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第4世代ヤーティのBDSPにおける復元(1)~事前考察

概要

ポケモンの対戦戦術の1つに役割論理というものがあり、それに従って構築されたパーティはヤーティと呼ばれる。役割論理には専用wikiまで存在し、その使い手(論者と呼ばれる)は自身の対戦経験に基づき議論や検証を行っている。
当然、役割論理専用wikiには今現在の役割論理だけでなく過去の役割論理の有様についても記録されているのであるが、役割論理発祥の時期であるポケモン第4世代(ダイヤモンド/パール~ハートゴールド/ソウルシルバー)におけるサンプルヤーティの記録が残っておらず、その環境下において強いとされるヤーティが如何なるものか、知ることが出来ない。
そこで、第4世代からはタイプ相性等変更点が多いものの、ダイヤモンド/パールのリメイクであるブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール(BDSP)において強いヤーティがどのようなものか検討し、第4世代ヤーティを推測する一助とする。本稿では対戦の実行とその反省までは踏み込まず、残された少ない資料の解釈と考察のみ行うとする(対戦の実行は後日別稿に記す)。

……というつもりだったが、調べたところメタグロスに冷凍パンチや雷パンチを覚えさせられない環境だということが判明したので、対戦すらせず諦める。


資料の収集とヤーティ推測

役割論理専用wikiにおいて、最新作以外でのサンプルヤーティは"サンプルヤーティ/歴戦のヤーティ"のページに纏められているが、第4世代に関しては"記録は残っていませんなwww"とのみ記され、サンプルヤーティが残っていない。ポケモン本編にレーティングバトルが導入されたのは第5世代に入ってからであり、第4世代ではインターネット対戦はバトルレボリューション(バトレボ)によってしか行えず、かつ自身及びパーティの戦績を客観的に示す手段も無かった為だと思われる。

しかし、役割論理専用wikiにおいて第4世代ヤーティを知る情報が全く残っていない訳ではなく、"これがぼくのかんがえたさいきょうのぱーてぃ"というページに、5匹のポケモン+環境によって3匹から1匹選ぶポケモンという形で、計8匹のポケモンからヤーティらしきものを構成する様子が記述されている。

とはいえ、必須枠としてボーマンダ/ヘラクロス/ラティオス/メタグロス/カイリューが挙げられているのは明らかにおかしく(ボーマンダとカイリューはタイプが同じであり、役割対象も苦手な相手もほぼ重複する)、これが実際に用いられていたとは考え難い。選択制のポケモンもユキノオー/ドサイドン/ギャラドスしか挙げられておらず、バンギラスやヒードラン、ロトム等の、後の作品でヤーティに用いられているもののここでは言及されていないポケモンも多い。

第5世代初期にヤーティを考察しているブログで、その背景として第4世代のテンプレについて述べているものがあり、そこではテンプレパーティとしてボーマンダ/ヘラクロス/ラティオス/メタグロス/ユキノオー/ギャラドスが挙げられ、それ以外に用いられていたポケモンとしてバンギラス/ドサイドン/カイリューが述べられていた。役割論理専用wikiのページとはカイリューがテンプレに含まれていないという点では異なるものの、wikiで必須とされたポケモンから4種、選択制とされたポケモン2種から構成されており、2つの資料はほぼ一致することから、片方は個人ブログと雖も信憑性は高いものと扱って差し支えないであろう。

第4世代で実際に使われていたヤーティを知るという目的それ自体はこのブログで既に達成されてしまった訳であるが、当時は役割論理自体がまだ十分洗練されておらず、両刀ボーマンダの性格がうっかりやであったり(素早さは重要なパラメータではあるが、耐久を下げてまで下げないようにするものではない)、ヘラクロスに気合いパンチや起死回生が採用されていたり(気合いパンチはユキノオーのような鋼を受け出されるポケモンが交代読み役割破壊目的で採用する技であり、格闘ポケモンが役割遂行目的で採用するのは不適切)、現在の基準から言えばヤーティと言えるものではなくなっている。現在の基準からもヤーティと呼べるようブログのパーティに最低限の改変を加えると、第4世代ヤーティは以下のようになる。

