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『真夏。休薬期間中。149日目』

『地面師たち』を観てから、アウトロー系の作品をよくみるようになった。
最近のアウトロー系の作品に限った事でもないのだけれど、不必要な濡場が多すぎるのではないか。と、思ったりしている。
映画業界のそのあたりの酷さは、様々な書籍や、インタビュー、裁判でも明らかになっている。

これでも、昔よりはマシなのだから驚く。そう考えると『北野映画』の
スマートさが際立つ。えっぐいシーンの連続ではあるものの、監督自身に照れがある。勿論、濡場はあるものの、品がある。観ているほうが許容できる範囲に収まっている。と、私は思う。これは、私が北野映画のファンであるからかも知れない。私の生涯ベスト1の作品は『ソナチネ』なのだ。総じて北野映画はカラッとしている。

『首』の加瀬亮のえっぐい信長にさえ、品があった。監督自身でも冗談めかして三池監督より品があるだろう。と、言ってもいた。北野監督のまわりには太鼓持ちばかりではないのだろう。たしか、水道橋博士などが、折を見て「師匠、お言葉ですが・・・」と、話しをするとも聴く。だから、一貫して、自身と映画の品質が保たれているのだろうと思う。

北野監督は90年代の作品を自ら壊している。「飽きた」とも言っている。90年代の延長線上に作品を創作し続けていれば、大巨匠が保証されていた。それをわかっていながら、破壊する。

でも、私は90年代の北野映画が好きだ。キタノブルーの世界に戻ってきてほしいと思っている。

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