが代表でしょうか。
これらの著作に共通するポイントは、事業を様々な資源を獲得することで立ち上げ、その長期的成果のステップを作るというものです。パッと聞くといいのです。自分の立ちのしている行動が肯定されているようで。しかし、このステップはヘタをすると(多くの場合)、「風が吹けば桶屋が儲かる」的になりがちです。
引用は↑から。
まあ、想像力を働かせれば、そうなるかとというところです。この手の議論に入っているかどうかのチェックポイントは二つです。
①何年後にそうなるのかです;参考とした、PwCあらた有限責任監査法人のモデルの「長期的結果」は何年後なのかはどうやったらわかるのかということです。そして、長期的結果の成果はどれくらいなのか、成果はどうやって事前に想定するのか?
②この事業だけすれば、成果はでるのか。一つのプログラムだけで達成するのか。単元的なモデルは妥当か。
この議論をする際には、最初にすべきは、やりたい事業手段-目的のロジックモデルではなく、なぜそうなったかの原因-結果のロジックです。つまり、長期的結果はハッピーエンドとバッドエンドの二つになります。多くの場合は原因は一つではありません。原因を引き起こしている主体は行政だけではないかもしれません。
このモデルが作ることができれば、次のステップが作れます。ロジックモデルが機能しなかったら、どんなことが想定できるのか。どんなトラブルが発生する可能性があるかです。少なくとも、類似事例などを学習すれば見えてくるはずです。見えないということは、勉強不足ということになるでしょう。
となるとはステップはこうなります。
①観察 多元型の原因結果ロジックモデルを構築する。データとファクトをたっぷりつめる。なぜそうなったかを検討する。何年かかかって状況が変化したかと確認します。
②その上で仮説を作っていきます。これが手段目的のロジックモデルを作っていきます。その上で、ブリッジを検討していきます。
というのがベースラインとなります。続きは次回(了)
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