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解剖学を治療に活かす考え方(例)肩関節屈曲

今回は一つ

現場で使えるかもしれない考え方の共有を

肩関節を例に挙げて


肩関節について

肩関節は可動域の広い関節ですが

具体的にどれくらいの角度動いて

そのときにどの筋肉が働いているのか

肩関節を治療・介入するうえでも大切ですので

覚えていて欲しいのは前提としてみていきます。


当たり前の事ですが

上腕を前方に上げる動作

屈曲」や「挙上」といいます。


さらに上腕は

屈曲で0度~180度の可動域がありますよね。


では

肩関節の屈曲動作では

主にどの筋肉が作用しているのか?


肩関節屈曲作用の筋肉

主に

肩関節屈曲に作用する筋肉は

【三角筋の前部線維】【烏口腕筋】を使います。


解剖学の本などでは

【大胸筋の上部(鎖骨部)】

主動作筋に入っているものもあります。


逆に

【烏口腕筋】が補助筋に

入っているものもあったりします。


さらに

補助としての協力筋は

【三角筋の中部線維】【上腕二頭筋】などです。

【大胸筋の上部線維】【前鋸筋】などが入ってもいいかもしれません。


主動作筋にしても

協力筋・補助筋にしても

かなり曖昧にしていませんか??


もちろん

細かく覚えている方が良いですが

言葉で、文字で細かく覚えるのではなく

イメージとして、映像として、覚えておくと

普段日常の治療・介入に活かすことが可能になると思います。


筋肉のイメージ

先ほど

筋肉をイメージとして

映像として覚えておくと言いました。


それは

その筋肉の付着部を

イメージすることが1番です。

画像1

付着部なので

起始部と停止部のことです。


起始部と停止部を

イメージ出来たら

あとはその起始部と停止部を

近づけていくだけで作用が分かるからです


当たり前ですが

筋肉は収縮します


収縮する事で

運動が行われるので

それが主動作筋だろうが

協力筋・補助筋だろうが

筋肉が収縮している事には変わりがありません


肩関節の屈曲だと

当たり前なんですが

肩関節屈曲動作をしていると言われる筋肉は

全て肩関節屈曲作用をしていそうな付着をしています。


大胸筋の上部

鎖骨部を例にあげると

起始部は、鎖骨の内側です。

そして、停止部は、上腕骨の大結節稜。


写真の通りです。


まずはざっくりと付着を見てください。

この付着位置が近くと

肩関節は屈曲していくのはわかりますよね?

画像2


さらに付着部を見てください。

屈曲するだけでなく、そこから内側に入っていきそうじゃないですか?

画像3

ということは

肩関節屈曲動作だけでなく

内転動作や水平屈曲動作にも関係しているわけですよね。


普段の治療・介入に活かす考え方

ここまでとても当たり前な内容でしたが

これらを治療や介入に活かす僕なりの考え方を

お伝えして終わりにしたいと思います。


付着部から考えて

肩関節屈曲動作での

痛みや違和を訴える患者さんやクライアントさん


本当に屈曲動作だけに問題が起きていますか??


もし肩関節屈曲動作だけでなく

内転動作や水平屈曲動作にも疼痛や制限などがある場合には

大胸筋上部線維の鎖骨部、その起始部と停止部から考えて

大胸筋鎖骨部に問題があるのかなぁと考えることができると思います。


肩関節屈曲に制限が出ていたり

肩関節屈曲動作で疼痛が出ているからと言って

すぐに腱板損傷とか、ローテーターカフとか、五十肩・四十肩とか

安易にそちらから治療・介入しにいってはいませんか?


今あげたもので全てが治るわけではありません。

が、最初の方であげた筋肉は全て確認してみていますか?

確認しているのであれば、その筋肉を治療・介入していましたか?


治療は

決めつけることではなく

一つ一つ疑わしいことを排除していくことが

とても必要になることだと思っています。


なので

一つの考え方に固執してはいけないとも思っています


解剖学も使い方によっては

とても有意義なものになります


何気なく行っている日常の動作でも

どこの筋肉を使っているのかをきちんと理解して

それを考えて介入することで、治療の幅が広がっていきます。


肩関節屈曲動作に

問題がある方でなかなか症状の改善がみられない

そんな方がいらっしゃった場合には

普段みていない主動作筋や協力筋をみて

治療・介入してみてはどうでしょう?


つたない文章でしたが

お付き合いいただきありがとうございました!


また読んでください!

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