週間運用レポート 2020.8.8
週間為替市況
寄り付きは穏やかだった。
東京仲値では先週の流れを汲みドル買いとなりドル円は一時 106.40 円台まで上昇
欧州時間には EUR が買われたかとによりドルに押しが入ったが、NY タイムに入ると与野党の溝が懸念されている米経済対策案が紆余曲折あるものの最終的には妥結するだろうとの期待から株が買われドルも買われた 更にマイクロソフトが中国系動画投稿アプリの「Tiktok」の米国事業の買収交渉を進めているとの報道があり、同社の株は大きく買われ各指数の押し上げ材料になり、株価は更に伸びた
マイクロソフトなど、TikTokの米部門取得で交渉=関係筋 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-tiktok-bytedance-trump-idJPKCN24W339
また、日本のセブン&アイホールディングスが米コンビニエンスストア買収案件の報道を受けドル買い円買いフローも散見され、ドル円は一時日中付けた日通し高値の 106.40 円台を更新。
この日の高値がドル円の週間高値となった。株高、ドル高というリスクオンの一日となった
翌火曜日
一転この日はドル売りとなった
アジア&欧州時間は米追加経済対策の先行き不透明感から株価は軟調。
NY タイムに入ると原油価格が急騰。
それに伴い株価が上昇しリスク回避のドル買いが後退。
106 円台には本邦実需筋の円買いフローが多数あり、106 円台に定着することが難しい一日となった。この日の注目は Gold だろう
史上最高値となるとうとう 2000 ドルを突破。
代替資産の代名詞である Gold はこの資産バブルの中で一際大きな存在になっている
水 曜 日 ドル続落
寄り付き直後にトランプ大統領が「雇用に関し、金曜日には大きな数字が出る」と週末の雇用統計の上振れを示唆した発言と新型コロナウイルスのワクチン開発の報道があり、日中株が買われた。
それに伴いリスク回避のドル買い後退
ところが NY タイムに発表されたプレ雇用統計である、ADP 全米雇用報告がトランプ大統領の発言に反し、予想
120 万人増のところ、結果 16.7 万人増という散々たる結果にドルは売られたが株価への影響は限定的。
ドル円は一時 105.30 円台まで下落。更に相場は一喜一憂する。
その後発表された ISM 非製造業指数が 58.1 と予想の 55 を大幅に上回り市場は一気にリスクオンとなったドルが買い戻され株価も続伸
その後は米経済対策法案協議が難航しているものの最終的には合意に至るという楽観ムードとなり株価もドルも底堅く推移した。
翌木曜日
ドル円は週間安値を更新したが大きくブレイクすることは無かった
株価も欧州時間に売られる場面があったが、月曜日から取りざたされているマイクロスフとの「Tiktok」米国事業買収のニュースが飛び交い同社の株価をさらに押し上げ米国株主要三指数を更に押し上げた。
特に IT 株に買いが集中し、Nasdaq 指数は 7 日続伸し当然史上最高値を更新
ドルは底堅かったが、翌日に控えた雇用統計のトランプ大統領の「予告ホームラン」を踏まえ、リスク回避のドル買いなのかドル売りなのか判断に迷っている様な動きが散見され方向感あまりなし。
その後は米経済対策法案協議を睨みながらの展開に終始
トランプ大統領は協議が難航しているための対策として「家賃未払いによる立ち退き猶予や失業保険給付金、学生ローン返済猶予や給与減税に的を絞った大統領令を策定している」と明らかにした
今回の経済対策法案では、以前ムニューシン財務長官が給与減税は含まれないと発言していただけに市場は歓迎。
時間外取引で株価は大いに上値を伸ばした
そして週末の金曜日雇用統計デー
日中は雇用統計待ちで為替相場は方向感なし。
株式市場には一定の警戒感から利益確定売りがあった、更に米国が香港首脳陣 11 名への制裁を発表株価の下押し材料となった
米、香港行政長官ら 11 人に制裁 自治侵害などで ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-china-hong-kong-sanctions-idJPKCN2532HZ
雇用統計の結果は予想を上回る結果となったものの、報道各社の評価は手厳しい
7月の米雇用者数は 176 万人増、前月からは鈍化も予想上回る伸び ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-07/QEP1MBDWLU6A01?srnd=cojp-v2
雇用統計の大まかな結果は以下
7 月米非農業部門雇用者数変化 +176.3 万人、予想 +158.0 万人
