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"カンちゃん"から見えた世界


舞台「Zip&Candy」千秋楽から早くも1週間。
私の中でこれからも生き続けていくであろうカン、という役柄を通して私がみた世界をここに残しておこうと思います。

カンはとにかく元気でハイテンションな妹。
普段の私とはかけ離れた思考の持ち主で、私自身がそのまま元気にハイテンションになってもなかなか追いつけないキャラクターでした。

劇中で「うんこでしょ」なんて言っちゃうもんね。

なんとかして役との溝を埋めねばとヒントを探してみつけたのは「学校へ行かせてやりたかった」という父ちゃんの歌詞。
小学校にもし行っていなかったとしたら6歳の頭…
推定年齢12歳くらいで?6歳の目と心を持った女の子。

そんな想像をして、みえた世界は普段とは全く違うもので
楽しいことをしたい、探したい!目に見えるもの一つ一つに心を奪われる、心が動く。
カンのまっすぐさや純粋さはここにあったのか、と感じました。

私にないものを沢山持っているキャラクターだったカン。
テンションの高さ、心の豊かさ、愛されること、甘えること。

何よりも私に足りなかったのは、甘えること。

ここ数年の私は
「1人でもしっかりしなきゃ、私がしっかりしなければ!」
そんなことばかりを考えてきて、
いつしか人に甘えるってどういうことだっけ?本音ってどこで言うもの?と
心に蓋をすることが多くなって。


責任感や、パフォーマンスを向上する上ではとても大切なことだったけれど、凝り固まってしまった心はなかなかほどけてはくれないもの。

2021年、中止になった去年は今よりも規制が厳しく、2020年で人との関係の作り方がリセットされてしまったかのようなコミュ障全開の私には難しいこと、できないことが多すぎたというのが今だからこそ言える裏話。

2022年、今年は少しずつカンパニーの皆さんともお話しできていつしかその場にいるのが楽しくなって。


家族役の皆さんには多大な迷惑をかけながらも、最後には別れるのが寂しくなってしまうくらい沢山の愛をもらいました。

千秋楽の日におりんちゃんが撮ってくれたなんかエモい写真

とにかく甘やかしてくれるにいちゃん。
バカバカばかり言うけど、なんだかんだ頼りになる父ちゃん
私の裏設定で「オイラは頭が足りない」と言う歌詞から実はバカと言われるのが嫌なんじゃないかと考えて、言われるたびにムッとしていた。笑
そして、いつもとにかくハイテンションで私もやらねば!と思わせてくれる無邪気な妹おりんカンちゃん。

私にはできないこともカンちゃんにはできてしまう。
私自身では言えなかったこともカンのテンションになるとサラッと言ってしまえる。そんなこともあって、なんだかおもしろいなぁと。


私自信がこの役柄に救われた気がする、そんな幸せを感じられたこの舞台期間。

自分が動けば景色が変わる、
自分が動けば世界は変わる。

劇中で何度となく歌ったこの言葉。
向き合うことが難しい、そんな時もある。だけど手を差し伸べてくれる、そんな人がいる時はもう少し自分の心に素直になって飛び込んでみることができたらその先に見える世界はきっと今よりも明るい、そう信じようと思えるそんな時間でした。