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1枠ダークドレアム単独によるはぐれメタル一撃破壊の2つの方法

概要

イルルカSPの対戦環境は紋晶による特性の強化によって3DS版のそれとは大きく変貌した。特に台頭著しい戦法の1つとして赤庇うというものがあり、そのパーティで採用されるはぐれメタルを如何に倒すか、その方法に多くのプレイヤーが頭を悩ませている。そこで本稿では様々なパーティに採用し易いよう、司令官SPやバイキルト等他のモンスターからの支援を必要とせず、単独ではぐれメタルを突破可能な1枠モンスターに関して考察を行った。その結果、条件を満たすものとして1回行動ダークドレアムが存在し、かつほぼ一意であることを明らかにした。新生配合で追加する特性も自由である為、枠を1つしか消費しないことと併せてパーティ構築の任意性が高いのが魅力である。

1. 序論

以下のツイートに示す通り、はぐれメタルを倒すことが出来なければ自分は攻撃を通せず、相手から一方的に攻撃を受けて負けてしまう。

これに対し、筆者ははぐれメタルを捨て身で倒し、超速ベビークラウドで名も無き闇の王を止め、ネドラの攻撃を通して勝つという勝ち筋を提案した。

2枠+超速スモボまでパーティの枠が決まっているという条件での運用を考えた場合、司令塔や肉を切らせて等の特性によって火力を高めることが出来ず、1枠モンスター1匹ではぐれメタルを突破出来なければならない。パーティ構築において常にモントナーを採用出来るとは限らない以上、このような場合以外でも単独ではぐれメタルを倒せるモンスターに一定のニーズがあることは明らかである。そこで、本稿では要求される条件を考察し、それを満たすモンスターがダークドレアムであることを示す。

しかし捨て身によるはぐれメタル撃破は赤霧では不可能であり、捨て身以外に処理方法を持たなければはぐれメタル対策として不十分である。本稿で提案するダークドレアムは通常攻撃による会心の一撃によってもはぐれメタルを倒すことが可能であり、霧やスカラによって止められないという点で汎用性が高いということも示す(当然通常攻撃は捨て身と異なり先制効果は無いので、冒頭に示した魔竜ネドラ+ベビークラウドにおけるメタル突破の方法としては相手パーティに名も無き闇の王がいる限り不可であることには注意)。

本稿の構成は以下の通りである。第2節で仮想敵であるはぐれメタルのステータスを示し、計算に用いる数値を特定する。第3、4節ではそれぞれ捨て身、通常攻撃会心によってはぐれメタルを倒せる条件を考察し、それを何れもダークドレアムが満たすことを示す。第5節ではダークドレアムの育成例を1つ提示する。第6節は結論である。

2. はぐれメタルのステータス

計算対象として用いるはぐれメタルは、系図に魔獣系を用いて守備力を最大限に高めたこの個体を用いる。

スキルや紋晶を考慮したステータスはHP321、守備力2670であり、以下計算ではこの値を用いる。

3. 捨て身で倒す条件の考察

先ず攻撃力1000~2000の範囲で捨て身ではぐれメタルに与えるダメージの最大値と最小値を計算し、はぐれメタルを倒すのに必要な攻撃力を算出する。その後、ダメージ上限と連続の関係も考慮しつつ条件を満たすモンスターの一覧を得る。

捨て身で与えるダメージは次の2つの乱数によって変動する。即ち、通常攻撃のダメージにかかる乱数と、捨て身という特技が通常攻撃の何倍のダメージになるかの乱数である。前者が±約6%、後者が1.35~1.5倍であることが究極対戦ガイドブックに示されている。

尚、本稿の計算では通常攻撃の乱数である約6%は6.25%であるものとして扱う。これは6.25%は1/16(=8/128)に等しく、数値が2進数で扱われるコンピュータにおいてはよく使われる数値であり、イルルカも恐らくそうであろうという推測に基づく。DQシリーズにおいてはDQ6(SFC)において、公式ガイドブックでは百分率(%)表記で分かり易い数値(90%等)が書かれていたものの、実際にゲーム中においてはx/128(xは整数)という形で計算され、数値が微妙に異なっていた例がある(DQ大辞典参照)。

通常攻撃のダメージの期待値は攻撃力/2-守備力/4によって計算した後、スタンダードキラーとメタルキラーの補正を掛ける。スタンダードキラー(SP)が1.2(1.5)倍、メタルキラーが1.5倍で計算を行う。

スタンダードキラー+メタルキラーで計算を行ったところ、攻撃力2000までの範囲では捨て身では最大ダメージであってもはぐれメタルを倒せないことが判明した。即ち、スタンダードキラーはSP化しなければならない。

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スタンダードキラーSP+メタルキラーの場合、攻撃力1873から最大ダメージが、2012から最小ダメージがはぐれメタルのHPである321を超えるということが分かった。

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以上より、捨て身によって安定してはぐれメタルを倒すにはスタンダードキラーSPとメタルキラーに加え、攻撃力約2000が必要ということが分かった。これは1枠で攻撃力最大の鬼棍棒やダークドレアムに攻撃力アップSP(+200)を覚えさせるか、秘めたる力(攻撃力1.1倍)を発動させるか、そのどちらかを満たす程度の水準である。