7 月米失業率 10.2%、予想 10.5%
7 月米平均時給(前月比)+0.2%、予想 -0.5%
7 月米平均時給(前年同月比)+4.8%、予想 +4.2%
こちらの結果を受け、瞬間ドルは売られたがその後はドル買いとなり株も買われた。
ところが、その後難航している米経済対策法案の与野党協議が行われたが、結果物別れに至った
こちらを受け、ムニューシン財務長官が「トランプ大統領に追加経済対策での大統領令を提言する」と発言
米コロナ追加対策巡る協議決裂、政権側は大統領令提言へ ‐ロイターhttps://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-congress-idJPKCN253371 トランプ氏、失業給付拡充の大統領令に署名の用意-協議こう着なら ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-08/QEPXVFDWX2PV01?srnd=cojp-v2
こちらを受け、株式市場が失速
中でも史上最高値更新を果たしたNasdaq 指数は利益確定売りと相まって大幅下落。ドルはリスク回避のドル買いとなり一時 106 円台まで上昇。
米雇用統計受けドル上昇、週間では 7 週連続の下げ=NY外為 -ロイター
https://jp.reuters.com/article/ny-forex-idJPKCN25335C
注目の Gold はこの日寄り付き時に史上最高値を更新しスポット市場で 2070 ドルまで上昇したが、その後はズルズルと値を下げ 2035 ドル台で引けた。
また、この週末前述している大統領令へトランプ大統領が署名した
トランプ氏、大統領令に署名-失業給付上乗せ延長や給与税猶予 ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-08/QERJBWT0AFBE01?srnd=cojp-v2
週明け市場の反応がどうなるのかは注視が必要だろう。
取引レポート
先週レポート通り、日経ショート。 ドルロングで上値見極めドテンショート戦略を取ったしかし、Nasdaq の強さには閉口した…
Nasdaq と NY ダウ及び日経平均先物の価格推移(日足)
Nasdaq(ローソク足)、日経平均(赤ライン)、NY ダウ(青ライン)
Nasdaq は 30%以上も NY ダウと日経もそのパフォーマンスに開きがある。
日経と NY ダウ CFD をショートしたが、月曜から踏まれ、何とか木曜日にナンピンして下げたところで撤退できた。非常に大変な思いをした
一転、ドルストレートのマネジメントは好調だった
EURUSD リテール売買動向
結局週後半に掛けまたEURUSD ショートが増加
GBPUSD リテール売買動向
EURUSD、GBPUSD 共に水木金とロング
金曜日の雇用統計後はさすがにロスカットしたが、一定の利益は水・木で確保できたため良しとしたい
そして Gold。こちらは先週のレポート時には触る気は無かったが、2000 ドル超えた時点で一旦ショートをしてみた、直ぐに撤退
その後、水木とロングした。
もう値段が 2000 ドルを超えているため 10 ドル動くのに造作ない大きく利を伸ばした
Spot Gold 一時間足
目先は高値更新後下げたので調整があるかもしれないがどこまで押してくれるか…あまり期待できない
先週レポートしたとおり、月始のためあまり偏ったポジションに拘るのは良くないと思いエントリーもそこまで大きくできていない、前月までと比べると消極的だった
来週一週間もまだ本気で動く必要は無いと思っている勝負は第三週だろう。
第三週シッカリ英気を養って臨みたいが、そのためには来週第二週の分析が重要になる。シッカリと準備の週としたい
来週からの戦略
まだ、相場は尻尾を出さない
CFTC 円先物投機筋 NOP(円先物のため売買反転)
シカゴ投機筋は円ロング継続
ドル円リテール売買動向
ロングが少しは減ったが調整程度という見方もできる
先週末が単なるショートカバーだったことは記憶に新しい
ドル円は週足レベルで見れば殆ど動きもなく、まあ妥当なポジションマネジメントだろう、基本的にこういう相場は私たちの様な逆張り筋の出番ではない。
Nasdaq の 7 日続伸を読み切れなかった反省でもしよう
CFTC 金先物投機筋 NOP
2000 ドル突破時に相応な利益確定売りが出ると思ったが殆ど皆無、これは悩ましい… 但し、日足は反転を示唆しており、一旦押したあとでロングを目論見たい
やはり勝負は第三週か?
Spot Gold 日足
高値更新後、陰線で前日安値付近で引けている。目先は弱いか? 絶好の押し目を提供してくれるのか?
