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自分をもっと深く掘れ!

自分をもっと深く掘れ!/新渡戸稲造

作者:新渡戸稲造は、旧5000円札のデザインとなっていた人。だから、昭和生まれの人はすぐに名前を聞いて反応できるだろう。国際連盟事務次長を務めた人でもある。

この本とであったきっかけから話そう。
昔、この職場にもう務めている時。先輩の先生から読むことを薦められた。

「これ読むといいよ。ちょっと古臭い考えの部分もあるけどね。」

薦められた訳が今ならよくわかる。その訳はとても書けない。
きっと、自分がうまくいっていなかったのを、察知してくれたのだと思う。
その先生は、本に付箋をつける習慣のある先生だった。読んだ後に受け取った本にはびっしりと付箋付きで渡された。

たしかに、少し厳しく書かれている部分があるのは事実。

余談だが、「先輩から本を借りた場合、返す際には感想を添えて返すべきふぁ」という話を信じていた。ウソか本当の話かは知らない。むしろ、そうだった!という人は教えてほしい。だから、勧められたら感想を書かなければいけないプレッシャーがあった。これも昔の考えなのだろうか・・・!?

話は脱線し、違う本の紹介になるが「女性の品格」という本がある。この本もお薦めしたい本。むしろ、男性にこそ読んでほしい。品格を知るという上ではジェンダーに関わらず、どなたにもお薦め。

その男性版で「男性の品格」的な本なのが、この「自分をもっと深く掘れ!」だと思っている。

怒気がきざしてきたとき、眼を閉じてジッと考える。
〜中略〜
つまり、相手を馬鹿者扱いし、自分がこれを相手として怒るのは恥ずかしいと思うのである。

P.39「自分がもったいない」生き方はしない 

私も、どうしても怒りを伝えられずにそのような判断をしたことがある。
よく我慢できた、と自分で褒めてみたりもした。
夫婦喧嘩でこれを経験したことある人いませんか?

ただし、その後に著者はこのように述べている。

相当に効果があった。
だが、このような考え方を身につけはじめると、おいおい傲慢となり、人を見下し、軽蔑するようになり、人に対して怒るよりもかえってさらに悪い感情を養成するにいたることがあると思って、ついに中止した。

P.39「自分がもったいない」生き方はしない 

たしかに、これを続ければ、自分本位になり他者を理解せずに正当化しかねないと思った。ガツンと反省の念がくる。このように私はこの本を読んでいて、このハッとさせられることの繰り返しだった。

社会人にでている人が読むときは、覚悟を読まないとただひたすらに自分のプライドをへし折られて嫌気がさす可能性がある。もしくは、なんだこれ、古臭い考えだなーと一蹴して終わる。でも、私は前者でよかったと思っている。だって、自分の思い通りにならないことなんてたくさんあるから。

この本とうまく向き合う方法、それは、
・自分のモチベーションが高い時に読むこと
・自分の現在の生活において、心理的安全性が確保されていること
・何かを変えたくて仕方がない、もう人のせいにはしないぞ、と誓ったとき

に読むことがお薦め。でも、読んでいると自然と怒りが収まっていたりする。不思議と著者からの押し付け感はない。そして、少し古びた言葉の言い回しがちょっとかっこよく聞こえたりする。

ぜひ、この本を読んだ同世代の人と話してみたいです。

書いた人:TM


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