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その日の花を摘め

昨年の12月、私は39才になった。

40代まで、残り1年しかないということにどこか焦っているのか、

それともこの先の見えない日々の空気に疲れているのか、

気持ちの角っこがずっと晴れずにいる。


最近、仕事面において、少し残念なことが続いている。

理由はそれぞれに、それぞれで、色々だけど、

40代、この先、このままの道をずっと歩んでいていいのだろうか、

とふと考えてしまう時も増えた。


今日の福岡は暖かく、山下陽光さんのお宅で開催されていた「途中でやめる」の直売会へ遊びに行った。

庭に広げられたカラフルな服が、旗のように風に揺れて、振る舞いBBQの牡蠣のにおいも相まって、集まるお客さんも、笑顔だった。

私も、一着の春物のコートを買った。

そこには、一見乱雑にバラ柄の布がコラージュされ、「Carpe diem(カルペ・ディエム)」と水色の大きな刺繍が施されている。

「その日の花を摘め」

どこかそのたたずまいに、死の匂いが香り、ロマンチックなコートだと思った。


春がやってくる。






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