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色彩豊かなあいのうた

優しいあの子の左手が私をすり抜け地へと地へとおちていく
ふーっとあの子の指先から
透明でいて輝いているぼんやりとした光の粒がふってくる
そうして芝生のにおいを運ぶあの風に吹かれ上へ上へと舞い上がり
私の中へとびこんできた

これがあの子の魂なのだ
きっとそうだ、あの子の味だ

私にしみ込んだあの子の形は白く明るくとけてゆく
–––––青白い涙をもつつみこみ桃色の花を咲かせよう
–––––あの灰色の氷河を溶かしあたたかな春のかおりを運ぼう

あの子の優しさはどこまで届くのだろう
黒くひかるあの空も
月にうつるあの海も
星がおちるあの川も
どこまでも照らせたらいいのに

あの子の魂はしろく眩しくかがやく

どこまでも広がり続ける花畑に
あの子の息を吹きかけよう
かぼそくひかる炎が消えぬように
あの子の息を吹きかける

世界の命を呼応させ
あの子があかくもえている

命があかくもえている
命が、あかくもえている
命が、あかく、もえている

美しいこの世界はあかく煌めきもえている

私の声はきこえていますか
いつかこの声が届きますように


五月二十三日は私が詩をかきはじめた日です。先日、詩をかきはじめて一年を迎えました。まだまだ拙い面もありますが、よろしくお願いいたします(2022/05/24)

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