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【尾松亮】廃炉の流儀

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おまつ・りょう 1978年生まれ。東大大学院人文社会系研究科修士課程修了。文科省長期留学生派遣制度でモスクワ大大学院留学。その後は通信社、シンクタンクでロシア・CIS地域、北東ア… もっと読む
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記事一覧

太平洋でも汚染水海洋放出「規制条約」を定めるべき|【尾松亮】廃炉の流儀 連載47

 1月30日、国際原子力機関(IAEA)は福島第一原発の汚染水海洋放出後初めてのレビュー報…

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「燃料デブリ880㌧」の嘘|【尾松亮】廃炉の流儀 連載46

 福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料と内部の構造物が混じり合った「核燃料デブリ」は、1…

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私たちは法的な抵抗を十分にやってきたか|【尾松亮】廃炉の流儀 連載45

 昨年8月24日、福島第一原発からの処理後汚染水の海洋放出が始まった。「漁業関係者を含む関…

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汚染ゼロを目指す条約の知恵⑦|【尾松亮】廃炉の流儀 連載44

 OSPAR条約(1998年発効)は、放射性廃棄物の海洋放出ゼロを目指し、問題となる放射…

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汚染ゼロを目指す条約の知恵⑥|【尾松亮】廃炉の流儀 連載43

 英国北西部セラフィールドで1994年に核燃料再処理工場が運転を開始して以降、海洋汚染の…

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汚染ゼロを目指す条約の知恵⑤|【尾松亮】廃炉の流儀 連載42

 英国北西部セラフィールドで1994年に核燃料再処理工場が運転を開始して以降、海洋汚染の…

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処理水放出「国際基準に合致」は嘘だ|【尾松亮】廃炉の流儀 連載40

 「福島第一原発の処理水の安全性について検証を行ってきたIAEA =国際原子力機関のグロッシ事務局長は会見で、『国際的な基準に準拠している』と述べました」(2023年7月4日TBS)とのことだが。  これは嘘だ。この「包括報告書」の中でIAEA自身が、安全基準の一つである「正当化(Justification)」について評価を放棄したことを認めている。該当箇所を訳出する。  「ALPS処理水の海洋放出について対応する国際安全基準への適合性を評価するように日本政府からIAEA

汚染ゼロを目指す条約の知恵④|【尾松亮】廃炉の流儀 連載39

 英国北西部セラフィールドで、1994年に使用済燃料からプルトニウムとウランを分離するソ…

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汚染ゼロを目指す条約の知恵③|【尾松亮】廃炉の流儀 連載38

 英国北西部セラフィールドで、1994年に使用済燃料からプルトニウムとウランを分離するソ…

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汚染ゼロを目指す条約の知恵②|【尾松亮】廃炉の流儀 連載37

 英国北西部セラフィールドでは、1994年に使用済燃料からプルトニウムとウランを分離する…

月刊 政経東北
10か月前
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汚染ゼロを目指す条約の知恵①|【尾松亮】廃炉の流儀 連載36

 昨年7月、英国北西部セラフィールドのマグノックス再処理工場が使用済核燃料の再処理活動を…

月刊 政経東北
11か月前
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まず耐震性調査と安定化が必要―【尾松亮】廃炉の流儀 連載35

 東電は昨年5月17〜23日、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内に水中ロボットを入れ、原子…

〝地元発〟1Fモニュメント案の危険性―【尾松亮】廃炉の流儀 連載34

 もう一度、原子力規制委員会の更田豊志前委員長が提案した東京電力福島第一原発「デブリ取り…

デブリを固める案はIAEA原則に反する―【尾松亮】廃炉の流儀 連載33

 前回に引き続き、更田豊志前原子力規制委員長が提案した「デブリ取り出し断念案」の問題点を考えてみたい。9月28日、日本テレビのインタビューに答えた更田氏(同日に5年の任期を終えて原子力規制委員長を退任)は次のように述べている。「すべての放射性物質を取り出すとか、ゼロにするということは、技術的にはなかなか考えにくくて。できるだけ量を減らす努力はするけど、あとは現場をいったん固めてしまう、安定化させてしまうということは、現実的な選択肢なんだと思います」。  更田氏は以前から「燃