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80日目「ツナグを読んでみる」

おばんです!
今日は北の国からこんにちは!

今日は僕が好きな作家である辻村深月さんのツナグという小説を読んでみました。辻村さんの作品は学校のスクールカーストやなんともいえない闇の部分を描いたりするなかで読了後にはハッピエンドになって爽快感を得られたり、かと思えば深く考えさせられる方向にまとまったり、冷たい校舎の時は止まるの作品のようにその不思議な世界観にとどまらされてしまったり、とかなり丁寧な描写が繰り広げられています。そんな中でまだ読んでいなかったツナグ。こちらは亡くなった人に1晩だけ、しかも1人だけ会えるという約束で会わせてもらえるお話で、自信のないOLがファンであった有名人にお会おうとしたり、突然行方位不明になった恋人が生きているのか死んでいるのかを知りたいという人がきたりといろんな人の模様を見ることができます。1編だけ亡くなった人に会うことによって後悔の念が強まる人の話もあり、またそれも心をえぐられるようなお話だったので、読んでいてとてもつらい部分でした。本当に可能であるならば、亡くなった人に会える、というのは良いことだと勝手に思っていましたが、たしかにあったことでさらにマイナスの感情を引きずって生きてしまうこともあるだろうなと思うと、今のこのまま、死者とはどうしたって会えないという現実のままが正しいあり方なのかなと考えさせられます。
また、小説の中に死者を呼び出すなんて冒涜ではないかとその死者とをとりつぐ仲介人が悩むシーンがあります。これも本当にその職業があるんじゃないかと思えるぐらいの葛藤の描写です。死者の冒涜になってしまうかもしれないけど、死者に会うことで前に進める人がいるなら、とそのままその職務を続ける決意をするシーンは現実世界でも仕事と葛藤で悩んだときに思い出したい一節です。

死者との間をとりもち”ツナグ”。そして想いをも”ツナグ”という意味もこの作品のタイトルには込められている気がしました。

そんなわけで本日もお読みいただきましてありがとうございました!
にふぇーでーびる!
また明日!

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