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政策立案のきっかけ#1 与えられた前提を再構築するための仮説演繹法(アブダクション)

いろいろメディアが入ってきているので、一本化します。タイトルを「政策立案のきっかけ」とします。

改めての一回目は「アブダクション」。仮想演繹法といわれているヤツです。演繹法だとと、事前に与えれた命題の可否がメイン、個別の細かい事情についてはそこまで配慮が難しい。帰納法だと、新しい採用したサンプルから新しい法則を目指します。でも、とってきたサンプルに法則性は左右されます。この問題は、20世紀初頭から議論されてきました。そこで、登場したのは、アブダクション=仮説演繹法です。

ウィキでは、

演繹
演繹は「結論」を規定することを意味する。この推論は「規則」と「前提条件」を用いて「結論」を導くことである。例えば、「雨がふると芝生は湿る。雨がふっている。したがって、芝生は湿っている。」数学者は通常、この種の推論にかかわっている。
帰納
帰納は「規則」を規定することを意味する。この推論は「前提条件」の次に起こる「結論」の諸事例の一部から「規則」を学ぶことである。例えば、「これまで、雨がふるといつも芝生は湿ってきた。したがって、雨がふると芝生は湿る。」科学者は通常、この種の推論にかかわっている。
アブダクション(仮説形成)
アブダクション(仮説形成)は過去事象についての「前提条件」を推定することを意味する。この推論は現在確定される「結論」と「規則」を用いて「ある『前提条件』が『結論』を説明することができるだろう」ということを裏づけることである。例えば、「芝生が湿っている。雨がふると芝生が湿る。したがって、雨がふったに違いない。」歴史科学者や診断専門医、探偵は通常、この種の推論にかかわっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/アブダクション

なぜ、このことが政策立案で重要かというと・・・官公庁等が主導してきた政策立案の方向性は演繹的なものがほとんどでした。こんな感じ。(1)シンクタンクなどに委託し調査の実施(2)ある程度のモデル形成(3)指針という形で地方自治体にそれぞれ明示(4)助成金補助金報奨金などを使って計画策定・事業実施などを対象とした施策誘導の実施★この中にシンクタンクなどが入る場合もある(5)実施(ここに民間委託・官民連携などが入るケースもあり)・・・という流れが一般的かと。

ところが、問題は、この流れで上手くいけばいいのですが、行かないことが昨今増えだしていることです。つまり、国などが示してきた前提をよく砕き、自治体それぞれでの全体を再構築することが大事ということかと思います。どこにエラーがあったのか、どうしたら成果を得ることが出来るのかという。

そこで重要なのは、「芝生が湿っている。雨がふると芝生が湿る。したがって、雨がふったに違いない。」→しかし、雨がふらなかったとしたら、どんな追加の前提条件が潜んでいるんだろう。ということになります。そのためにどんな調査をするのか?それを受けてどんな実践をするのか?

代表的なものを二冊。アカデミックには前者、ビジネスベースでは後者かと。是非ご一読を。

(了)

ありがとうございます!