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松本油店(米子市両三柳)

 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年5月25日号より、松本油店をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。

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【事業所めぐり22】松本油店(米子市両三柳)


松本油店として、昭和4年にスタート。その後、徐々に規模を拡大、住宅設備㈱、システムズ㈱、電機㈱と各部門をそれぞれ独立させて現在に至っている。なかでも創業以来の中核母体である油店の業績はめざましいものがあり、50年に直営スタンドの米子産業道路給油所は全国優秀給油所の表彰を受けた。現在、直営6店を含めた20給油所を構成、松本グループの推進母体としての役割を果たしている。

また、セントラルヒーティングなどを中心とする松本住宅設備㈱は、空調・立体駐車場・防災・エレベーター・エスカレーター・調理場・プールなど一連のビル関連設備を手がけ、好調な業績をあげている。しかし、同グループを特徴づけているのは、なんといってもわが国コンピュータ—のトップメ—力ー富士通ファコムとの提携による松本システムズ㈱の存在であろう。

京都大学工学部出身という松本社長は「住宅設備・電機あるいはこのシステムズにしても、すべて油との関連です。今でこそ当たり前のようになっていよすが、ガソリンを給油するだけのスタンドというのではなくT・B・A(タイヤ・バッテリー・アクセサリー)サービスをユーザーに提供する、総合的な技術開発の必要を痛感した。いわゆるワンストップサービスですね。そのことから、現在の関連部門が生まれたといえます」と、この間の事情を説明する。

しかし、早くから現在の総合的なシステムサービスの重要性に着目したあたり、やはり工学部出身ならではの発想ともいえる。技術開発、技術の向上ということを常に優先する同社長の方針は、従業員教育という点にもよく表れている。同社スタンドマンのほとんどは自動車整備士をはじめとして高圧ガス作業主任、危険物取扱主任者といった国家試験を取得しており、そのキメの細かいサービスでユーザーの信頼を得ているという。

出光興産・出光佐三氏の「人間尊重の事業経営・事業の芸術化」という考え方にひかれたという同社長は、同社の基本理念を「社会に役立つ堅実な事業体として、社長以下全社員一致協力してそれぞれの個性を生かし、業務に誠心誠意努力する」ことに置く。また美しい郷土鳥取県を豊にするため、その目標に向かって、各人が生き甲斐を見い出せるような職場づくりに努力したいとも。

ともあれ、総売り上げ高35億円を誇る同グループのユニークな活動は業界注目の的である。(昭和52年5月25日号)


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