見出し画像

詩/滔々の城

夜の川べりに
乳白色の建物が浮かび上がる
外廊下の明かりは各階から滔々と溢れ出した蜂蜜
だからその建物は夜の巨大な蜂の巣だ
眠りのドアの奥一つ一つに
真っ白くなでらかな胴体を蠢かす蜂の子ら

ぎっしり詰まって蠢いている
金色の夢を見ながら
長い腹にも蕩けた蜜を満々と湛えながら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?