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刹那い季節

【作品形式】朗読・1人読み
【男性:女性:不問】0:0:1
【登場人物】読み手
【文字数】413字
【目安時間】約4分


まだ肌寒い夜
コートの胸襟部分を左手で掴み
考え事をしながら歩いていた

落ち着かない
気持ちの整理がつかない
自分の今抱いているこの気持ちは
一体何なのか

本当はわかっている
けれど
認めたくない
そして
認めてはいけない
そんな気がしていた

あなたと一緒に
語ったり
食事をしたり
出かけたりしたね

楽しかったな
本当に楽しかった
でもね
もう耐えられなかった
怖かったんだ
終わってしまうことが

だから
私から終わらせることにした
ごめんね勝手で

あなたの心が
私にあろうとなかろうと
もう決めたんだ

あなたと過ごした時間
私にとって
大切な時間でした

ごめんなさい
私はあなたの中にもういないでしょう?

それでも

私の人生の中に
少しでも
ほんの一瞬
刹那でも時を重ねてくれて
ありがとう

あなたの幸せを
静かに秘かに願っています

歩きながら思い巡らしていたら
冷たい風がそっと吹いて
私の頬につたう雫の存在を知らせた
あぁ
まだ心が追いついていない
でも
この決意は変えない

さようなら
またどこかで
笑顔で会えるといいね


ミクロマコさんの【🌸春のBGM朗読企画🌸】に参加させていただき,書きおろした作品です。
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ミクロマコさん,素敵な企画にご参加させていただき,ありがとうございました!🐼rz

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