下弦の月

テーマ：月と狼
※chaoさんの企画に参加させていただいた作品となります。
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https://twitter.com/chao_s_writer/status/1682411434913976320

【作品形式】朗読・1人読み
【男性：女性：不問】0：0：1
【登場人物】読み手
【文字数】360字
【目安時間】約2分

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声が聞こえた

悲しみ
苦しみ
怒り

様々な感情が交差し
混沌とした心になり
咆哮や慟哭として
表出されていた

君に一体
何があったというのか……

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オレは怒っていた

オレは……
何をしていたっ！
その時……
オレは……
何をしていたんだっ！

戻れない
戻せない
戻したい

何と無力なことか
どれだけ強かろうと
どれだけ賢かろうと
どれだけ名があろうと
……あなたを取り戻すことはできないのだ

抑えることなどできようか
叫ばずにいられようか

あなたを失い
己の無力さを思い知らされ
オレは……
オレの意味は……
どこにあるのか……

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満たされていた月が
半分になってしまった

一つだったものが
無理やり引きはがされた

己の片割れが存在しなくなるという
圧倒的な喪失感

この空虚を

埋めることは叶わない

その時はもう来ない

あなたと過ごす日々

あの想い出を己の心に秘め

最後の力を振り絞り

すべてを終わらせよう

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