うわずみ

性格っていうのは、その人の「うわずみ」みたいなものなのではないか。と最近勝手に思っている。

根っから腐ってるとか言いたくなる人もこの世には確かに存在するんだろうけど、その「根」っていうのも、たかだか地下数十から数百メートルくらいのもので、地球の核とかその辺までは全然届いてない。

近くにいると嫌いになったりする。嫌いっていうのは強すぎる言い方だけれど、近ければ近いほど、関われば関わるほどそうとしか言いようのない気持ちが湧いて来ることがあるのだから仕方ない。性格と性格、エゴとエゴ、譲れない価値観のぶつかり合い。相手にとってもそうだろう。私が「嫌い」って思っている時は、向こうも私を大嫌いに違いない。

でもそれとは別に、誰にでも背景と呼ぶべき何かがあって、私は最近それを感じるようになった。その人が生きてきた背景。キャラクターを超えたところに存在しているもの。生まれてから今までの紆余曲折。前世っていうのがもしもあるならそっちの分も。そういうものを全部含んで、静かに背後に佇む何か。

どんなに順風満帆に見えたとしても、一度も泣いたことない人なんていないだろう。そう思うと可哀想になる。可愛そうになる。頑張ったんだな、この人も。とか余計なお世話だろうけど、そんなことを考える。ちょっとだけ。

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