  1. ボーマンダ@竜のプレート 冷静HC
    流星群/ドラゴンダイブ/大文字/地震

  2. ヘラクロス@拳のプレート 意地っ張りHA
    メガホーン/インファイト/ストーンエッジ/地震

  3. ラティオス@拘り眼鏡 控え目HC
    サイコキネシス/竜星群/波乗り/雷

  4. メタグロス@拘り鉢巻 意地っ張りHA
    コメットパンチ/思念の頭突き/地震/雷パンチ

  5. ユキノオー@命の珠 勇敢HA
    ウッドハンマー/吹雪/地震/気合いパンチ

  6. ギャラドス@雫プレート 意地っ張りHA
    アクアテール/氷の牙/ストーンエッジ/地震

推測したヤーティの感想

筆者は第4世代では対戦をしたことがないので、パーティを見てもそれが強いのかどうか全く判断が出来ない。そこで、バトレボで強いとされているポケモンの一覧を以下のブログより確認し、それらに対してどの程度役割を持てているか大雑把に検証する(覚える技や持ち物についてもよく知らないので、6~7世代の経験から雑に判断する)。

しかしその前にパーティの持ち物に関して思ったことを少しだけ。達人の帯は第4世代からあった筈だが、採用されてないのか……プレートより優先度は高い印象だったが。ユキノオーはウッドハンマー採用かつ命の珠だと過労死しそうだし、達人の帯を持たせて命の珠を他のポケモンに回すべきなのでは?特殊型にしても良さそう(BDSPであってもリーフストームが使えるかは分からないが)。そしてヘラクロスはプレートじゃなくて根性活かせる毒々玉(BDSPだと火炎玉の方が良さそうか?)だろう。

……"SS:非常に強力な勝ち筋を持てるキャラ"というどう考えても対策必須の枠にいるゲンガーに役割を持てるポケモンがいない、完。
対面からならラティオスやメタグロスなら打ち合いで勝てるかもしれないが、ゴースト技に受け出せないので駄目(第4世代では鋼にゴースト半減の耐性はあるが、それでもメタグロスはエスパータイプでもあるのでゴーストは等倍で、受け出せるとは言い難い)。BDSP想定だとメタグロスがゴースト弱点になるもののゲンガーに地震が当たるので対面での処理はし易くなるが、トータルで有利になるか不利になるかはよく分からん。

ソーナンスも役割を持てるのがヘラクロスしかおらず明らかに厳しい。まあソーナンスは影踏みの特性故に役割論理では常に厳しいのだが、それにしても。ゲンガーとソーナンスに強くするならバンギラスを採用すべきか?とはいえバンギラス採用するなら誰を抜くかという問題は難しい。ボーマンダは一見ラティオスやギャラドスと役割被ってそうだが、ボーマンダを外すと炎技が無くなりハッサムに役割を持てるのが遂行の遅いギャラドスしかいなくなるし、ヒードランも重くなる。ラティオスと異なり、竜星群を受けられても地震があるのでヒードランに起点にされないのはありがたい。瓦割り採用ならバンギラスの受けも許さない。ラティオスと異なる破壊性能という長所はかなり大きそうに見える。ギャラドスを外すとルカリオやマンムーが重くなる。ラティオスを抜くと水ポケモンが(ユキノオーでも役割持てるとはいえ)重くなる。割とそう簡単には変えられなさそう。電気ポケモンに関してはバンギラスでも役割を持てるので、ラティオスを抜いても重くなるとは言い切れないとは思うが。

またヘラクロスというと、相手のバンギラスに対抗出来る数少ないポケモンなのに岩等倍故に受け出しに余裕があるとも言い難く、負担は減らしたい。岩半減はこのヤーティにメタグロスしかおらず、そのメタグロスには悪が(この時代は鋼に悪半減の耐性があるので等倍ではあるが)通り、高確率で持っているであろう地震で弱点を突かれさえするので出し難く、相手のバンギラスが使ってくる岩技の一貫性が高いのが厄介。ナットレイとかいう岩の一貫を切ってくれるポケモンは第4世代には存在しないので……。BDSPだとメタグロスが悪弱点だから尚更。ボーマンダに瓦割りを入れて、交代読みでバンギラスに刺せるようにするか?ドラゴンダイブは何時使うのか正直分からないし。竜星群使わずにドラゴンダイブを使うことはまずないであろうし、竜星群使った後に居座ってドラゴンダイブ使う状況も想定出来ない。A無振りのボーマンダの地震ではH振りバンギラスを2発で倒せる可能性は低いので確定2発になる瓦割りには価値はある。命の珠をボーマンダに回せれば地震でも確定2発にはなるが(その場合は瓦割りは18.7%の乱数1)。

