運用レポート2020.6.20
週間為替市況】
寄付きは穏やかだったが、東京市場のスタートと共に株が売られドル円も売られた。
一時106円台まで突っ込んだ。
とことろが、夜間になるとFRBがセカンダリー・マーケットコーポレート・クレジット・ファシリティ(SMCCF)を通じて企業の社債買取を開始すると発表され株価の持ち直しと共にドル円も持ち直したが、このFRBの発表を受け市場はリスクオンになりユーロやポンドも買われたため、それがドルの重しになりドル円の持ち直しは限定的となった。
翌火曜日、相場は短時間で上下運動を繰り返した。
値幅は然程では無かったが、中々忙しい一日となった。
前日の流れを汲み相場はリスクオンスタート。
また、日銀が金融政策決定会合で「コロナ対応特別プログラムを110兆円に拡大」と発表され、ドル円は瞬間30pips程上昇。これが週間の高値(107.60円台)となった。
米政権が1兆㌦に及ぶインフラ支出を検討していると報じられると若干押し込んでいた株が買われた。
また、米小売売上高が過去最高の伸び率(前回-16.4% 今回+17.7%と約34%増)だった事を受け瞬間株もドルも買われた。
ところが直後に米フロリダ州など複数の州で新型コロナウイルスの感染拡大や中国の北京市で当局が警戒レベルを2級に引き上げた事を受け株価は失速。ドル円も売られた。
この日のドル円の値幅は約40pipsだったが、安値付近と高値付近を2往復するというレンジ相場となった。
水曜日。
この日は日中こそ米中対話継続という報道を受け株価も堅調だったが、夜間にはいると一転リスクオフの流れとなった。
米テキサス州で新型コロナウイルス感染の入院患者が11%の急増と報じられると、高値を模索していた株価が失速。ドル円も再び106円台へ
NYタイムにパウエル議長が米下院金融サービス委員会で
「米国にとってマイナス金利は適切でない」
「イールドカーブコントロールについては未だ決断していない」
と発言。
市場は追加緩和を期待しているだけに、期待が外れ株価もドル円も更に下値を掘り下げた。
この、経済再開と各国の経済金融対策対、感染第2波という綱引きの構図を印象付けた一日となった。
翌木曜日
株価もドル円は方向感無し。
米カリフォルニア州の新型コロナウイルス感染者数が過去最大の伸びを記録。
また、米新規失業保険申請数が予想を上回り(予想130万件 結果150万件)、株価は弱含んだが、連銀総裁等の発言が相次ぎ追加緩和期待から下値も限定的となった。
また、この日は英中央銀行金融政策委員会(MPC)が政策金利を現行の0.1%に据置
ポンドは瞬間買われたが即座に下落。
ユーロも連れ安となり結果としてドルの下値も限定的となった。
今週はドル円と株価の相関性が戻ってきた印象がある。
そして昨日
アジア時間は各市場堅調だったが、欧州時間になると荒れだした。
EU首脳陣によるテレビ会議が行われたが、期待された新型コロナウイルス感染拡大に対する復興基金への合意が先送りされ、合意期待で買われたユーロが欧州の経済復興が遅れる警戒感から失速すると、同時に株価も下げ始めた。
EU首脳会議、コロナ復興基金巡り物別れ 主張の隔たりに焦りも-ロイター
https://jp.reuters.com/article/eu-summit-idJPKBN23Q2YY
更に、米カリフォルニア州など複数の州で一日の新型コロナウイルスの感染者数が過去最大を記録
アップル社は再閉鎖を行うこととなった。
アップル、米国で一部店舗を再閉鎖-新型コロナ感染例の急増受け -Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-19/QC6MAXT0G1KZ01?srnd=cojp-v2
また、この消費低迷警戒には原油市場も素早く反応。
直近高値を試していたが敢無く失速。
US Crude Oil CFD日足
一部の株価指数同様、コロナショック前の水準手前で失速した
株価も週末のポジション調整と相まって大きく売られた。
ドル円はリスク回避の円買い&ドル買いの綱引きの中にあり約30pipsという狭いレンジに終始した。
リスクオフムードが市場を覆い引けた。