但し、捨て身のダメージ上限は200である為、2以上の連続の特性を持つモンスターでないと321を超えるダメージをはぐれメタルに与えることが出来ない。しかしこれまで見せてきたように捨て身によるはぐれメタル撃破はかなりギリギリのバランスである為、攻撃が少しでもスモボ回避されると倒せなくなってしまう。その為、連続の回数が多い程そのうちの1発以上を外す確率が高まり、倒せる確率は下がることになる。連続の回数とフルヒットする確率の関係は以下のようになる。

フルヒット率

求めるモンスターは攻撃力が高くて秘めたる力を持ち、連続はあるも回数は多過ぎないのが理想ということが判明したが、条件を満たすのは1回行動のダークドレアムである。秘めたる力新生バトルレックスとかも条件は満たすが、新生する特性に自由が利かないのがデメリット。

4. 会心の一撃で倒す条件の考察

前節では捨て身ではぐれメタルを倒す方法を考察したが、この方法は赤霧に弱く、また事前にスカラで守備力を上げられていると不可能になる。そこで、通常攻撃という絶対に封じられない手段で、会心の一撃という相手の守備力を無視してダメージを与えることによってはぐれメタルを倒すのに必要な攻撃力を、連続の回数毎に考えてみる。

単純の為、会心の一撃が1回の通常攻撃で複数回出る確率は無視するものとし、連続の間に1回以上会心が出て、1発の会心ではぐれメタルが即死する条件を導出する。尚、ダメージ計算においてメタルキラーは適用し、確殺条件を求めたいので通常攻撃の乱数6.25%だけダメージが期待値より減っている前提で計算を行う。必要な攻撃力はスタンダードキラー、スタンダードキラーSPの2通りについて計算を行った。

大魔神の斧を装備し、会心率を3倍にしただけの場合の計算結果がこれ。

会心率(大魔神の斧)

大魔神の斧に会心出易いを鍛冶し、確率を2倍にするとこうなる。

会心率(大魔神の斧に鍛冶)

魔神攻撃(1/4で会心)の場合の結果はこう。

会心率(魔神攻撃)

魔神攻撃SP(1/2で会心)ならこう。

会心率(魔神攻撃SP)

以上の表に関して考察を行っていく。攻撃力に関しては条件を満たし易く、連続2までなら余裕、連続3のスタンダードキラーでもオルゴ・デミーラやキラーマジンガなら達成出来る程度の水準。表には計算結果を載せていないが、メタルキラー無し(必要攻撃力が1.5倍になる)という厳しい条件下でさえ秘めたる力を発動したダークドレアムなら近い水準にまで近付ける程である。スタンダードキラーSPなら計算にもっと余裕が出る。連続4はスタンダードキラーSPでのみ狙うことが可能で、それ以上では会心で一撃撃破は現実的でないと言えよう。

会心率に関しては魔神攻撃SPが圧倒的。魔神攻撃(SP)はマヌーサの効果も受けない筈なので、新生配合で追加する特性に魔神攻撃を選べばメタル打倒という一点に関しては成果を上げることが出来るであろう。魔神攻撃が用意出来ないにしても、連続3のモンスターに会心出易いを鍛冶した大魔神の斧を持たせるだけでバイメリトかかったはぐれメタルを30%、ポケモンの一撃必殺技の命中と同じ確率で消せるので、ヤケクソ打ちして誤魔化すのに使えなくもない数値かと思われる。斧が装備出来るダークドレアムは適任である。魔神攻撃と違ってマヌーサの影響を受けるので相手パーティにリーズレットがいると厳しくはなるが。

5. メタル破壊モンスターの具体例:ダークドレアム

このようなダークドレアムなら秘めたる力発動状態なら捨て身、そうでないならば通常攻撃会心でメタルを割れる。武器にはアンチ身躱しアップ、メタルキラー、会心出易いを鍛冶。梅干し女王をサイコピサロに変更すれば眠り耐性は無くなるもののマヌーサを無効に出来、幻魔の獄も覚えたままに出来る。メタルを滅殺したいなら新生は魔神攻撃にしておきましょう。

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6. 結論

本稿では1枠かつ他のモンスターの支援を受けないという厳しい条件下で捨て身、通常攻撃会心という2つの手段ではぐれメタルを倒せるモンスターとしてダークドレアムが存在することを示し、その育成例を1つ提示した。魔竜ネドラ+ベビークラウドと組み合わせて使えば、序論に示したような赤霧不採用のはぐれメタルは捨て身で破壊し、行動順の速いベビークラウドの強みを活かし易くなることが期待される。また赤霧に対しても、通常攻撃会心によって僅かながら勝ち筋を残すことが出来る。新生配合で追加する特性の自由度が高い為、各人が自身のパーティに応じて調整することでダークドレアムを役立ててもらいたい。

余談

このダークドレアムは実用性重視に見えて案外原作再現度が高い。灼熱、トルネード、ギガクロスブレイクと、炎、風、雷の全体攻撃を持ち、グランドネビュラという宇宙モチーフでグランドクロスに近しく、技の性質的には攻撃力依存でダークドレアムの最強奥義として扱える立ち位置の特技まである。闇属性のドルマドンは属性こそ他作品のダークドレアムが使わないものであるが、単体攻撃呪文という点でメラゾーマと同じである。氷属性だけは(サイコピサロ不採用の場合は)無いものの、それはDQHも同じである。サイコピサロ不採用個体はDQH個体の再現と考えれば良いであろう。サイコピサロ採用個体は普通にかなりダークドレアムっぽいのでは。

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