運用レポート2020.7.11

週間為替市況
週明けより世界的な景気持ち直し期待からリスクオン
また、中国株の MSCI(モルガンスタンレーキャピタルインデックス)への組み込み比率上昇観測から上海株が上昇。各国株価指数は連れ高となり株価を一層押し上げた。
NY タイムに発表された ISM 非製造業が 57.1 と景気の良し悪しの目安となる 50 を大きく上回ると戻りを試していた株価は再度上昇。
ドル円も寄り付きこそ上げたものの、リスク回避のドル買いが後退すると下げに転じ 107 円前半まで下落。

翌火曜日
この日は一転してリスクオフ寄りの一日となった。
新型コロナウイルス感染再拡大が続く中、リスク選好機運が後退。株価はアジア時間に高値を模索したが失速。
主要株価指数はいずれも陰線引けした。
ドル円はリスク回避のドル買い、円買いで方向感なし。この日は大きな材料は無かったがポンドが急騰。
敢えて言うなら「フロスト英主席交渉官とバルニエ英 EU 離脱欧州委員主席交渉官は今晩ブレクジットについて会談を行う予定」という報道があった。

水曜日
この日もアジア時間は堅調に推移。
NY タイムに入るとドル売りが優勢になる。
米国の週間原油在庫発表時に原油価格と連動して株価が瞬間下落も安いところは拾われるというこの所続いている動きとなり株価は引けにかけて日通し高値を更新。
また、来週から本格的に4‐6 月の四半期決算発表を控え、業績改善期待からハイテク銘柄を中心に買いが入りナスダック指数は史上最高値を再更新。
ドル円は一貫して弱かった。
米 10 年債入札が「好調」と受け取られ米金利の下落と共に 106 円台手前まで下落した。

翌木曜日。株価には大きく調整が入る。
アジア&欧州時間は堅調だったものの、NY タイムに、米連邦最高裁が「トランプ大統領は NY 検察当局が求めた納税申告書を含む財務記録の開示を拒否できない」と判断を下した。
一方、米下院調査委員会が求めていた開示に関しては、その必要を認めず。
同時間帯に発表された一部企業の決算も悪く、また米国での新型コロナウイルス新規感染者数が過去最大となったことで株式市場に大きく調整がはいった。
NY ダウは 3 時間ほどで約 600 ドル下落。ナスダックは下げたが瞬時に持ち直した。

製造や小売業の弱さと IT 株の強さを見せつけた一日となった。
やはりドル円はリスク回避のドル買い円買いで方向感出ず値幅も 30 銭程度となった。
欧州通貨はバルニエ英 EU 離脱主席交渉官が「EU と英国の間には依然として深刻な隔たりがある」とコメントこちらを受け下落。
この日の高値が EURUSD、GBPUSD 共に週間高値となった。

昨日金曜日
日中に東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が 240 人超えという報道を受け、日経平均が下落。それに伴いドル円も下落した。
ところが NY タイムに入ると一気にリスクオンに転じる。
米製薬大手のギリアド・サイエンシズ社の新型コロナウイルス治療薬の「インデシビル」を重症患者に投与したところ、その他の通常の治療薬と比べ死亡率が 62%低下したと発表。
また、米ファイザーと新型コロナウイルスワクチン開発で提携しているドイツのバイオ企業が「ワクチンを年内に承認申請する」とコメント
この日は新型コロナウイルスの治療薬とワクチン報道が相次ぎ、引けにかけて株が大きく買われた。ナスダック指数はこの日も史上最高値を更新して引けた。
ただ、ドル円に関して言えばリスク選好のドル売りで売られ 106 円台まで下落。

ドル下落、コロナワクチン期待でリスク選好上向き=NY市場 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/ny-forex-idJPKBN24B30W


また、引け間際にトランプ大統領が中国との貿易協議で「第 2 段階」 の通商交渉は検討してないとコメント。市場の反応はほぼなかったが、気になることではある。
来週以降、ナスダックの好調がどこまで続くのか注目したい。

取引レポート
今週も、祝!!! Gold 高値更新!!!

