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【尾松亮】廃炉の流儀

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おまつ・りょう 1978年生まれ。東大大学院人文社会系研究科修士課程修了。文科省長期留学生派遣制度でモスクワ大大学院留学。その後は通信社、シンクタンクでロシア・CIS地域、北東ア…
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#コラム

すり替わる「廃炉」の目的 ―【尾松亮】廃炉の流儀 連載21

(2021年12月号)  福島第一原発の廃炉に向けた工程を定めた「中長期ロードマップ」は最新版(…

曖昧になるデブリ取り出し終了時期 ―【尾松亮】廃炉の流儀 連載16

(2021年7月号より)  福島第一原発では来年2022年中の「デブリ取り出し開始」を目指して…

デブリ「取り出し後」の行方―【尾松亮】廃炉の流儀 連載15

(2021年6月号より)  福島第一原発では来年2022年中の「デブリ取り出し開始」を目指して…

「デブリ取り出し」崩れた前提条件―【尾松亮】廃炉の流儀 連載14

 福島第一原発では来年(2022年)の「デブリ取り出し開始」を目指している。  当初の「…

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「40年後廃炉終了」の由来を問う―【尾松亮】廃炉の流儀 連載13

(2021年4月号より)  福島第一原発の廃炉には「30~40年かかる」と言われ続けてきた。東電と…

「40年後廃炉終了」工程の由来を問う―【尾松亮】廃炉の流儀 連載12

 この3月で、福島第一原発事故から10年が経過しようとしている。原子炉内には燃料デブリが残…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載10-汚染水処分を住民が議論した先例

 福島第一原発でタンク貯蔵されている処理後の汚染水について、政府は海洋放出方針を早期決定する意向を表明した。周辺自治体や漁業者等を対象にした説明会で、政府は海洋放出を「より確実な方法」と説明してきた。しかし、誰の利益・権利を考えたときに海洋放出が「より確実」なのか、他の選択肢と比べて「より確実」と評価するプロセスに地域住民の参加機会をどの程度保証したのか、それが問われる。  同様に大量の汚染水処分が課題となったスリーマイル島原発事故(1979年)のケースでは、幅広い住民参加

【尾松亮】廃炉の流儀 連載9-廃炉中の防災体制、前もって議論を

 廃炉決定後の原発周辺地域で住民を守る地域防災体制はどうなるのだろうか。  2016年4…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載7-原発立地自治体を救う座礁資産法案

原発立地自治体を救う座礁資産法案  前回は、廃炉完了後も原発跡地に「使用済み燃料保管施設…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載6-「廃炉後」の地域を考える

「廃炉後」の地域を考える  ここに一枚の写真がある。これは1997年に閉鎖したメインヤン…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載5-変わる事業者と立地地域の関係

変わる事業者と立地地域の関係  2019年6月、ロシア中部スヴェルドロフスク州のザレチヌ…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載4-「廃炉時代」見越して緩和策の準備を

「廃炉時代」見越して緩和策の準備を  2019年11月で米国バーモントヤンキー原発(バーモ…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載3

廃炉完了まで40年は誰が決めるのか 「Holtec Decommissioning International(HDI)は今後…

【尾松亮】廃炉の流儀 連載2

地域住民が「もの申す」仕組みを   「独立安全審査の必要性について検討したのか? NASAではスペ ースシャトル事故の教訓から独立第三者機関による安全性審査を導入している」  現在廃炉中のピルグリム原発(マサチューセッツ州)の地元プリマス郡住民を代表して、シーン・ムーリン氏は原子力規制委員会(NRC)にそう訴えた。これは2020年2月24日に開催された「ピルグリム原発廃炉市民助言パネル」定例会合での発言である。  この日の会合では、ピルグリム原発の廃炉に際して用いられる