【尾松亮】廃炉の流儀 連載10-汚染水処分を住民が議論した先例
福島第一原発でタンク貯蔵されている処理後の汚染水について、政府は海洋放出方針を早期決定する意向を表明した。周辺自治体や漁業者等を対象にした説明会で、政府は海洋放出を「より確実な方法」と説明してきた。しかし、誰の利益・権利を考えたときに海洋放出が「より確実」なのか、他の選択肢と比べて「より確実」と評価するプロセスに地域住民の参加機会をどの程度保証したのか、それが問われる。
同様に大量の汚染水処分が課題となったスリーマイル島原発事故(1979年)のケースでは、幅広い住民参加