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スマブラ勇者のDQ本家との比較(前編)
概要
スマブラのファイターの勇者をDQ原作と詳細に比較。本稿ではキャラクターデザインとA技を対象とし、B技については後編をどうぞ。
スマブラ勇者は誰なのか
最新作であるDQ11勇者がモチーフ……であるように見えて、カラーバリエーションによってDQ3勇者、DQ4勇者、DQ8主人公、ククール、DQ5主人公、DQ1主人公、テリーも表現されている。体型や使う特技、装備からして誰が一番オリジナルのDQに近いのかということを考察する。
体型について考えると、実は1Pカラーである11勇者が候補から外れてしまう。というのも、DQ11は人物がすらっとしていて頭身が高く、他の作品と異なっており、スマブラは11以外の作品と近い背格好だからである。画像を見れば一目瞭然。……私はスマブラで11勇者を動かしているとかなり違和感を覚える。
逆に8主人公は体型が近いことも明らか。
DQ本編以外でも、ヒーローズも8に近い体型。
次に使う特技について見てみると、転職システムがあるDQ6のテリーが最も合致している。テリーが使えないのはメラとデイン、イオ、ピオリム、ためるだけであるが、デインはそもそもDQM1が初出でDQ11までDQ本編には登場しなかった為、もし存在したら使えていてもおかしくないであろうし、ためるに関してもテンションシステムが無い故であるので仕方ない。しかし力溜めは使うことが出来、DQ7までで力溜めを使っていたモンスターはテンションシステムが導入された8ではその代わりにためるを使う例が多い(ブラウニー等)ので、システムの都合上テンションを溜められないだけで事実上同じ技をDQ6でも使っていると見做せる。特にスマブラのためるはDQ8のテンションとは異なり呪文は強化されず物理攻撃にのみ効果があり、それはDQ6の力溜めと性質が近い。そういう意味で、テリーが使えないと明言されているのはメラとイオ、ピオリムだけであると言える。
DQ6に登場したテリーがスマブラ勇者の特技をほぼ全て使えるということは、DQ8以降に登場した特技はシステムの一部であるためる以外一切登場していないということを意味する。これには2つ理由があると思われる。1つ目は登場してから日が浅い技はDQの懐古厨が知らないと思われること、2つ目はスマブラの他のファイターとの差別化である。前者について書いても愚痴にしかならないので後者に関してのみ書く。
スマブラは大量のキャラクターが登場し、尚且つそれぞれが個性あるファイターとしてデザインされなければならないという強い縛りの下で作られている。その際、キャラクターの原作ゲームでの数ある特徴のうち、何を強調してスマブラのファイターとするか、その選択には比較優位の原則が働く筈である。比較優位の原則が何かはここでは説明しない(下のリンクにあるような国際経済学の教科書には載っているし、多分高校の政治経済の教科書にもある筈)が、簡単に言うと「勇者はDQ原作では物理攻撃を得意とするキャラクターだけど武器攻撃メインのファイターにしてしまうとリンクとかマルスとそっくりになってしまうから呪文が強いファイターにする」ということ。自分一人だけ見た時の得意技を表現するのではなく、他のキャラクターと比較した時の相対的立ち位置でファイターの得意技を決めるという話である。
それに加えて、ターン制の戦闘では個性的な技もアクションにすると地味になることが珍しくない。例えば隼斬りの2ヒットするという個性も、アクションでは単なる弱攻撃連打である(それではゲームにならないからヒーローズでは分身を生み出し、分身が攻撃に追随するという全くの別性能の技となった)。
次に武器に関して考察すると、11勇者、3勇者、4勇者、8勇者は3Dモデルが個別に作られているのでDQ原作そのままの装備である。残り4人は彼等の単なる色変えなので再現度が低い……と思いきや、テリーに関しては次のような考察が出来る。DQ6テリーの初期装備と言えば雷鳴の剣とドラゴンシールドであり、スマブラで装備しているのは竜神王の剣と竜神の盾である。剣はどちらも道具として使えば雷を落としてデイン系のダメージ、盾はどちらもドラゴンモチーフ。まあ似ている(強引)。
体型、特技、装備を総合的に考えるとスマブラ勇者はテリーという結論。
通常攻撃の比較
スマブラのA技をDQ原作と比較。といっても完全3Dかつ非デフォルメ体型のDQは8と11しかないのでそれらとの比較が中心。スマブラの他のファイターからの流用だとか、そういう話がしたい訳ではないのでDQ原作と比較。
弱攻撃
弱攻撃は初段の切り上げが二刀流の左手の攻撃とかなり似ている。11の攻撃は斬撃の軌道が弧を描くが、下からの垂直な斬り上げ自体アクションとして珍しいので類似度は高い。
弱1 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/LDPg78V9GJ
— 月餅太郎 (@seigaikijin495) February 16, 2021
弱攻撃の2段目は似ているものを見つけるのが難しい。剣の軌跡が斜めにならず弧も描かず真っ直ぐな振り下ろしはなかなか見つからない。見つけたら後で比較動画を追加する。
弱攻撃の3段目は腰の回転を伴う身体の外側から内側に向かっての斜めの斬り上げという点でシルビアの攻撃が近い。
弱3 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/bmAuygGl5C
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強攻撃
横強攻撃の1段目は盾で内から外へ大きく払う動き。グレイグのシールドアタックは正面への押し出しなので盾を使った攻撃ではあるもののモーションは別物。
横強1 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/f66r5a7R7s
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横強攻撃の2段目は大きく内側から外側へ袈裟斬り。盾殴りで身体の角度が変わっているからその続きとして自然に繰り出せているが、そうでないなら内側から外側へ斬る動きはやり難く、DQにおいては少ない。しかしDQ11に無い訳でもない。しかしDQ8の方が回転で身体の角度を変えてから低い姿勢で斬撃を放っていて似ているか。ただ8のは下から上への動きなんだよな。
横強2 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/jtmojbDgFZ
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横強2 pic.twitter.com/1b7swVjwXJ
