トレーニングの科学

今回は、石井直方先生が出版された本の内容を一部説明してたいと思います。
とても筋肉肥大に興味がある方はぜひ手に取って読んでみて下さいませ。

トレーニング効果をどうやって測るのか?

効果的なプログラムって何がなんだかわからないですよね。
何が効果的なのか…
論文を腐る程ありますし、どれが良いなのか正直わかりません!
石井直方先生も正直、断言できることは少ないので濁して説明をしてきたそうです…
これをやった方がbetterだよって感じで説明をしてきたわけです。
近年、測定機械の発達により高度な研究や精度の高いものができるようになってきたわけですが、日本では倫理の観点からまだ海外に比べて筋肉に関する研究は遅れているようです。(そこが日本の良いところでもありますね)

結論から言いますと

  • 人を対象とした長期実験では、微妙なトレーニング効果の違いを示すことは容易ではない

  • トレーニング刺激によって、筋線維内では筋タンパク質の合成が活性化し、その蓄積効果によって筋線維の肥大が起こる。

  • 一回の運動後のタンパク質合成反応が大きなプログラムは、長期的に効果も大きいことが期待できる

ということです。

トレーニング効果の違いを示すことが容易ではないについて

1,効果が出なかったトレーニングメニューが楽なトレーニングだった可能性がある。
2,長期実験ではその人の生活習慣や食習慣が影響してくるからである。
という理由が挙げられました。
長期間になればなるほど,個人個人生活習慣が違いますので一律にすることが難しいです。よく食べる人もいれば,あまり食べない人もいますし,よく外に出る人もいれば,でない人もいますよね。
基本的に食べて体重が増えるとその分筋肉を増えていきます。
なのでちゃんと体重が増えるくらい食べているのか?ってことも要素になってくるわけです。

なので,一回のトレーニングにおける急性効果から長期の効果を予測しようじゃないかってなったわけです。

急性的な効果として
1,血中ホルモン濃度
2,血中乳酸濃度
3,筋疲労度
4,筋タンパク質合成

これらから効果を鑑みてみようってなりました。
結果的には

1,血中ホルモン濃度
血中ホルモン濃度と肥大には,相関関係はあるが因果関係はあるかは明らかになっていません。なので,ホルモン分泌が高まるプログラム程,筋肥大効果が高いとは言い切れない。

2,血中乳酸濃度
血中乳酸濃度は「速筋線維」の動員の指標となりますね。ある一定の強度を超えると乳酸が分泌され始めます。この閾値をLT値と言いますね。
乳酸が分泌している=速筋線維が動員されている=肥大につながる
って考え方です。
しかし,高強度の有酸素運動でも乳酸は分泌されるため,これが指標にはなりにくいだろうと推測。

3,筋疲労度
運動によって筋力が低下しているってことは,疲労耐性の低い「速筋線維」が多く使われたことになるのではないかというものです。
運動後の筋力低下の大きなプログラムほど,筋肥大が期待できるかもしれません。
注意したいのが,様々なタイプの疲労がありますので区別する必要がありますね。
筋線維性,神経筋接合部,運動ニューロン,運動中枢などを区別しましょう。
簡単に考えると,超回復理論で一度筋力が下がった状態から回復をさせることで筋力が上がるって考え方があるので,筋力低下を起こすような強度で行うことが大切であることがなんとなくわかりますね。
(まあ,フィットネス-疲労論などもありますし,やり過ぎには注意が必要です)

4,筋タンパク質合成
トレーニング刺激によって筋線維内では筋タンパク質の合成が活性酸素化し,その蓄積によって筋線維の肥大が起こるので,その合成が高いプログラムって優秀じゃねって考えかたです。
筋トレ好きな人に馴染みのある言葉でmTOR神経伝奪物質のことです。
最終的にはリボソームで筋タンパク質合成が行われます。
結局は合成しなきゃ何も始まらんよね?って考えだと思って下さい。

効果を測定したいのであれば
3,4が見込めるのではないかってのが石井先生の見解でした。

特に今後の研究次第では,運動後の筋力低下が大きなプログラムが筋肥大効果が期待できる可能性あるそうです!
朗報ですよね。何を1番の指標にして良いのかって考えた時に使用重量などの筋力発揮能力が落ちた場合には筋肥大に効果的なトレーニングができていたという簡単なフィードバックができるかもしれないのです。(個人的な感想ですが…)
その中で役立ちそうなのが,VBTトレーニングです。
挙上速度を測定したトレーニングですのでパワーの発揮がレップごとに把握しやすいというメリットがあると思います。
さらにその日の体調も管理しやすく,プログラムに変化をつけやすいという点もあるのでないでしょうか?

なのでVBTトレーニングとこの筋力低下=筋肥大に期待できる
っていうのに向いているかもしれませんね。

具体的に低下具合が数値でわかるのも良い点だと思います。
疲労度は主観的な指標がメインです。
毎回1RM測定をするわけにもいきませんから,VBTトレーニングとの相性は良いのではないでしょうか?

本日はこんなところで終わりにしたいと思います。
私の感想が入ってしまいましたが,参考になれば幸いです。
ではまた。

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