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『本官パンパン剤二日目』

朝からキーボーがピリついている。
『キーボー』の機嫌が悪い訳ではない。キーボーは漫才師でもない。『ピリ冷』のパソコンのキーボードの事だ。『本官パンパン剤』の副作用は、まだそこにある。

昨日、薬剤師から『ソフトサンティア』で目を洗うかんじで一日、5回くらい点眼するよう指示があった。私の目はむっくむっくにむくんでいる。私の控えめな二重まぶたが消えている。
私は、もともとてごろな値段の『ソフさん』の愛用者でもある。愛情を込めて『さん』付けで呼んでいたほどだ。
「開封したら、10日で捨ててくださいね」とも言われた。それは守っていなかった。ソフさんごめん。ソフさんはデリケートなんだね。ソフさんは私の目と相性がいいから愛称までつけて一月くらい点眼していたよ。
因みに、点眼を怠ると涙が止まらなくなる『流涙』という副作用が起こるそうだ。鼻の骨にドリルで穴を空ける羽目になるとも言われた。薬剤師の話しぶりから言って『鼻ピアス』で済むような事ではないのは解った。
「一定数、鼻血がタら~と出る」、そんな副作用もあるという。
私は子どもの頃、朝起きたら枕が鼻血でまっ赤に染まっていることが度々あったので、鼻血には慣れているからこれは大丈夫だ。
そう、昨晩から鼻血ではないが、鼻水が止まらない。枕元はティッシュペーパーの山だ。花粉なのか、風邪なのか、本官パンパン剤の副作用なのか。

昨日から数回、指もつっている。バイクで走るときには特に気をつけなければならない。『グーパーグーパー運動』をしたほうがよさそうだ。グローブは1シーズン暖かめのものがいいだろう。グローブだけではない。防寒対策は念入りにしたほうが良さそうだ。

半年前に癌が見つかってから、8㎏体重が増えている。これをなんとかしなければと思っていたところで、肝臓へのがんの転移があった。1クールの本官パンパン剤の治療にも入った。これでダイエットをしたらどうなるのだろうか。私は十代の頃と比べて20㎏太っている。悩ましい。無理のない運動は推奨されている。本官パンパン剤の影響で体重が落ちたと疑われないように、上手く説明をしなければならない。


※ 私のすべてのエッセイは(たぶん)、造語意外はすべてノンフィクションで構成されています(そうだったと思う)。『本官パンパン剤』とは『抗がん剤』の事です。


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