来週以降もこの「感染第2波」と「経済対策」というファンダメンタル要因に大きく振られる相場が予想される。
【取引レポート】
先週のレポートでレジサポ逆張り戦略とGoldロングとした。
結論、大当たりという一週間となった。
ただ、Goldは昨日を置いては方向感が無く非常にイライラさせられた
Spot Gold一時間足
毎時間長いヒゲを出しスプレッドも広かった
その為、資金効率を考え木曜日に撤退
やっぱり…
そうすると上げるもんだ…
他は主にEURとGBPを主戦場とした
EURUSDリテール売買動向
値段の下落と共にロングが日々増加していた
GBPUSDリテール売買動向
こちらもEURUSD同様ロングが増加、昨日に関しては買い転してしまった。
昨日の大幅続落は偶然ではないだろう。
また、昨日直近高値付近の原油価格を横目にAUDをショート
ドンピシャのタイミングで売り浴びせた
AUDUSDとUS Crude Oil一時間足
原則日計りに拘り、マネーマネジメントを徹底。
来週以降、欧州通貨がピークを打つかどうか見極めたい。
【来週からの戦略】
やはりリスクオフポジションに偏らざるを得ないだろう。
また、アジア時間に安易なエントリーは避けたい。
欧州時間の押目や戻りを狙っての参入を心掛けたい。
CFTC円先物投機筋NOP(円先物のため売買反転)
USDJPYリテール売買動向
ロング増加傾向
ドル円は目先弱そうだが、前述している様に「リスク回避の円買い&ドル買い」で綱引きが行われている
下方向だろうが、ゆるーい下げになると予測している。
すっぽ抜けるにはどちらかに大きなインパクトが必要だろう
CFTC NYダウ先物投機筋NOP
NYダウCFD日足
こちらのレポートで度々触れているが、再度おさらいCFTC(全米先物協会)のNOP(ネットオープンポジション)は当週火曜日までのポジションを金曜日の深夜(日本時間)に発表する。
火曜日時点で大きくショートに側向いていた、その後の下落でこのショートが減っていれば更なる深堀となるだろう。
投機筋の売りのピークが過ぎたかどうか見極めたい。
また気になるのが昨日発表されたシカゴの円建て日経225先物の残ポジション
たったの84枚しかNOPが無い
スカスカという事は動き出したらこちらは早いだろう
因みに先週発表時は6750枚の買い越しだった
CFTC金先物投機筋NOP
ロングが増加
Spot Gold日足
こちらもドル円同様動き難そうだったが、昨日鬼レンジをブレイク
目先の課題は1765㌦を抜けるかだが、まだ若干揉むだろう。
抜けたら早い気がする。
昨日のプライスアクションを見る限りシッカリ流動性が戻っていたのでブレイクを期待したい。
また、前出しているが欧州兄弟EURUSDとGBPUSDは底を打ったとは言えない
先週半ばまでの堅調具合は、こちらも前出しているが新型コロナウイルス感染へ対応を目的とした復興基金設立が大きく影響している。
メルケル独首相がEU首脳に復興基金合意促す-史上最大の経済的難題 -Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-19/QC72QJT1UM1401?srnd=cojp-v2
思ったより事態は深刻な様だ、対面式の会合は来月の様で、早くても復興基金設立合意は来月以降になりそうだ、また英国も期限内のEU離脱を改めてコミットしており欧州の混乱は続きそうである。
EURUSD日足
コロナショックの高値安値(結果として年初来)のフィボナッチでは辛うじて61.8%で踏みとどまっている。
ここを割ると200日移動平均線チャレンジという可能性が高い
目先の売買動向を見る限りは弱そうである。
従って来週は、
EURとGBPはEURUSDが61.8%を抜けてリテールのロングがこのままならショート
下ヒゲ陽線を出すまで底を見極め
Goldは押目買い、できれば1720㌦台で拾いたい
株価指数、特に日経平均はスカスカのため動いた方に着いて行く
という戦略で行きたいと思います。
今週もお疲れ様でした。
来週もよろしくお願いいたします。
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