"SSS:揺るぎのない絶対的最強キャラ"のガブリアス重くね?
物理竜への対策として逆鱗を半減の鋼で受け、交代出来ない状態の相手をそのまま倒すという手法が役割論理では伝統的に用いられる(第7世代のZクリスタルによってこの立ち回りは無くなったが、今は関係無い)が、その鋼であるメタグロスにガブリアスへの遂行技が無い(鉢巻コメットパンチでも一撃では倒せない)のが気になる。メタグロスは地面弱点なので逆鱗に出すにしても、ピンポイントで読むか(相手が逆鱗すると読んでメタグロスを出したターンに剣の舞でも使われたらその時点で終わり)死に出しでしか対面させられないのに、対面させても倒し切れないのは困る。威嚇かつ地面無効のギャラドスとセットで運用するのが推奨されるが、ガブリアスが見えただけで選出が制限され過ぎる。地面等倍の鋼で鉢巻ジャイロボールを打てばガブリアスを高確率で一撃で倒せるナットレイがまだ存在しないというのがキツイ。メタグロスに冷凍パンチを採用したいと個人的には思う。鋼タイプ故にメタグロスは選出頻度が高くなりそうだが、鉢巻だと冷凍パンチは起点にされないよう注意する必要はありそう。ラティオス相手の遂行には鉢巻が必要なので恩恵はしっかりあるし、選出頻度が高いポケモンに強い持ち物を持たせるのは合理的ではあり、メタグロス以外に鉢巻を渡すという判断をしようともそこまで思わない。鉢巻ギャラドスは強いのでそれを一度試しておきたくもあるが。

BDSPだとトゲキッスがフェアリータイプなのでこれも受け難い。鋼タイプが1匹しかおらず、相手パーティにトゲキッスとドラゴンが同時にいると過労死リスクが高い。これもナットレイがいないことの弊害(ナットレイ自体は大文字で焼かれるのでトゲキッスに役割を持てないが、ヒードラン等他の鋼とパーティに同時採用し易いのが強み)。

連続技や音技が無いから無限グライオンを落とす手段に欠けている。これもやはりナットレイがいないことの弊害。交代読みを適切に刺していくしかないか。6~7世代だとメガヘラクロスもいたので大して意識する必要は無かったのだが。

メタグロスもキツイ。ギャラドスはエスパー等倍かつ雷パンチで破壊されて威嚇も通らないし、他に鋼半減はメタグロスしかいないので。これもナットレイがいれば(役割は持てないものの)誤魔化しの手段がもう少し多かったかもしれない。

感想の感想

ナットレイがいないことの愚痴が多過ぎるな。まあ、ナットレイがいれば5世代サンプル2という、第5~7世代の間ずっと強く最も有名だったヤーティが組めるので、そうなるのも必然か。第4世代及びBDSP環境だとバンギラスやヒードランも採用し辛い感じがして、それ以降の世代とはかなり体感が変わっていそう。

今後

BDSPのストーリーをクリアしたら対戦してみるつもりだが、具体的にいつになるかは未定。

  1. ボーマンダ@命の珠 冷静HC
    流星群/大文字/地震/瓦割り

  2. ヘラクロス@火炎玉 意地っ張りHA
    メガホーン/インファイト/ストーンエッジ/地震

  3. ラティオス@拘り眼鏡 控え目HC
    サイコキネシス/竜星群/波乗り/雷

  4. メタグロス@拘り鉢巻 意地っ張りHA
    コメットパンチ/思念の頭突き/地震/冷凍パンチ

  5. ユキノオー@達人の帯 冷静HC
    エナジーボール/吹雪/地震/気合いパンチ

  6. ギャラドス@雫プレート 意地っ張りHA
    アクアテール/氷の牙/ストーンエッジ/地震

多分こんな感じで。ボーマンダの暴風とユキノオーのリーフストームはBDSPにあれば採用したいが、無さそうなのよね。メタグロスのアームハンマーやユキノオーのシャドーボール採用も考えたい(特に後者はメタグロスへの交代読み)。

……というつもりだったが、実際には上記のパーティは構築不可能だということが判明した。BDSPには教え技が殆ど無いので、メタグロスが冷凍パンチも雷パンチも覚えない。ボブリアスに遂行技が無いのはゴミですなwwwあり得ないwwwボタグロスですぞwww

以上より、実際に対戦することも無く4世代環境についてBDSPを用いて疑似的に考えるのはもう止める。オリジナルの第4世代環境でポケモン育成するのは辛いので。

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