そして問題のNasdaq
ウーン、これはたくさん見てきたチャートだ
Nasdaq100CFD 日足
現在エリオット波動の第 5 波目。 既に史上最高値は更新した
どこまで行くかは別としてやはり一連の相場サイクルは終焉に近づいているのだろうまた、以下気になっている
Nasdaq と原油価格推移(日足)
この所先行指標の役目を果たしてきた原油価格だが、コロナショックでは一番反応が遅かった
株価と原油価格の相関は非常に高くなっていたが乖離が生じ始めた、どちらかが追いつくのだろうが、どちらか
というと、私はどうしても Nasdaq の急落を諦めきれない。
確かにファンダメンタル的に理屈が合うのはわかる、これだけ外出が落ち込み飛行機が飛ばなければ石油製品の需要は落ちる。
従って、原油価格がイマイチで、IT やハイテク株中心の Nasdaq の活況という乖離は辻褄が合うが、相場がかつて素人の皮算用と同じように動いたのは見たことがない。
このエリオット波動の「第 5 波の天井」が天井だと断定して挑んでみる価値はあるように思える。
また、以下の様に過熱する自社株のマーケットインパクトを薄れさせる動きもある誰もが苦しんでいる現在、やり玉にあがりたくないのだろう。
この上ない予防措置だ、懸命な判断と言える
アングル:低下するアップル株の影響力、株式分割で「軽く」 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/apple-stock-dow-idJPKCN24W0AE
また、期待過剰なワクチン開発期待にもやっと常識で判断できる冷静さを取り戻してくれたようだ
焦点:コロナワクチンに接種拒否懸念、開発「急ぎすぎ」に不信感 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/covid-vaccine-idJPKCN2530OH
ワクチンの信頼確保に向けた世界的な取り組みである「ワクチン・コンフィデンス・プロジェクト(VCP)」を主導する1人、ハイディ・ラーソン氏はロイターに、新型コロナワクチンの発見において「政治家にとっては速いことが好ましい」が、一般の人々の立場では「急ぎ過ぎは安全であるはずがない」というのが常識的な感覚だと説明した。
当然だ、現在の前のめりなワクチン確保の動きは責任あるリーダーの考動とは言えない。思えば、経済対策も隔離措置も各国後手後手である。
後手後手どころか日本に限っては完全失策だ
Go to キャンペーンを張った矢先に不要不急の外出は控えてとは… この日本政府のバカさ加減は小学生でもわかるだろう
子供に説明をする親御さんの身にもなったらどうだと言いたくなる。
忘れてはならないのが Go to キャンペーンも各国行っている対策もすべて国の借金で賄うということだ、いつかは誰かが払わなくてはならない。
今の子供たちが大人になってこの失策の費用負担を喜んで払ってくれるだろうか…? 唯一歯切れがいいのは小池知事だが、何のプライドか小池知事の訴えを国は聞かない
コラム:絶つべきV字回復への誘惑、需要喚起策の強行は逆効果=鈴木明彦氏 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-suzuki-akihiko-idJPKBN24Z04H
このコロナ以降よく、日本の知人から「香港大丈夫?」と連絡が来るが、正直大きなお世話だ。何の問題もないし大きな変化はない。
そもそも私は自身で選んで香港に来たし、会社の命令で来たわけではない。外国に出た瞬間から多少の不都合や不条理は受け入れている。
外国人である私を受け入れてくれたことに感謝もしている。
他所の国にお邪魔しているのに偉そうなことを言うつもりは毛頭ない
だいたい中国人の爆買い客が減ってヒーヒー言ってるクセになんだその態度は? それがあってこそのアベノミクスだったのに人の記憶とは曖昧なものだとつくづく思う
今までのお得意様に対する態度じゃないだろう、感謝を忘れた商売人が上手くいった試しなど聞いたことがない
↑上記、別に他意は無いのでご勘弁ください。話が逸れたが、来週からの戦略。
株価インデックス再度売り上がり今回はしつこくいく予定です。
原油価格が持ち直さないなら、
Nasdaq は 12000 ドルまで覚悟の上
日経平均は 25 日移動平均線の上でショート
為替は今週揉むので逆張り
ドル円は日幅 60pips 達成するまで
EUR とGBP は週明け押しがある様なら 200~300pips は押すと見込んで良さそう
そしてGold
もう 2000 ドルがサポートとして機能するかという見極めになると予測。
2000 ドル付近があれば大きく買ってみたいと思います。
以上、今週もありがとうございました。来週もよろしくお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?