新NISA~投資信託ここだけチェック~

どうも令です。

新NISAは成長投資枠、積立投資枠の2つに分かれていますが、積立投資が積立NISA対象商品しか適用対象でないのに対し、成長投資枠は幅広い投資信託、株式、ETF等を対象にしています。株式に疎い多くの方はおそらく投資信託を選ぶことになると思いますが、今回はその選び方、最低限チェックする(頭に入れておく)べき項目を紹介します。

1.そもそもどんな商品があるの?

世の中には実に6,000本近くの投資信託(公募投信、2023/11現在;投資信託協会データより)があります。その中から自分が投資するものを選ぶのは、大変ですね。
まず大前提として、投資信託は
「色々な資産(アセット)を組み合わせたミックスジュースのようなもの」と考えてください。
リンゴの割合が大きいものもあれば、ミカンの割合が大きいもの。ぶどうが入っているものもあれば、入っていないものもある。
こんなイメージです。
具体的には
国内株式
海外株式
国内債券
海外債券
国内不動産(REIT)
海外不動産(REIT)
国内複合
海外複合
等に分けられます。
複合というのは、株式や債券、不動産、更にはコモディティ(金など)とかが混じったものになります。

とりあえず個別の理解の前に、こういった分類があるのだ、ということを知っておいてくださいね。

2.選び方ポイントⅠ~リスク許容度~
運用商品である以上、どの商品にもリスク(元本割れリスク)はあります。それを踏まえた上で、リスクの大きさは商品によって異なります。
基本的に債券は株式と比べると値動きが小さく、それに比べ株式や不動産(REIT)は値動きが大きくハイリスクな資産となっています。
そして、基本的には投資の世界では分散投資が推奨されています。今後、マーケットが良くなるか悪くなるかは誰にも分かりません。そんな中で、悪くなっても大きく資金を失うことのないような資産構成にしておく必要があります。不況になると、一般的には株価は下落する一方、不況下では金利が低下しやすいため、債券価格は上昇(債券価格は金利上昇すると下落し、金利低下すると上昇する性質があります)します。つまり、株式と債券を持っておくと、不況時の株価下落を債券の価格上昇分でカバーしてくれる可能性が高いわけです。
そのような、株式や債券等を組み合わせたものがバランス型の投資信託になります。以上から、
ハイリスク:株式や不動産
ローリスク:債券
中間:複合型(バランス型とも言われます)
というイメージと思ってください。

3.選び方ポイントⅡ~為替要因~
先程、「債券は基本的にローリスク」と書きましたが、もう一つ考えておくべき事項があります。それは「為替要因」です。
国内の資産に100%投資する投資信託は為替の影響を受けませんが、一部・もしくは全部海外の資産に投資する投資信託は、為替の影響を受けます。
例えば米国の債券に投資する投資信託があったとします。
債券そのものの値動き(価値)が1%下がった一方、ドル/円が10%下がったとします。すると、投資信託全体の値動きとしては10%の為替の影響をモロに受けてしまうわけです。つまり、海外資産に投資する商品は為替変動分だけ値動きが大きくなるため、それだけでリスクが高くなる(もちろん円安に振れれば、リターンも大きくなる)という点は理解しておいてください。

ちなみに、これを避けるため、為替ヘッジ(為替の影響を一部受けないようにする(部分ヘッジ)、ほぼ完全に受けないようにする(フルヘッジ))している商品もあります。「米株は上がりそうだけど為替は円高になりそうだよな・・・」なんて時は、為替ヘッジしている、米株を投資対象とする投資信託を選ぶ、ということになります。しかし、ここでも注意点が1つあります。それは、
「ヘッジにはコストがかかる」
という点です。
仮に円安に振れたら、本来得られるはずだった為替差益を得ることが出来ず、コストだけかさむことになります。
為替が円安に振れるか円高に振れるか判断するのは難しいですが、「ヘッジという手段がある」「ヘッジするにはコストがかかる」という点は覚えておいてくださいね。

