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夏バテを防ぐ3つの方法|耳寄り健康講座17

 常磐病院の新村です。暑い日が続きますが、皆さん体調はいかがでしょうか。暑い野外で過ごしていると「エアコンが効いた室内で休みたい」と誰もが思うでしょう。ですが、急激な体温の乱高下は体調不良の原因にもなります。今回は、急激な体温の変化によって発生する「夏バテ」についてお話していきます。

 【夏バテとは?】

 皆さんも夏場に「食欲がない」、「疲れやすい」、「寝不足」などを経験したことは、一度くらいあるのではないでしょうか。これらの症状は「夏バテ」の代表的な例です。ではどうしてこのような症状が現れるのか? それは「自律神経の乱れ」が関係しています。自律神経には、昼間や活動しているときに活発になる「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」の2種類があります。この2つの神経のバランスが崩れると自律神経が持つ「体温調整機能」がうまく働かなくなり、その結果、体調が徐々に悪くなって「食欲がない」「疲れやすい」などの症状が現れてしまいます。

 【自律神経の乱れの原因】

 自律神経の乱れの主な原因は、暑さと冷えの急激な変化に身体(自律神経)が追いつかなくなってしまうという点です。近年、夏場のお天気ニュースで「40度を超える酷暑日」という言葉も耳にするようになりました。一方で、夏場でも薄い上着を羽織いつつエアコンが効いた部屋で仕事をしている方の姿も目にします。「暑すぎる、寒すぎる」といった温度の変化が、自律神経の不調に繋がってしまいます。

 また、夏場はたくさん汗をかくため、ミネラルが不足し筋肉の機能低下から体調不良になってしまいます。一方で、ミネラル等の栄養分の摂取や熱い体温を下げるために、冷えた飲み物を口にしますが、冷えた飲み物を摂取しすぎることで内蔵が冷やされ、消化不良でお腹を壊したり、疲れやすくなってしまいます。これらも夏バテの要因となります。

 【夏バテ対策】

 「夏バテ対策」の1点目は「室温を下げすぎない」ことです。エアコンが効いた部屋であれば、少しだけ室温を上げると身体への配慮に繋がります。また、女性は同年代の男性と比べて筋肉量が少ないなどの理由から「身体が冷えやすい」という特徴があります。例えば、女性も一緒に働く職場であれば、女性が過ごしやすい室温に合わせることで、身体にも優しい職場環境になると思います。節電に繋がる点も良いですね。

 2点目は「冷たい飲み物・食べ物を摂りすぎない」ということです。先程も申し上げましたが、冷たい飲食物を摂取しすぎると内蔵機能の低下を招きます。これにより体調不良を起こしてしまいますので、暑いからといって冷たいものばかり口にするのは要注意です。

 3点目は、「適度な運動」です。運動することで、自律神経が正しく働くようになり、食欲も戻り、軽い疲労感から安眠に繋がる、といったさまざまなメリットがあります。もちろん暑い日中は避け、涼しくなってきた夕方や朝方の時間帯、室内でのストレッチなども◎です。運動中・運動後は水分補給を忘れずにお願いします。

 温度管理も飲食物も運動も、過度にならない・無理をしないことが大切です。また、夏バテを軽んじることなく、体調不良を感じたら、かかりつけの医療機関を受診するようにしてください。

しんむら・ひろあき 1967年生まれ。富山大学医学部卒。専門は泌尿器科。2015年から現職。


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