マガジンのカバー画像

変わりつつある世界〜パラダイムシフト〜

15
世界に起こっている変容・今起こっているパラダイムシフトについて触れた記事を集めたマガジン。
運営しているクリエイター

#気候変動

今起こっているパラダイムシフト

2013年の7月にFacebookで以下の文章を投稿した。  ”多くの人がすでに感じているように、私たちは歴史上の大きな転換期に差し掛かっている思う。歴史が証明しているように、それは決してスムーズに移行するようなものではない。日本の歴史の観点から見れば江戸時代から明治時代、もしくは、ルネッサンスのようなレベルの変化の始まりに私たちは身を置いているのではなかろうか。地動説が登場したことで、天動説が覆されたようなレベルのことが起きていると思う。何十年にもわたる変化になるだろう。

危機の時代にどのように生きて死んでいくか

アメリカの仏教哲学者で社会活動家のジョアンナ・メイシーの最新の対話(と言っても半年前に録画されたもの)を聴いた。 さらに悪化する気候危機や人類のモラルを目の当たりにして、彼女の中でも「希望」の意味が変わってきているみたい。 対話のハイライトとなっていたようなメッセージの一部分をかなりざっくり意訳・要約すると「(気候と文明の崩壊が止まることなく進んでいって、私たちが最後の世代になっていくかもしれない中での)希望は、時と空間を超えたつながりの中に自己を広げ、最後の一息までコン

ビル・ゲイツのグローバル・アジェンダ、そして、私たちがいかに彼の生命に対する戦争に抗することができるのか by ヴァンダナ・シヴァ

 この記事はインドの著名な環境活動家で科学哲学博士であるヴァンダナ・シヴァさんの近著「Oneness vs. the 1%」からの抜粋記事を訳したものです。  2015年3月、ビル・ゲイツはTEDトーク中にコロナウイルスの画像を見せ、それが現代における最大の大災害の姿であることを伝えました。生命への真の脅威は『ミサイルではなく、微生物だ』と彼は言ったのでした。5年後、コロナウイルスの大流行が津波のように地球上に押し寄せたとき、彼は戦争用語を復活させ、パンデミックを「世界大戦

産後うつから考える今求められている社会システムの変化

 産後うつによる自死は防げる。いや、もっと正確に言えば、産後うつそのものをなくすことが出来る。私たちが本気でそれを望み、腰を据えてそれに取り組むならば。  人類の長い歴史の中で近代・現代ほど、これほどまでにお母さん及び女性(性)が(特に精神的に)サポートを得ていない時代はないと思う。社会の中に異常の種が芽生え、それが長く続き勢力を伸ばし社会を覆うと、魔法が徐々にかけられるかのようにして、いつの間にかそれがその社会の”普通”になってしまう。現代社会におけるお母さんたちへの慢性

マザーアースからラバーアースへ

 先週末は、北杜市武川町でNPO法人アースマンシップによる「自然とつながる・森にあそぶ〜見抜く力を育てるために〜」というプログラムに参加してきた。通常は3泊で開催されるところ、その日程では来られない人も参加できるようにと初めて1泊で開催されたとのこと。長く滞在することで深まる学びも当然あるであろうが、1泊のプログラムを通してでも、今の自分に必要で、どこかで懐かしくも新しい学びが始まったように思った。どのような形であろうと本質的な学びは、自分の新たな可能性や忘れていた潜在性につ

ウィズ・コロナ時代の豊かさ再考

”私たちが平常に戻ることはないのです。少しも平常ではなかったのです。私たちのコロナ以前の生活は平常ではなく、強欲、不平等、極度の疲労、枯渇、抽出、分離、混乱、激怒、買いだめ、憎悪、欠乏を平常としてきたのです。友よ、私たちは元に戻ることを望むべきではないのです。私たちは新しい衣服を縫い合わせる機会を与えられているのです。人類と自然全てにぴったり合う衣服を。” ーソニア・ルネー・テイラー  ここ数ヶ月で世界の様子は大きく変わってしまった。そして、僕らは本当の豊かさとは何かを

思いを込めて踊るように生きること

 予想外の形で14年近く続いたアメリカ生活は終わった。結果的に、ほとんどアウトプットせずに、ひたすらインプットと自分の癒し、自己変容に取り組んで、そのついでに学生と仕事をしていたような海外生活だった。マイケル・ジャクソンのMan in the Mirrorみたいに、社会や世界が変わるにはまずは自分が変わっていかないといけないという思いで。そのある種の修行的生活はかなり大変だったけれど、たくさんの実りもあった。  一つ言えるのは、これはやらなくてはいけないんだと直感的に分かっ

静かなる変革のすゝめ

 若者たちの行動を契機に世界中で気候危機への意識が高まり、昨秋には世界中で大規模な気候マーチが行われた。2011年のNYでの「ウォール街を占拠せよ」や香港でのデモもそうだが、支配者層が苦しんでいる民衆に助けを差し伸べなかったり、上からの抑圧が強まった時に、動的なアクションや革命は止むにやまれない一つの大事な手段なのだろう。しかし、私は動的な革命もさることながら、継続しやすく心にジワジワと染み渡る「静かなる変革」こそがより有効な手段なのではないかと思っている。そして、それは本来

陽の照りながら雪の降る

私たちはここまで速く歩き過ぎてしまい、心を置き去りにして来てしまった。心がこの場所に追いつくまで、私たちはしばらくここで待っているのです。 ーシェルパの言葉 星野道夫 「旅をする木」より    四季に例えるならば、過去2千年ほど、特に産業革命からの時代は「夏」を最大化し、「冬」を最小化する流れだったと言っていいかもしれない。夏を最大化することで、私たちは様々な発見をし、科学やITの発展を手にすることが出来た。しかし、同時に核兵器や現在の環境問題を含め、人間社会に新たな問題が

私たちが幸せになりにくい現代社会のからくり

しばらく前にダライラマ法王が人類について最も驚くことはなんですかという質問をされた時の答え 「人です。なぜなら、彼はお金を稼ぐために健康を犠牲にします。そして、彼はお金を犠牲にして健康を回復させようとします。それから、彼は未来のことを不安に思うあまり、現在を楽しんでいません。結果的に、彼は現在にも未来にも生きていないのです。彼はまるで死ぬことがないように生きて、生きたことがなかったかのように死んでいくのです。」  人が幸せになるためには満たされていなければならない。何にどの