Spot Gold 週足

画像1

素晴らしい上昇となった。
先週のレポートで Gold ロング一本とした。
また、火曜日にシカゴの売買動向を見て傾向変わらずのため、直近高値更新まで Gold ロングと共に過ごした。

CFTC 金先物投機筋 NOP

CFTC 金先物投機筋 NOP

傾向変わらず。投機筋も値幅程買えていない。

また、EURUSD ロング増加、GBPUSD ロング減少という事象を発見。通常取引を行わないが他ペアの判断に迷ったため、EURGBP をショート

EURUSD リテール売買動向

EURUSD リテール売買動向

GBPUSD リテール売買動向

GBPUSD リテール売買動向

週明けからEUR のロングが増え、GBP のロングが減少。
GBPUSD は水曜日の急騰を受け、木曜日に売転してしまった。

その結果↓

EURGBP 一時間足

EURGBP 一時間足

リテールの GBPUSD ロングがこのままの推移で行けば、ここはスッポ抜けるだろう。まずまずの利益となった。
ちょっと心配なのは…Nasdaq を売ってしまった…火曜日の上ヒゲ陰線をみて水曜日にショート。
大幅調整を期待したが 5 日移動平均線に完全にサポートされており、これをブレイクしないならロスカットを行う予定。ただ毎日 NY オープンには下げるのでロスカットを行うにしてもナンピン入れて NY オープンを待ってロスカットというよりトントンまで持って行こうと思う。要は逃げです

Nasdaq100CFD 日足

Nasdaq100CFD 日足

完全に 5 日移動平均線(オレンジライン)でサポートされている。典型的な上げ相場
ただ、これを割ると一気に崩れるのも典型的なトレンド転換。今ハイテク株に死角は無い様に見えるが果たしてどうか?

来週からの戦略
来週から米企業の 4‐6 月の決算発表が本格化する。
為替市場もそちらを睨みながらの展開になりそうだ、今年の1‐3月の決算は最悪だっただけに当然改善されていると思うが予想に対してのギャップに注意が必要になるだろう。
リスクオンの場合はドル売り(但しドル円以外)リスクオフの場合は、ドル買い(こちらもドル円以外)となるだろう。


ドル円週足

ドル円週足

CFTC 円先物投機筋 NOP(円先物のため売買反転)

CFTC 円先物投機筋 NOP(円先物のため売買反転)

来週以降の Gold だが、若干調整色の強い相場になると思っている。週後半の高値更新後のチャートは弱い。
こちらも来週発表される企業決算を睨みながらの展開になると予測。ただ、注意したいのがリスクオフの場合。
大きめの時価総額(ダウ採用銘柄は多いし、製造業も多い)の会社がネガティブな発表だった場合のダウ平均の下落には注意したい。
現在の相場だと、小規模なネガティブ材料では Gold は買われるが、大きめのネガティブ材料だと Gold も売られている。株式の損失を Gold の利食いで埋めるためと思われる。

CFTC NY ダウ平均先物投機筋 NOP

CFTC NY ダウ平均先物投機筋 NOP

ショートが減ってきている。
Nasdaq はさておき、製造業や小売業を擁するダウはこの決算発表では分が悪いような気がしないでもない
よく、ボーイング社1社の株価下落で NY ダウが何百ドルも下げたというレポートを見るが、今回もその手の動きはどこかであるだろう。
因みに現在シカゴ先物市場で買われている株価指数は Nasdaq100 がダントツで日経225若干買われている。
NY ダウと S&P500 は売られている。
来週は銀行系の決算発表が多い、IT 系だとIBM やマイクロソフト注目のボーイングやアマゾンは再来週以降だ

この所レポートしているように長期のトレンド戦略は立てづらい来週の戦略は非常に悩むが、
Nasdaq の天井を探したい。
そしてGold の押し目を待ちたい。
この状況で Nasdaq を売るバカがいるのかと思われるかもしれないが、私しか売っていない状況が一番好ましい。
買われている事実と史上最高値爆進中という事実。そして皆がNasdaq の続伸を疑っていない事実。

但し、細心の注意は払いたい。
① 企業決算がポジティブ。←おそらく大量の利益確定売りが出ると予測
② 5日移動平均線を明確に割る。
③ NY ダウ、日経225も下落
これだけの条件が揃えば大きくショートを入れたい。そしてこの場合、勿論EURUSD をショート
このところの傾向として、良いニュースが出ればよいニュースが続き悪いニュースが出れば悪いニュースが続く。半分ぐらいの理由は…
トランプさんが黙っているからだ。
コラム:再選確実だったトランプ氏、景気後退突入でシナリオ一変 ロイター
https://jp.reuters.com/article/breakingviews-trump-election-idJPKBN24808F
さぞお悩みのことだろう。


また、Gold は調整局面かもしれないが、間違ってもショートは禁物。あくまで押し目待ち。

従って、来週は
株価指数の Sell the Fact
それまでは無駄なエントリーは控えるで行きたいと思います。

今週もありがとうございました。 来週もよろしくお願いいたしま

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