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【シリーズ】会社設立回顧録 3

※写真は鳥取市正蓮寺の旧本社(現在は米子市に移転)
※記事の内容は掲載時のものです。

2007年
旧プリモ系4社合併 ホンダ山陰中央(株)設立
「夢のある会社を目指す」

掲載:旬刊政経レポート2007年1月25日号


 鳥取県内の地場資本ホンダディーラー4社がこのほど合併し、1月1日に新会社「ホンダ山陰中央㈱(鳥取市正蓮寺105‐2、大場一男社長)」を設立した。屋号はホンダカーズ山陰中央。
 資本金は合併4社の資本を合わせた8000万円、規模は4社の前年度実績合算で売上50億円、販売台数は約2200台。従業員も全て引継ぎ150人となった。
 地場資本のディーラーが合併するという例は、ホンダ系販売会社では全国初で、自立的な再編事例として注目を集めている。


 このたび合併した4社は▽因幡ホンダ(鳥取市正蓮寺、大場一男社長)▽北陽ホンダ(米子市車尾、金口伸社長)▽伯耆ホンダ(伯耆町大殿、小村諦治社長)▽中央モータース(倉吉市上井、中本良寛社長)の、共に地場資本の旧プリモディーラー。
 新会社では、大場氏が代表取締役社長、金口氏が代表取締役副社長、小村氏が取締役専務、中本氏が取締役常務をそれぞれ務める。拠点も四社のものをそのまま引き継ぎ、鳥取全県を12の拠点で結ぶ、県内最大規模のディーラーとなった。


 景気低迷の長期化や少子高齢化などで、鳥取県はもとより、全国的に新車の市場は縮小傾向にある。ホンダでも05年末ごろから、国内販売の再編成による販売チャンネルの一本化を進めてきた。
そのような背景の中「生き残るための将来を見越した決断」と大場社長が言うように、規模の拡大による販売台数の拡大、経営基盤の強化、収益の向上に結びつけるのが狙いだ。
 「夢のある会社を作りたかった。収益を上げることで社員が将来に希望を持ち、お客様や地域に貢献できる会社を目指している」と大場社長は話す。

ホンダ山陰中央_大場一男社長

(ホンダ山陰中央(株)初代社長の大場一男氏・2007年撮影)


 合併までの道のりは決して平たんではなかった。06年2月から大場社長を中心に声をかけ始め、5月に合併協議会を設立した。
 実は、今回合併した4社は共に販売台数、規模、収益の面で問題のある会社ではなかった。また、新会社の役員は合併前の4社長のみで「各社のオーナーにとって、社長でなくなるということは相当な覚悟での決断だった」と振り返る。
 そのほか合併に伴う問題点も多かったというが、そんな中で合併までこぎつけたのは「夢のある会社を作ろう」という思いを、4社で共有できたことが大きい。
 税理士を交えて検討を進めた結果「適格合併」が可能だということが分かり、1日の新会社設立に至った。


 大場社長は「企業体が大きくなることで生まれるメリットを生かし、組織の効率化や人材育成、コンプライアンスの強化などに力を入れていきたい」としており、今後10年、20年先を見据えた『夢のある会社』を目指す。
 また、県内12拠点を生かし、新規を含め年間3000台、売上規模100億円を目指している。


※記事の内容は掲載時のもので、事業内容、所在地、代表者名など現在と内容が異なる場合がございます。

ホンダ山陰中央株式会社ホームページ

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