4.選び方ポイントⅢ~手数料~
手数料って、かからないに越したことはないですよね。
しかし、投資信託は運用を(運用方針に則って)任せる商品なので、少なからず手数料がかかります(当然ですが、一般的に自分で購入する株式やETFの方がコストは低いです。また、積立NISA専用商品は一般的な投資信託よりも低コストであることが多いです)。
では、どのくらいの手数料がかかっているか、どこで見れば良いのでしょうか。
まず、投資信託にかかる代表的な手数料は
①販売手数料
②信託報酬
です。①は購入するときに代金から差し引かれる手数料であり、分かりやすいですが、②の信託報酬は日々の運用の対価として払うもので、基準価額(投資信託の価額を表すもの)の値動きに混じってしまっています。
しかし、どのくらいかかっているかは我々も見ることが出来ます。そのためには「目論見書」というものを見ましょう。どの投資信託においても、証券会社は必ず「目論見書」を公開しており、ネット証券ならそのボタンが必ずどこかにあります。(店頭での場合は、社員さんに「目論見書が見たいです」と言いましょう)
そして、「ファンドの費用(名称は投資信託により多少異なる」という項目で、
「購入時手数料」
「信託報酬(大体合計が赤文字で示されていることが多いです)」
の2つをチェックします。
下図の投資信託の例では、
購入時手数料:かからない
信託報酬:年に0.09%ほどかかる
ということが分かります。

https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/0331118700000027.pdf

https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/3931106500000023.pdf

試しに2つの投資信託の目論見書を貼り付けてみました。

販売手数料:なし vs 3.3%
信託報酬:約0.09%/年 vs 約1.7%/年

手数料に雲泥の差があることが分かります。

どちらが良い悪いということではなく、これだけ手数料がかかるんだ、ということを理解しておくことが大事です。

そして、手数料がかかるのにはちゃんと理由があり、一般的には、
インデックスファンド(インデックス=指数。日経平均株価や米ダウ、S&P500等に投資するもの)は、例えば日経平均なら日経平均を構成する株式の構成割合で運用し、ほぼ日経平均と同じ値動きをするように運用するだけなのでシンプルであり、手数料も安いです。

それに対し、アクティブ型(特定の指数を「上回る」運用成績を目指す投資信託)や、複合型の投資信託で、その割合(株式や債券の比率など)をマーケットの状況に応じて変化させるものなどは仕組みが複雑になってくるため、その分コストも高くなる傾向にあります。

そこまで理解しておけば、十分かと思います!

5.運用成績

最後に、ここまで踏まえた上で運用成績を。「どうせなら上手くいっている投資信託を買いたい」と思う方も多いのではないでしょうか。

これまでの運用実績も必ず各社HPに公開されています。「1年リターン」「3年リターン」など。ただ、これでは他の商品より優れているか、分かりません。
そんな時に一つ見るならば、私は「シャープレシオ」をおススメします。

「シャープレシオ」は投資をあまりやったことのない方は聞きなれないかもしれませんが、
ざっくり言うと
「リスクに対しどれだけのパフォーマンスが得られたかを示す指標」
です。
うん、全然ざっくりしてませんね。笑

ハイリスクなら、当然パフォーマンスも良くなる可能性もあります。
ただし、運用される身からすれば、なるべく毎日の値動きが激しくなく、でも安定的にリターンを稼いで欲しいですよね。
それを評価するための指標だと思ってもらえると良いかと思います。

「シャープレシオ」も、おそらくほぼ全ての証券会社で公開しているかと思います。そして多くの場合、同じクラス(例えば国内株式投信なら、同じ国内株式投信たち)のシャープレシオの平均と比較し、選ぼうとしているその投資信託のシャープレシオがどうなのか、をグラフで表していることが多いかと思います(少なくともSBIはそうです)。平均と比べ高いシャープレシオとなっているならば、その投資信託は少ないリスクで高いリターンを稼いでいる、と言えるかと思います。

ちなみに、「目論見書」は絶対見た方がいいと述べましたが、「目論見書」以外に「運用報告書」もあります。こちらは、直近の運用成績、ただ単なる価額(基準価額)の変化だけでなく、その要因(株式や債券の変動要因でいくら動いた、為替の要因でいくら動いた、あと株式や債券の構成要素(この株式にどの割合で投資しているよ、等))が書かれています。最初は難しいかもしれませんが、運用結果そのものなので、是非理解できるようになると、更に投資が楽しくなるかと思います。

6.まとめ
以上、つらつらと書いてきましたが、6,000種類近くある投資信託から本当に自分にあったものを探していくのって、知れば知るほど細かく多岐に渡るんです。結婚みたいですね(笑)

でも、投資ってある意味「足を踏み入れて分かるもの」でもあると思うんです。

少額でもいいので運用してみて、日々の値動きを見てみる。
問題なのは「それが何故動いているのか分からない」ことであって、上記で書いた内容を参考にして、少しでもそれが分かるようになってもらえれば幸いです。

以上、投資信託の基本的なミカタについてでした!

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