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不透明な清閑亭増設工事スキームの謎:誰が所有し、誰が費用負担し、誰が責任を負っているのか

小田原市の文化財である清閑亭における新たな増設工事が、地元住民と建築界の間で疑念を呼んでいます。このプロジェクトでは、JSフードシステムの関連会社であるタガワ建設工業社が施工を担当し、秋山設計社が設計を行っています。建築主には小田原市長守屋輝彦と明確に記載されていますが、このプロジェクトは市の公式な入札情報にも随意契約情報にも掲載されていないようです。
文化財に密接し、国指定史跡上への増築という、極めて慎重に扱われるべき工事です。建築主である小田原市と、設計者である秋山設計、工事施工者であるタガワ建設工業の間での契約関係は適切に行われていたのでしょうか。

清閑亭前に貼り出されていた建築基準法による確認済証

一般的には入札で受注業者が決まるはずなのですが、小田原市の工事入札の結果には見当たりません。

仮に随意契約だとしたら、地方自治法に従い公表されているはずなのですが、こちらにも見当たりません。

小田原市が入札や随意契約の公表を飛ばしてまで費用負担を行っていることは現実的でないため、おそらく所有権上は小田原市、費用負担はJSフードシステム社というスキームになっていると推察されます。
また、その結果として、脱炭素・景観・近隣への影響などを蔑ろにし、コスト削減を最優先にした建築になってしまったと考えています。
国指定史跡上の建造物で本当にそのようなスキームが可能なのか、契約終了後の撤去責任などは不明ですので調査を続けます。

仮に、JSフードシステム社が建設費用を負担したとされる中で、建築主としての最終的な責任は小田原市が負うことになります。しかし、撤去時の費用負担や、市がどの程度のデポジットを受け取っているのかについての詳細は明らかにされていません。このプロジェクトは、脱炭素や景観、近隣住民への配慮よりも、利回りを上げるためにローコストを最優先にした可能性が高いとされ、市の方針と民間企業の利益の間の潜在的な衝突を示唆しています。

(仮説が正しければ)ローコスト最優先で国指定史跡上に建築されてしまったと考えられる厨房

特に注目すべきは、公共のプロジェクトにおいて、一部の関係者のみが利益を享受している可能性を示唆しており、小田原市における行政の透明性と公平性に深刻な疑問を投げかけます。公共の資金と資源を管理するにあたっては、すべてのプロセスが公正で透明であるべきですが、このプロジェクトに関する情報の不透明性は、その原則に反しています。

本件は、小田原市がどのようにして民間企業との関係を管理し、市民の利益を最優先に考えるかという点において、重要な試金石となります。市民としては、プロジェクトの詳細について明確な説明を求め、市の行政が市民の声に耳を傾け、公共の利益を守るために透明性を確保することが急務であると言えるでしょう。

このプロジェクトに関わるすべての関係者には、その責任と義務を再認識し、公正かつ透明なプロセスを通じて市民の信頼を回復することが求められています。小田原市におけるこの増設工事のスキームは、行政の透明性と公正性を保証するための重要な機会となるべきです。

「清閑亭問題」は小田原市の守屋市長肝入と言われる文化財利活用プロジェクトに対して、自民党の地方政治でよく聞く「癒着」や「利益供与」の疑いを持ち、積極的な調査と情報発信を行っています。


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