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我が家の愛犬「はくまい」日記(3)はくまい危機一髪

 突然、我が家の愛犬「白米(はくまい)」(白いトイプードル、12歳オス)が猛烈な勢いで部屋中を走り回り出しました。尋常な速さではありません。何事かと周囲を見まわすと、なんと娘のバッグの中にあったチョコの包装紙が床に散らばっているではありませんか。

 チョコレート中毒。チョコは人間にとって堪らなく美味しいお菓子ですが、犬には危険な毒物でしかありません。夫婦ではらはらしながら様子をみていたところ、廊下のあちらこちらに嘔吐した後やっと落ち着いてくれました。

 原因はチョコやココアに含まれるテオブロミンというカフェインに似た物質で、大脳や呼吸器、心臓、筋肉を興奮させるとのこと。過剰に摂取すると死に至ることもありますから怖い。犬はもの言わぬパートナーだけに、飼い主も犬に関してある程度の医学的知識を持つ必要があると改めて痛感した瞬間でした。

◎我が家の愛犬用バイブル

 20年以上前に「ハーブ」と名付けたゴールデンレトリバーを飼い始めたときから現在の「白米」に至るまで、我が家には大切にしている1冊の本がああります。それは『フォーグル先生の犬と楽しく暮らす本』(ブルース・フォーグル著、武部正美監訳、ペットライフ社)です。

 犬の歴史から健康、手入れ、訓練、妊娠・出産などまで、カラフルな写真と共に平易に解説されています。様々な情報がインターネットで瞬時に手に入るご時世ですが、世界的な権威であるフォーグル医師のアドバイスは愛犬と過ごすために今でも手放せないガイドブックです。

 環境や食べ物の改善や医療の進歩のおかげで、犬も私たち人間も寿命が延びました。しかし老化を避けることはできません。犬の1年は人間の7歳~8歳に相当すると言われています。一般的に小型犬のほうが大型犬より老化が遅く、15歳から17歳が寿命の目処。我が家のワンコは人間でいえば70歳代ということになります。いつまでも子供だと思っていたら、なんてことはオジイサンオジイサンではありませんか!娘のバッグを器用に開けてチョコを盗むなんて悪知恵が働くわけです。

 今はまだ元気に走り回っているが、彼もいつかペースが遅くなり、食欲も減退して目も悪くなっていくのでしょう。なにしろ人間の7倍速で生きているのですから。ほどなく飼い主に追いつき、追い越していく。

 その先は悲しい。長い年月をかけて野生のオオカミを人間に頼らなければ生きられない犬という「最良の友達」にしたのは、私たち人間です。彼らを裏切ることなく最後まで面倒を見るのは当たり前のことですね。チョコ厳禁です!

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