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上強攻撃はDQだとそもそも対空攻撃アクションが不要だから類似したものが無さそう……に思えて、グレイグの斧がジャンプはしないし上攻撃というより斬り上げの一種に近いとはいえ、軌跡自体はかなり近しい。
上強 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/RnH6lluByx
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下強攻撃は足払いか。低い姿勢で相手の足元を自分の足で攻撃する。よくよく見てみると11の動作は身体の回転があるからスマブラとは違うのだが、DQ6の公式ガイドブックのイラストはかなり近い。
下強 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/1dFeHt09BU
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ダッシュ&空中攻撃
ダッシュアタックや空中前攻撃はDQ11で主人公と敵の距離がある時に見せるジャンプしてからの斬り下ろしがかなりそれっぽい。空中で大きく振りかぶって敵を真っ二つにする構図はDQ6の公式ガイドブックのイラストにも存在。
DA、空前 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/pDpraE1gkA
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空中ニュートラル攻撃はかなり後ろまで剣を振るのが特徴だがその点で似ているアクションを探すのは難しい。強いて言えばアルテマソード。
空N #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/Xl13C9GPp8
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空中上攻撃は珍妙な動きで類似しているものを探すのに苦労する。空中で自身より高い位置の敵を蹴るという意味ではマルティナのムーンサルトか?ヤンガスの爆裂拳の4発目も上蹴りであるが、マルティナと同じく宙返りしてしまう。
空上 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/SCB8LJQlbu
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空中下攻撃は剣を地面に垂直に刺すという点ではビッグバンが同じであるが、下への突き刺しそのものが攻撃となっているのは斜め方向ではあるがマルティナの雷光一閃突き。
空下 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/qCK9162Uee
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空下 #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/2lJ1cdxdj1
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空中後ろ攻撃は流石にこれは対戦アクションのジャンルじゃないと見つからないと思う。
スマッシュ攻撃
横スマッシュ攻撃は力を溜めてから全力で振り下ろすという意味では全身全霊斬りだが、モーション自体は両手剣の通常攻撃の方が近いだろうか。身体のバネを利かせて振り下ろすという点ではヤンガスの蒼天魔斬もなかなか。
横スマ #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/MEvynd4oPm
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横スマ #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/qf4N5zq67f
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横スマ pic.twitter.com/OXa9bfKGed
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上スマッシュ攻撃は剣を真上に掲げるという動作はフリーズブレードと共通するが、後者は下から突き出す氷で足元が攻撃範囲という相違がある。
上スマ #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/d2gfNYossG
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下スマッシュ攻撃はもっと見つけ難い。足元を素早く払うという意味では足払いだが、あれは足技であって剣は使わないし。振り向いての後ろ攻撃こそないが、低い位置を2連続で斬るという動きはベロニカの鞭攻撃がほぼ同じ。
下スマ #DQ11S #NintendoSwitch pic.twitter.com/tloYAroNy4
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投げ
投げは掴んで投げるという動作が敵の身体の形や大きさに依存するせいか、完全3D化したDQ8以降は姿を消した。しかしDQ6には巴投げがあるので投げ技という概念自体はDQ世界にもある。柔道の巴投げに近い動作は後ろ投げなのだが、DQの敵を戦闘から離脱させるという効果の実現には前投げの方が合理的なのではないかという気がする(後ろに敵を投げると挟み撃ちにされそうなので)。
上投げはDQ8の岩石落としとそっくり。特に万歳の姿勢で飛ばすところが。
上投げ pic.twitter.com/9pg9lKMBMN
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下投げは地面への叩き付けだが、これはデスタムーアの手や究極エビルプリーストがやってくる叩き付けが概念的に近いと思われる。
下投げ pic.twitter.com/poh9p1wEvX
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掴み打撃は膝蹴り。DQ6ハッサンの得意技が飛び膝蹴りで公式ガイドブックにイラストがあり、それがDQ世界では一番近いか。転職システムのあるDQ6では当然ながらテリーも使用可能。
カプセルとかアイテムを投げるアクションはDQ6の石礫がそのまんまかな。
長くなったのでB技に関しては後日別の記事で書きます。
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その他スマブラ関係の権利は任天堂が多分管理していると思います。
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